Program Schedule 2006

Program Schedule 2007

Program Schedule 2008

MUSIC TOWN Program Schedule 2009

第158回
L.V.ベートーベン(1770〜1827) 「交響曲第9番」合唱付き B.ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1959 

第157回
L.V.ベートーベン(1770〜1827) 「交響曲第9番」合唱付き H.V.カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1983

第156回
J.S.バッハ(1685〜1750) クリスマス・オラトリオ(2)
第4部 キリストの割礼と命名記念日用
第5部 新年後の主日用
第6部 主顕節用
J.E.ガーディナー指揮 1987 ロンドン
モンテヴェルディ合唱団
演奏 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
N.アージェンタ(sp) R.ホールトン(sp) A.S.オッター(al)他

第155回
クリスマス音楽特集:「きよしこの夜」「ホワイトクリスマス」他 B.ヘンドリックス、安田・由紀姉妹、ウィーン少年合唱団などの出演

第154回
E.グリーグ(1843〜1907):「ペール・ギュント」 付随音楽
第一幕:前奏曲(婚礼の場にて)
第二幕:前奏曲(花嫁泥棒とイングリッドの嘆き)
ペール・ギュントと山羊追いの女たち
山の魔王の洞窟にて
山の魔王の娘の踊り
ペール・ギュントはトロルに追い回される
ペール・ギュントとベイグ
第三幕:前奏曲(オーゼの死)
第四幕:前奏曲(朝の気分)
泥棒と盗品買い
アラビアの踊り
アニトラの踊り
ペール・ギュントのセレナーデ
ソルヴェイグの歌
第五幕:前奏曲(ペール・ギュントの帰郷:夕方の嵐の海)
難破
小屋でソルヴェイグが歌っている
夜の場面
賛美歌「祝福の朝なり」
ソルヴェイグの子守歌
この作品はH.イプセンの戯曲への付随音楽であり作者より依頼された。伝説の人物の音楽劇であるがノルウェーの民族音楽を発掘した。
H.ブロムシュテット指揮 サンフランシスコ交響楽団 1988
ウルバン・マルムベルイ(P.ギュント Br) マリアンヌ・ハエヤンダー(ソルヴェイグ Sp) 同楽団合唱団 他

第153回
I.ストラビンスキー(1882〜1971):バレエ「春の祭典」 1913
第一部 大地礼賛
序奏 春のきざしとおとめたちの踊り 誘拐 春の踊り
敵の都の人々の戯れ 賢人の行列 大地へのくちづけ
大地の踊り
第二部 いけにえ
序奏 おとめたちの神秘はつどい いけにえへの賛美 
先祖の呼び出し 祖先の儀式 いけにえの踊り
バレエ組曲「火の鳥」 1919
序奏 火の鳥とその踊り 火の鳥のヴァリエーション
王女たちのロンド カスチェイ王の魔の踊り こもり歌 終曲
バレエ「カルタ遊び」 三ラウンドの舞踊曲 1936
第一〜第三ラウンド 
三大バレエで知られるストラヴィンスキーであるが原始主義、新古典主義、セリー主義(十二音技法)と作風を変えたが調性は重視した。最初の三大バレエで評価はほぼ決まっている。1959年に来日公演をした。

第152回
BGM モーツァルト(1) 音楽夜話 癒し系のモーツァルト作品を聴きながらリラックスしましょう!

第151回
日本歌曲集(4)
冬の夜:文部省唱歌 1912 東京シティフィル
ブラームスの子守歌: 訳詩 堀内敬三 1946 作曲 ブラームス 
故郷:高野辰之/岡野貞一 1914 京都エコー合唱団
故郷を離るる歌:ドイツ民謡 作詞 吉丸一昌 日本女性合唱団
ペチカ:北原白秋/山田耕作 1923 京都エコー合唱団
坊やはよい子だ:日本古謡 三浦尚子(ソプラノ)
星の界
(よ):杉谷代水/コンヴァース 1910 シンギング・エンジェルズ
ほたるこい:わらへうた 邦楽四人の会
牧場の朝:杉村楚人冠/船橋栄吉 1932 小出道也(オカリナ)
まちぼうけ:北原白秋/山田耕作 1937 五十嵐喜芳(テノール)
虫のこえ:文部省唱歌 1932 邦楽四人の会
村の鍛冶屋:文部省唱歌 1912 シンギング・エンジェルズ
村祭:葛原しげる/南能衛 1912 京都エコー合唱団
モーツァルトの子守歌:堀内敬三/フリース 1796? 三浦尚子
紅葉:高野辰之/岡野貞一 1911 京都エコー合唱団
椰子の実:島崎藤村/大中寅一 1936 京都エコー合唱団
夕焼け小焼け:中村雨紅/草川信 1919 小出道也(オカリナ)
雪:文部省唱歌 1911 東京シティーフィル
雪の降る街を:内村直也/中田喜直 1949 五十嵐喜芳
夢路より:訳詩 津川圭一 作曲 フォスター 東京放送合唱団
宵待草:竹久夢二/多忠亮 1912 京都エコー合唱団
旅愁:訳詩 犬童球渓 1907 作曲 オードウェイ 日本女性合唱団
ローレライ:訳詩 近藤朔風 1909 作曲 ジルヒャー  ミリオン・ポップス
ロンドンデリーの歌:アイルランド民謡 1791? 訳詩 津川圭一
われは海の子:文部省唱歌 1910 京都エコー合唱団 

第150回
S.V.ラフマニノフ(1873〜1943) 「ピアノ協奏曲」
第二番 ハ短調 1901 モスクワ
第一楽章:Moderato allegro c-moll 2/2 Sonata
第二楽章:adagio sostenuto E-dur 4/4 Trio
第三楽章:allegro scherzando C-dur Sonata
第三番 ニ短調 1909 ニューヨーク
第一楽章:allegro ma non tanto d-moll 4/4 Sonata
第二楽章:Intermezzo agagio 3/3 Trio
第三楽章:Finale alla breve d-moll〜D-dur 2/2 Sonata
ピアニスト、指揮者、作曲家として
最後のロシア・ロマン派の巨匠である

第149回
J.S.バッハ:「無伴奏チェロ組曲」第4〜6番 1720年頃
第一番 変ホ長調 第一楽章:Prelude 第二楽章:Allmande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande
第五楽章:Bourree 1&2 第六楽章:Gigue
第五番 ハ短調 第一楽章:Prelude 第二楽章:Allmande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande
第五楽章:Gavotte 1&2 第六楽章:Gigue
第六番 ニ短調 第一楽章:Prelude 第二楽章:Allmande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande
第五楽章:Gavotte 1&2 第六楽章:Gigue
P.カザルス(1876〜1973)とP.ピカソ(1881〜1973)は20世紀のスペインが産んだ巨人である。奇しくもPabloという同じ名前で没年も同じである。共に反核・反戦を貫いて独裁国家となった祖国へは帰ることはなかった。
芸術を通じて恒久平和を世界に訴え続けた。

第148回
L.V.ベートーベン(1770〜1827)
「ピアノソナタ」第8番 ハ短調 Op.13 1797 「悲愴」
第一楽章:c-moll Grave-Allegro di molto e con brio
第二楽章:As-dur Adagio cantabile
第三楽章:c-moll Rondo Allegro
「ピアノソナタ」第14番 嬰ハ短調 Op.27−2 1802 「月光」
第一楽章:cis-moll Adagio sostenuto
第二楽章;Des-dur Allegretto
第三楽章:cis-moll Presto agitato
「ピアノソナタ」第23番 ヘ短調 Op.57 1804 「熱情」
第一楽章:f-moll Allegro assai
第二楽章:Des-dur Andante con moto
第三楽章:f-moll Allegro ma non troppo
ベートーベンの有名な三曲のピアノソナタをお届けする。作曲者自身が表題を付けたのはこの第8番と26番「告別」だけである。”Pathetique”を「悲愴」と訳するのには抵抗を感じる。「月光」は余りに有名。「熱情」はベートーベンらしい。M.ポリーニは1942年ミラノ生まれの世界的なピアニスト。
K.ベームのお気に入りで多くの共演記録を残している。

第147回
チェロ名曲集: ミッシャ・マイスキー(1948〜 ) チェロ独奏 
旧ソ連出身の現代のチェロの名手の演奏をお聴き下さい
野ばら:シューベルト(1797〜1828) D257
セレナード:シューベルト D957
トロイメライ:シューマン(1810〜1856) 「子どもの情景」
白鳥:サン・サーンス(1835〜1921) 「動物の謝肉祭」組曲
メヌエット:ポッケリーニ(1743〜1805)「弦楽五重奏曲ホ長調」
月の光:ドビュッシー(1862〜1918) 「ベルガマスク組曲」
浜辺の歌:成田為三(1862〜1918) 1913(大正2年)
五木の子守歌:熊本県民謡
鳥の歌:パブロ・カザルス(1876〜1073) カタロニア民謡
アヴェ・マリア:シューベルト D839
子守歌:ブラームス(1833〜1897) Op49
夢のあとに:フォーレ(1845〜1924) Op7
アリア;ヘンデル(1685〜1759) ハ短調 ヘンデル作曲と伝わる
G線上のアリア;J.S.バッハ(1685〜1750) BWV1068
夜と夢:シューベルト D827
ヴォカリーズ:ラフマニノフ(1873〜1943) Op34

第146回
モーツァルト:「ピアノソナタ」第14番ハ短調K457&幻想曲K475
Fantasie c-moll adagio - allegro - andantino - piu allegro - primo
第一楽章:c-moll molto allegro 第二楽章:Es-dur adagio
第三楽章:c allegro assai
第11番 イ長調 K331 トルコ行進曲付き
第一楽章:A-dur thema con variationi andante grazioso
第二楽章:A-dur menuetto Trio
第三楽章:a-moll alla turca allegretto
第15番 ハ長調 K545 
第一楽章:C-dur allegro 第二楽章:G-dur andante
第三楽章:C-dur Rondo allegretto
M.J.ピリスは1944年リスボン生まれの女流ピアニストである。1989年から1990年にかけてのハンブルクでの録音記録である。第11番は「トルコ行進曲」として余りにも有名。第15番はモーツァルトが弟子の練習曲として書いたので現代でも課題曲となっている。幻想曲と第14番は通常セットで演奏される。モーツァルトはどんな新曲でも初見で弾いた。

第145回
ヴァイオリン名曲集:A.S.ムッター ウィーン・フィル 1992
ツィゴイネルワイゼン Op20: P.サラサーテ(1844−1908)
伝説曲 Op17 ト短調:H.ヴィェニャフスキ (1835−1889)
ツィガーヌ:ハンガリー舞曲 M.ラヴェル (1875−1937) 
タイスの瞑想曲:歌劇間奏曲 J.マスネ (1842−1912) 
カルメン幻想曲 Op25:サラサーテ自身もヴァイオリンの名手である
子守歌 ニ長調:G.フォーレ (1845−1924)
A.S.ムッターは1963年生まれのドイツ人ヴァイオリニストであるが、13歳でカラヤンと共演してデビュー。恩師亡き後も成長を続け現代を代表する女性演奏者として活躍を続ける。40歳を越えて円熟味を増した。

第144回
モーツァルト:「ヴァイオリン・ソナタ」 
第28番 ホ短調 K304 1778 パリ
第一楽章:Allegro
第二楽章:Tempo di Menuetto
ヴァイオリン A.S.ムッター ピアノ L.オーキス
2006年2月 ミュンヘンでのライブ録音
ピアノもヴァイオリンも得意であったモーツァルトの傑作群である。
第28番は1778年にパリで母を亡くした夏に書かれた短調の名曲。
第34番 変ロ長調 K378 1779 ザルツブルク
第一楽章:Allegro moderato
第二楽章:Andantino sosotenuto e cantabile
第三楽章:Rondo allegro
第40番 変ロ長調 K454 1784 ウィーン
第一楽章:Largo-Allegro
第二楽章:Andante
第三楽章:Allegretto

第143回
アラビアの音楽(1) イラクの音楽 
カーヌーン・タクシーム 基本的撥弦楽器の演奏
パスタ イラクの古典声楽形式
イラキ・マカーム バクダッドの都会風小唄
アターバ&モハメダウィ ベドウィンの民俗音楽
ナッカーラ独奏 打楽器の超絶技巧
マトブッチ独奏 双管のクラリネット
スルナ、タブル、ナッカーレ スルナはチャルメラ系の楽器
マトブッチと歌「スウェヘリ」 農民の歌
ドラム・アンサンブル 即興演奏の超絶技巧は凄いの一言
スーフィのジクル 教会での実況録音
アラビアの音楽は西欧音楽の大先輩である。世界四大文明の一角を占めるアラビアの偉大な伝統は今日の音楽にも伝承されている。近年戦火の絶えないイラクはアラビア音楽の古い都の一つでもある。

第142回
日本歌曲集(3)
夏の思い出:江間章子/中田喜直 1929
夏は来ぬ:佐々木信綱/小山作之助 1896
七つの子:野口雨情/本居長世 1921
平城山:北見志保子/平井康三郎 1935
庭の千草:里美義/アイルランド民謡 1884
人形:文部省唱歌 1911
野菊:石森延男/下総完一 1942
野ばら:三木露風/梁田貞 1920〜1923
箱根八里:鳥居沈/滝廉太郎 1901
花:武島羽衣/滝廉太郎 1900
花かげ:大村主計/豊田義一 1931
花の街:江間章子/団伊玖磨 1951
花嫁人形:蕗谷虹児/杉山長谷夫 1923
埴生の宿:里美義/ビショップ 1889 (原曲 1823)
波浮の港:野口雨情/中山晋平 1928
浜千鳥:鹿島鳴秋/弘田龍太郎 1919
浜辺の歌:林古渓/成田為三 1918
春が来た:高野辰之/岡村貞一 1910
春の唄:喜志邦三/内田元 1937
春の小川:高野辰之/岡野貞一 1912
春の日の花と輝く:堀内敬三/アイルランド民謡 (原曲 1737)
春よ来い:相馬御風/弘田龍太郎 1923
ひがんばな(曼珠沙華):北原白秋/山田耕作 1911
ふじの山:文部省唱歌 1910
冬景色:文部省唱歌 1913

第141回
ブルーノ・ワルター特集(2) 1960 米国
モーツァルト:「交響曲第41番」 ハ長調 K551 ”ジュピター”
「交響曲第35番」 ニ長調 K385 ”ハフナー”
弟子のK.ベーム(1894〜1981)の指揮と一部を比べて聴いてみたい。凄い指揮者の先生はもっと凄いことが分る。ベームは果たしてワルターを超えられたか。じっくりと静かに聴いて頂きたい。(詳しい解説

第140回
ブルーノ・ワルター特集(1) 1958〜1960 米国にて録音
モーツァルト:セレナーデ第13番 ト長調 K525
歌劇「劇場支配人」 序曲 K486
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」 序曲 K588
歌劇「フィガロの結婚」 序曲 K492
歌劇「魔笛」 序曲 K620
フリーメイソンの葬送音楽 K477
B.ワルター(1876〜1962)はベルリンに生まれてハリウッドで没したた。1896年にハンブルクでマーラーに出会い生涯の師を得た幸運によりモーツァルトに開眼した。マーラーはロマン派の時代にあってその過激な表現が主流の時代に、モーツァルトの音楽が控えめな表現ながら豊かな詩情を内包していてドラマ的であることを強調した。オペラの指揮者として当代一であったマーラーから多くを学び弟子のベームに伝えた。晩年にモーツァルトは50歳を過ぎなければ指揮できないと述懐している。

第139回
L.V.ベートーベン(1770〜1827):「ヴァイオリン協奏曲」 1806
第一楽章:Allegro ma non troppo D
第二楽章:Lhargetto G
第三楽章:Rondo allegro D
カデンツァの部分をベートーベンが記譜したのはそれ以後の作曲家が真似をしたので
即興性の表現を否定する結果を残した。どの名手のカデンツァが良いかと云う聴く側の楽しみが無くなったのである。
Z.フランチェスカッティ(ヴァイオリン) 指揮 B.ワルター
コロンビア交響楽団 1961年1月21日 米国
フランチェスカッティと組んだワルター最晩年の歴史的な記録である。今後ともこれに優るこの名曲の演奏は有り得ないと言われている。前回のモーツァルトと聴き比べると同じ演奏者でもベートーベンは遊びが無く少し肩がこる!それ故に音楽療法には適さない。西欧音楽は
バッハ、モーツァルト、ベートーベンの順位に並ぶ理由をお聴き頂きたい。

第138回
W.A.モーツァルト:「ヴァイオリン協奏曲」 第3番 ト長調 K216
第一楽章:Allegro G 4/4
第二楽章:
Adagio D 4/4
第三楽章:Rondo allegro G 3/8
ヴァイオリン独奏はZ.フランチェスカッティ(1902〜1991) 指揮はB.ワルター(1876〜1962) 1958年にコロンビア交響楽団とともに米国で歴史的な録音がなされた。モーツァルト19歳の作品!
「ヴァイオリン協奏曲」第4番 ニ長調 K218 1775
第一楽章:Allegro D 4/4
第二楽章:Andante cantabile A 3/4
第三楽章:Rondo andante grazioso D 2/4
ワルターはマーラーの弟子であり、ベームの師匠である。ベームがモーツァルトの専門家であるのはワルターの薫陶による。フランチェスカッティはハイフェッツと双璧をなす20世紀の名ヴァイオリニストである。

第137回
雲南省少数民族の音楽(2):「深山の名手」 1994 昆明市
1:篤(ド
) 笛独奏のよる序曲 白砂細樂(ナシ族)
2:三思渠 (河の名) ナシ族 笛と合奏
3:美しい白雲 ナシ族 笛と合奏と歌
4:戯れる竜 パイ族のスオナー音楽
5:客を迎える調べ ヂンポ族サンピ(笛)ウェンポン(仲間)儀礼音楽
6:楽しき山里 ドンパ(リード楽器)合奏
7:瑞麗河のほとり  タイ族 バウ合奏
8:パンヤの木の下で タイ族 草笛合奏
9:ハニのメロディ ハニ族 バウ独奏 
プーアル茶の古里
10:哀牢山の雲海 ハニ族 ティリ独奏 
11:ブランの子守歌 ブラン族 フル笙独奏
12:ドン族の里の夜 ドン族 中音フルしょう独奏(上部に共鳴球を持つ)
13:村を通る歌 ドゥアン族 中音フルしょう独奏(同上)
14:アチャンの恋の歌 アチャン族 低音フルしょう独奏(同上)
15:リス族の踊り リス族 フル笙独奏

第136回
日本歌曲集(2)
この道:北原白秋/山田耕作 1926
さくら貝の歌:土屋花情/八州秀章 1939
さくらさくら:日本古謡
里の秋:斉藤信夫/海沼実 1948
叱られて:清水かつら/弘田龍太郎 1920
城ヶ島の雨:北原白秋/梁田貞 1913
ずいずいずっころばし:わらべうた
スキーの歌:林柳波/橋本国彦 1933
砂山:北原白秋/中山晋平 1922
背くらべ:海野厚/中山晋平 1923
船頭小唄:野口雨情/中山晋平 1924
早春賦:吉丸一昌/中田章 1913
たき火:巽聖歌/渡辺茂 1941
竹田の子守唄:京都府民謡
七夕さま:権藤花代/下総完一 1941
ちいさい秋みつけた:サトウハチロー/中田喜直
茶摘:文部省唱歌 1912
中国地方の子守歌:岡山県民謡/山田耕作(1928 編曲)
ちんちん千鳥:北原白秋/成田為三 1921 
追憶:スペイン民謡 古関吉雄(作詞 1890)
月:文部省唱歌 1910
出船:勝田香月/杉山長谷夫 1917
とおりゃんせ:わらべうた 本居長世(編曲 不詳年)
遠くへ行きたい:永六輔/中村八大 1970
どこかで春が:百田宗治/草川信 1923

第135回
W.A.モーツァルト:「セレナーデ」第13番 ト長調 K525 1787
Eine kleine nacht musik 
”アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク”
第一楽章:Allegro G 4/4 第二楽章:Romance andante C 2/2
第三楽章:Menuetto allegretto G 3/4  第四楽章:Rondo allegro
G 2/2
K. ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1974
モーツァルトの全作品の中で最も有名で美しい楽曲の一つがこの「セレナーデ」第13番である。幼稚園児から高齢者まで世界中でこの曲と知らない人はいない。この番組では第二楽章のロマンツェをテーマ曲に採用している。商業放送では第一楽章や第三楽章をテーマ曲にする局も多いが私は
第ニ楽章を最も好む。しかもベームさんで
「セレナーデ」第6番 ニ長調 K239 1776
第一楽章:行進曲 Maestoso D 2/4 第二楽章:Menuetto D 3/4
第三楽章:Rondo allegretto D 2/4 〜 Adagio 3/4 〜 Allegro 2/4
「セレナーデ」第9番 ニ長調 K320 1779
第一楽章:Adagio maestoso - allegro con spirito D
第二楽章:
Menuetto allegretto D 3/4
第三楽章:Concertante allegro grazioso G 3/4
第四楽章:Rondo allegro ma non troppo D 2/4
第五楽章:Andantino d 3/4  第六楽章:Menuetto D 3/4
第七楽章:Finale presto D 2/2
K.ベーム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1970

第134回
J.S.バッハ(1685〜1750) 
「チェンバロ協奏曲」第二番 E 1053 (ギターとオーケストラ版)
「G線上のアリア」 (ギターとオーケストラ版)
「チェンバロ協奏曲」第5番 f 1056 (ギターとオーケストラ版)
「主よ、人の望みの喜びよ」 (ギター独奏)
「パルティータ」第二番 d 1004 (ギター独奏)
「メヌエット」 114&115 (ギター独奏)
ギター独奏: 村治佳織 2008 ライプチッヒ
村治佳織は2008年に「Kaori Muraji plays Bach」を初めて出した。チェンバロをギターに置き換える編曲は音域の差が大きいので困難を伴う。編曲者のR.ロイシャーは村治が演奏するために高度な技巧も織り交ぜながら原曲の味わいも残す様な見事な編曲をした。バッハ自身もギターに親しんだという記録もある。彼女のバッハ挑戦の第一作品であるがこの天才ギタリストの晩年の集大成をバッハで飾ってほしいと念願する者である。ゲヴァントハウス・バッハ・オーケストラは流石にライプチッヒの楽団だけのことはある。

第133回
J.ロドリーゴ:「アランフェス協奏曲」 1939 パリ
第一楽章:Allegro con spirito D 6/8 第二楽章:Adagio h-moll 4/4
第三楽章:Allegro gentile D 2/4 〜 3/4
M.アーノルド:「ギターと弦楽のためのセレナード」 1955
M.C.テデスコ:「ギター協奏曲」第一番 D 1939
R.ディアンス(1955〜):「タンゴ・アン・スカイ」 ギターと弦楽合奏
ギター独奏 村治佳織 Kaori Muraji
山下一史指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 1999 東京
村治佳織(1978〜)は日本を代表する若手ギタリストのホープである。3歳から父に習い15歳でデビューしている。国内ではもう教える者がいないとパリの音楽院を卒業した。1999年にギターの巨匠ロドリーゴにあるTV番組で一時間面会する幸運を得た。その番組は私も拝見したが彼女の音楽人生に決定的な影響を与えたであろう。今から10年前にNHKの番組でたまたま聴いた時は21歳であったが、その只ならぬ演奏に惹かれた。少しボーイッシュな格好でギターを弾いておられたのを覚えている。早く40歳になられるのを心待ちにしている。詳細解説

第132回
雲南省少数民族の音楽(1):「常春の詩」 1994 昆明市で収録
雲南省は日本文化のルーツの一つと言われている。イ族などの少数民族の省であるが戦乱の度に漢民族も移入して中国音楽の影響も受けながら少数民族の音楽の伝統を守って来た。ここに収録された民歌の数々は珠玉の伝統音楽である。今も歌われているのであれば素晴らしい。演奏者は雲南省の最高水準の方達ばかりである。友人が持ち帰ったVCDを見ると若い人も活躍している。
詳細解説
「左脚調」:屋外で踊る祝いの歌 「馬桜花開」:バウという管楽器の横笛 「紅河的春天」:楊琴の独奏曲で1970年代の作品 「イサの山歌」:なんと草笛の独奏である 「イ族の山歌」:月琴の独奏に打楽器の伴奏が付く 「口琴の独奏」:ガンジーという曲名。口琴はイ語ではhohoと呼ばれる 「雑弦調」:月琴の演奏。イ族の歌舞音楽 「跳笙調」:胡芦笙とは瓢箪で作った笙である 「敬酒歌」:ビルと云う竹や葦の管楽器 「過山歌」:ティリと云う双菅の楽器で微妙な音高差が特徴 「イ族の歌垣」他

第131回
J.S.バッハ:「無伴奏チェロ組曲」第1番〜第3番  1720頃
第一番 ト長調 第一楽章:Prelude  第二楽章:Allemande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande 第五楽章:Menuetto
第六楽章:Gigue
第二番 ニ短調 第一楽章:Prelude 第二楽章:Allemande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande 第五楽章:Menuetto
第六楽章:Gigue
第三番 ハ長調 第一楽章:Prelude 第二楽章:Allemande
第三楽章:Courante 第四楽章:Sarabande 第五楽章:Bouree 1&2
第六楽章:Gigue
J.S.バッハ(1685〜1750)のケーテン時代(1717〜1723)の作品と言われている。この楽譜を発見したのは演奏者のパブロ・カザルス(1876〜1973)その人である。父親から初めて普通サイズのチェロを買って貰った日の午後にバルセロナの古い楽器店で偶然に発見したのである。この不朽の名曲を演奏すべく運命づけられていたかの様である。20世紀にピカソと並ぶスペインの巨匠として知らぬ人はない。その時代を超えた迫真の演奏は無伴奏故に何をか言わんやである。1938年から1939年に掛けて録音されたSP盤からCDに転載された貴重な記録である。人類の音楽遺産とも言うべき一大記録でありそれを聴くことが出来る現代人は多幸と言うべきではないか。

第130回
W.A.モーツァルト:「ピアノ協奏曲」第17番 ト長調 K453
第一楽章:Allegro G 4/4
第二楽章:Andante C 3/4
第三楽章:Allegretto G 2/2
作曲年代 1784年4月12日 ウィーン
第14番と共に弟子のために作曲した。第三楽章にはムク鳥のテーマが意識されていると云う。父への4月10日付けの手紙に記録されている。M.ポリーニは1970年代よりベーム&VPOと多く共演した。
「ピアノ協奏曲」第21番 ハ長調 K467
第一楽章:Allegro C 4/4
第二楽章:Andante F 2/2
第三楽章:Allegro vivace assai C 2/4
作曲年代 1985年3月9日 初演は3月10日にウィーンで行われた。低音用のフォルテ・ピアノ・ペタルを特注して使用したと記録にある。
演奏 2005年5月、M.ポリーニがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を弾き振りしたライブ記録である。

第129回
W.A.モーツァルト:「ピアノ協奏曲」第22番 変ホ長調 K482
第一楽章: Allegro Es 4/4
第二楽章: Andante c-moll 3/8
第三楽章: Allegro Es 6/8 〜 andantino cantabile Es 3/4 〜 primo tempo Es 6/8
作曲年代 1785年12月16日 初演 12月23日 ウィーン 
モーツァルト自身のピアノでサリエリ指揮のオラトリオの幕間に演奏
「ピアノ協奏曲」第24番 ハ短調 K491
第一楽章: Allegro c-moll 4/4
第二楽章: (
Larghetto) Es 2/2
第三楽章: (Allegretto) c-moll 2/2
R.Serkin (pf) C.Abbado cond. London Symphony Orchestra 1984 1985
作曲年代 1786年3月24日 初演 4月7日 ウィーン
12音の全てを使う先駆的作品で
わが最愛の協奏曲であります!

第128回
W.A.モーツァルト:「交響曲」第40番 ト短調 K550 1788 
第一楽章 Molto allegro g-moll 2/2
第二楽章 Andante g-moll 6/8
第三楽章 Allegretto g-moll 3/4
第四楽章 Allegro assai g-moll 2/2
第25番と共にト短調の交響曲である。映画でもよく引用される名曲である。協奏曲と同じく短調の作品は珍しい。「短調のモーツァルト」という異名の由来でもある。
ベームとVPOの不滅の演奏記録である。
「交響曲」第41番 ハ長調 K551 1788 作曲 初演不明
第一楽章 Allegro vivace C 4/4
第二楽章 Andante cantabile F 3/4
第三楽章 Menuetto allegretto C 3/4
第四楽章 Molto allegro C 2/2
”ジュピター”という異名を持つこの究極の交響曲は何の為に書かれたのか。ロンドンで一旗上げるためという説もある。。400年の
クラシック音楽の最高峰に位置するこの交響曲は今も燦然と万年雪を冠して聳える。

第127回
W.A.モーツァルト:「交響曲」第38番「プラハ」 ニ長調 K504 
初演 17871月19日 プラハ
第一楽章 Adagio - allegro D 4/4
第二楽章 Andante G 6/8
第三楽章 Finale presto D 2/4
1786年5月1日に初演された「フィガロの結婚」も飽きやすいウィーンでは人気が落ちたが、翌年の1月17日にプラハでは熱狂的な歓迎を受けた。その感謝の意味を込めて交響曲第38番は
プラハで初演された。それ故に「プラハ」という副題が後世に付けられた。プラハでの熱狂はやがて歌劇「ドンジョヴァンニ」を産みモーツァルトはウィーンでも再評価されたが、ウィーン市民は移り気な気質であったらしい。現代の聴衆も当時とあまり変わらないのではないか。
「交響曲」第39番 変ホ長調 K543 1788 作曲 ウィーン
第一楽章 Adagio Es 2/2
第二楽章 Andante con moto As 2/4
第三楽章 Menuetto allegretto Es 3/4 - Trio 3/4
第四楽章 Finale allegro Es 2/4
モーツァルトの
三大交響曲として有名な第39番、40番、41番は不朽の名作であるにも拘らず何時初演されたかも分っていない。作曲年代は何れも1788年の6月から8月にかけて毎月作曲された。
演奏:K.ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1979
モーツァルトの専門家ベーム最晩年の集大成の演奏記録である。ベームは1980年の来日で42年間に及ぶウィーン・フィルの最後の指揮をした。その時に「フィガロの結婚」の最後の上演記録も残している。

第126回
W.A.モーツァルト:「ピアノ協奏曲」第20番 ニ短調 K466
第一楽章 Allegro d-moll 4/4  第二楽章 Romance B-dur 2/2
第三楽章 Rondo allegro assai d-moll 2/2
「ピアノ協奏曲」第21番 ハ長調 K467
第一楽章 Allegro C-dur 4/4  第二楽章 Andante F-fur 2/2
第三楽章 Allegro vivace assai C-dur 2/4
作曲年代 1785 ウィーン 演奏 F.グルダ(Pf) C.アバド指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1984 ウィーン
20番は24番(ハ短調)と共に短調のピアノ協奏曲である。20番が2月11日に初演された日に父レオポルドが臨席してその様子を姉ナンネルに書き送った。翌12日に自宅でハイドンと父が歴史的な会見をした。四重奏曲演奏の後でハイドンが父に最大限の賛辞を与えた事で有名。400年のクラシック音楽を旅するこの番組は10年間500回の予定であるが、時々は原点のバッハとモーツァルトに帰る必要がある。バッハは「語るように」弾け、モーツァルトは「歌うように」弾けというのがその道の専門家の教訓である。それぞれの時代の音楽潮流をよく表現している。

第125回
日本歌曲集(1) 
青い目の人形:野口雨情/本居長世 1921
赤い靴:野口雨情/本居長世 1921
赤とんぼ:三木露風/山田耕作 1921
アニー・ローリー:堀内敬三(訳詩)/スコット 1838
あの町この町:野口雨情/中山晋平 1925
雨:北原白秋/広田龍太郎 1921
雨降りお月さん:野口雨情/中山晋平 1925
主は眠る:津川主一(訳詩)/フォスター 1852
あわて床屋:北原白秋/山田耕作 1919
家路:三沢郷(訳詩)/ドヴォルザーク 1893
五木の子守唄:熊本県民謡
海:文部省唱歌 1913
お江戸日本橋:日本古謡
お菓子と娘:西条八十/橋本国彦 1928
おぼろ月夜:高野辰之/岡野貞一 1914
案山子:文部省唱歌 1911
かごめかごめ:わらべうた
かなりや:西条八十/成田為三 1918
鐘がなります:北原白秋/山田耕作 1923
鎌倉:文部省唱歌 1910
からたちの花:北原白秋/山田耕作 1925
雁がわたる:文部省唱歌 1912
鯉のぼり:文部省唱歌 1913
荒城の月:土井晩翠/滝廉太郎 1901
故郷の空:大和田建樹(訳詩)/スコットランド民謡 1888

第124回
J.S.バッハ特集(7) マタイ受難曲 BWV244より
アリア「神よ憐れみたまえ」 Stepahnie Blythe contralto
Emsemble Orchestral de Paris / John Nelson 2001
コラール「おお、こうべは血にまみれ」 
アリア「われはイエスのもとで目覚めていよう」
合唱「われらは涙を流してひざまずき」
Nicolai Gedda tenor & Suddeutcher Madrigalchor
Consortium Musicum / Wolfgang Goennenwein 1969 1989
復活祭オラトリオ BWV249より
合唱「来たれ、急げ、走れ」 Taverner Consort & Players
conduted by Andrew Parott 1994
楽しき狩こそわが悦び BWV208より
アリア「羊は安らかに草を食み」 Barbara Hendricks soprano
Kammerorchestra CPE Bach Berlin / Peter Schreier 1990
カンタータ140番 BWV140より
合唱「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」
Suddeutcher Madrigalchor Consortium Musicum
conducted by Wolfgang Goennenwein 1995
コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主」 BWV659
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
協奏曲イ短調 BWV593 
第一楽章 アレグロ 第二楽章 アダージョ 第三楽章 アレグロ
バッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
Lionel Rogg organ リオネル・ロッグ (オルガン) 1976
バッハはオルガンの当代一の名手であった。またオルガンの製作や鑑定の専門家でもあったのでドイツ各地のオルガンを弾く機会に恵まれた。「
トッカータとフーガ」は1709年の作品とされる(24才)。休暇を勝手に四ヶ月も伸ばして先輩のブクステフーデのオルガン演奏を聴いて帰ってから作曲した。彼の二番目の妻、アンナ・マグダレーナによる「バッハの思い出」という伝記がある。モーツァルトは膨大な手紙を残したがバッハ自身の記録は極めて少ない。作者はアンナ自身ではないがバッハの生活面を記載した創作伝記である。山下肇先生の名訳がある(講談社学術文庫)。「アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記」という題名の映画(1967)もある。バッハとヘンデルは1685年に生まれた。そして英国人の同一の高名な眼科医によって二人とも失明の憂き目をみたのは歴史の皮肉である。そして二人は遂に会えなかったのである。

第121〜
123回
G.ビゼー(1838〜1875) 歌劇「カルメン」 1875 パリ初演
演奏 C.クライバー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
ウィーン少年合唱団 演出 フランコ・ゼッフィレッリ 1978 
配役 カルメン(ms):エレーナ・オブラスツォア
ドン・ホセ(tn):プラシド・ドミンゴ  
エスカミーリョ(br):ユーリ・マズロク
ミカエラ(sp):イゾベル・ブキャナン
フラスキータ(sp):チェリル・カンフシェ
メルセデス(ms):アクセル・ガル   
スニガ(bs):クルト・リドゥル
モラレス(br):ハンス・ヘルム    
レメンダート(tn):ハインツ・ツェドニク
ダンカイロ(br):パウル・ヴォルフルム
原作 P.メリメ  台本 H.メリヤック&L.アレヴィ
物語 あまりに有名でご説明の必要もないが、衛兵のドン・ホセがたばこ工場前での事件で護送中の主人公カルメンを逃がしたことでこの物語の悲劇が始まる。ドン・ホセはカルメンの所属する密輸団に護衛役として入るがカルメンは既に闘牛士のエスカミーリョに心を移していた。許婚者のミカエラが故郷から母が危篤と知らせて一度は去ったがセビリアの闘牛場の前でカルメンと再会して復縁を迫るが冷淡に拒絶され愛するカルメンを刺殺してしまうところで劇的な幕切れとなる。その最後の場面までカルメンは実はドン・ホセが与えた結婚指輪を指に嵌めていたのである。派手好みで奔放な女性の代名詞のカルメンであるが繊細でナイーヴな側面も描いている。1875の初演は失敗したが後にエルネスト・ギローが台詞をレチタティーヴォに替えたものが現代では主に上演されている。世界で
もっとも有名なオペラ作品のひとつである。

第120回
J.S.バッハ特集(6) ミサ曲ロ短調 BWV232より
演奏 Collegium Vocale Gent P.Herreweghe 指揮 1989
カンタータ第147番 「心と口と行いと生きざまもて」他
演奏 Tavarner Concert & Players  A.Parrot指揮 1988
カンタータ第51番 「全地よ神に向かいて歓呼せよ」 
演奏 Ensemble Sonnerie 1994 N.Argenta (sp)
C.S.Perkins (trumpet)
カンタータ第82番 「われは満ち足れり」
演奏 I.Bostridge (tn) Europa Galante F.Biondi (vl)指揮
2000
マニフィカト ニ長調 BWV243 合唱「わが魂は主をあがめる」
演奏 C.Pregardien (tn) オランダ室内合唱団
S.Kuijken指揮 1989
クリスマス・オラトリオ BWV248 
第一日用カンタータ 「いかにして汝を迎え」  
新年第一日曜日用カンタータ 「また、わが暗き思いを照らしたまえ」
演奏 P.Kooy (bs) Collegium Vocale Gent 同指揮 1989
ヨハネ受難曲 BWV245 
「ああ、偉大な王」 「こと果たされぬ」 「安らかに憩え」
演奏 Tavarner Concert & Players A.Parrot 指揮 1991
カンタータ第78番 「イエスよ、汝はわが魂を」より「われらは急ぐ」
演奏 E.Mathis (sp) S.Michelow (ms) 
Consortium Musicum W.Goennenwein 指揮 1989
カンタータ第101番 「神の時こそいと良き時」より
ソルティーナ molto adagio 合唱「神の時こそいと良き時」
演奏 南ドイツ・マドリガル合唱団 Consortium Musicum 1989

第119回
団伊玖磨:オペラ「夕鶴」(2) 日本と世界で650回の上演記録 初演は1952に大阪で行われ以後の上演も全て自身が指揮した

第118回
団伊玖磨:オペラ「夕鶴」(1) 1952 作曲者が27歳の時の作品 作品の詳しい解説。日本を代表する唯一国際的に知られた作品

第117回
F.J.ハイドン(1732〜1809)
交響曲第101番「時計」 1794 ロンドン
第一楽章:Adagio d-moll 3/4 - Pest D 6/8 Sonata
第二楽章:Andante G 2/4 Variatione
第三楽章:Menuetto D 3/4 Allegretto
第四楽章:Finale Vivace D 2/2 Rondo Sonata
交響曲第96番「奇蹟」 1791 ロンドン
第一楽章:Adagio - Allegro D 3/4 Sonata
第二楽章:Andante G 6/8 Trio
第三楽章:Menuetto Allegretto D 3/4 Trio
第四楽章:Finale vivace assai D 3/4 Trio-Rondo
交響曲第100番「軍隊」 1794 ロンドン
第一楽章:Adagio - Allegro G
第二楽章:Allegretto
第三楽章:Menuetto moderato Trio
第四楽章:Finale presto
演奏 C.アバド指揮 ヨーロッパ室内管弦楽団 1988ー1992
1781年にハイドンはモーツァルトに出合った。1785年にはモーツァルトの自宅で献呈された弦楽四重奏曲「ハイドンセット」が演奏された。その時モーツアルトの父も来ていた。1790年に
音楽史上稀に見る天才師弟は涙の別れをして師はロンドンへ旅立った。それは二人の永遠の別れとなった。これらの交響曲はそのロンドンで書かれたのである。

第116回
W.A.モーツァルト:「ファゴット協奏曲」 K191 変ロ長調 
ザルツブルクで18歳の時の作品である。トランペットとファゴットのための協奏曲は散逸しており、この曲だけが残っている。モーツァルトの樂風の基本が既に完成されていることが理解できる。
第一楽章:Allegro B-fur 4/4
第二楽章:Andante ma adagio F-dur 4/4
第三楽章:Rondo tempo di menuetto B-dur 3/4
K.ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1972 ウィーン
ファゴット演奏 ディートマール・ツェーマン
「オーボエ、クラリネット、ホルン。ファゴットのための協奏交響曲 変ホ長調」 K297 1778 パリ (演奏 1966 ベルリン・フィル)
パリ滞在中に書かれたと言われているが、20世紀になって伝記作家のオットー・ヤーンの遺品から筆写譜が発見された。真贋論争もある作品であるがマンハイムとパリで知り合った各楽器の名手たちの為に作曲されたと考えられている。
第一楽章:Allegro Es-dur 4/4
第二楽章:Adagio Es-dur 4/4
第三楽章:Andantino con variationi Es-dur 2/4

第115回
歌舞伎名曲撰:「恋飛脚大和往来」 ”封印切の段” 初演1796 大坂
近松門左衛門が書いた人形浄瑠璃「冥土の飛脚」が1711年に竹本座で初演された。その後に紀海音らの改作を経て、寛政8年に角の芝居で歌舞伎として初演された。本来は上・中・下の三部作であるが現代では下巻の「封印切」とそれに続く「新口村」がよく上演される。
上方歌舞伎の「和事」の真髄を演じて最高の坂田藤十郎の名演技が光る。モーツァルトが活躍した同時代に歌舞伎も完成して行ったのである。
配役:亀屋忠兵衛/中村雁次郎(現坂田藤十郎) 槌屋治右衛門/中村富十郎 梅川/中村扇雀 おえん/片岡秀太郎 丹波屋八右衛門/片岡我当 1999年 歌舞伎座(東京)での公演記録 松竹/NHK
物語は大坂の新町の郭にある茶屋・井筒屋の名妓梅川と飛脚問屋・亀屋の養子忠兵衛の悲恋を描いた近松門左衛門の代表作である。梅川の身請けを巡って250両の大金を用意せねばならない忠兵衛は窮地に立たされた。井筒屋に居合わせた丹波屋八衛門の挑発に乗ってついに公金の封印切に追い込まれてしまう。事の重大さに気づいた忠衛門は梅川を連れて、「急がねばならぬ。道が遠い。」と死出の旅に出る幕切れは圧巻である。近松は日本のシェイクスピアと呼ばれる劇作家である。初めは人形浄瑠璃を書き後に歌舞伎のためにも書き下ろしてその基礎を築いた。田辺聖子さんは「大阪モダニズム」という主張をしておられるが大坂は上方にあって京都とは異なる商人文化が栄えた。

第112〜
114回
W.A.モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」(1〜3) 1790 
ウィーン
音楽は当時から素晴らしかったが内容が理解されなかったので再評価は20世紀になってからなされた。詳細 解説 DVD音楽批評

第111回
W.A.モーツァルト:「フルート協奏曲第1番」 ト長調 K313
作曲年代 1778 マンハイム 
第一楽章:Allegro maestoso G-dur 4/4
第二楽章:Adagio non troppo D-dur 4/4
第三楽章:Rondo tempo di menuetto G-dur 3/4
演奏: K.ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1974 ムジーク・フェラインザール 
「オーボエ協奏曲」 ハ長調 K314 1778 マンハイム
第一楽章:Allegro aperto C-dur 4/4
第二楽章:Andante ma non troppo F-dur 3/4
第三楽章:Rondo allegro C-dur 2/4
演奏:K.ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1974 指揮者80歳の記念すべき名演奏の記録である。モーツァルトの音楽は
単純明快であるので演奏は返って最も難しいとされている。

第110回
歌舞伎十八番:「勧進帳」 2005.4.27〜29 醍醐寺薪歌舞伎
武蔵坊弁慶 12代目市川団十郎  富樫左衛門 市川海老蔵 
源義経 中村時蔵 DVD 2006 NHKエンタープライズ
初演 1840 江戸 河原崎屋 作者 三世並木五瓶 
作曲 四世杵屋六三郎 振付 四世西川扇蔵 
当時の七世市川団十郎が能の「安宅」を歌舞伎化したものである。同時に市川家に伝わる「歌舞伎十八番」を制定して今日に至る。関東の「
荒事」歌舞伎の代表格である。これに対して関西では「和事」歌舞伎が発達した。その代表者は坂田藤十郎であり、現在の四世(人間国宝)は231年ぶりの復活である。1603年ころ出雲のお国が北野天神で舞って四条河原で興行してから400年を経て今も南座が現存する。歌舞伎はフィレンツェで始まったオペラとほぼ同時に誕生した歴史を誇る。歌舞伎も新作は殆どなく歴史的な遺産を守って上演されている。
源義経主従は兄頼朝に追われて京から奥州の平泉へ落ち延びる時に北陸路の「安宅の関」を山伏一行の姿で越えようとしていた。関守の富樫はそれに気づきながら弁慶の献身的な演技に感動して見逃すという筋書きである。何も書いていない勧進帳を朗々と読み上げるシーンは余りにも有名である。うまく通り過ぎようとした時に番卒が一行の一人が判官殿に似ていると言ったので、弁慶は「おのれの修行が足りない」と義経を強かに打つ場面は感極まる。富樫は別れ際に酒と馳走を与えて心ならずも見送るのである。
歌舞伎の音楽は単純明快である。三味線が加わる他は能の構成を踏襲している。篠笛、小鼓、大鼓、太鼓に地謡というコーラスからなる。伴奏音楽は旋律的ではなく通奏低音的に即興的な伴奏に終始する。西欧音楽で云う
対位法も和声法もあり得ないが、打楽器の迫力に満ちた盛り上げは歌舞伎独特の技巧である。

第109回
B.スメタナ(1824〜1884) 
連作交響詩「わが祖国」 作曲年代 1874−1879
F.リストの強い影響を受けて祖国を歌う連作交響詩の作曲を思い立ったがその頃には聴力を失っていた。この連作を完成後の1884年にはプラハの精神病院に収容されてその地で没した。1848年にリストの資金援助を得て音楽学校を設立した。チェコ国民樂派の開祖と呼ばれて後のA.ドヴォルザークに大きな影響を与えた。喜歌劇「売られた花嫁」はチェコの代表的なオペラとしてよく上演されている。
第一交響詩:「高い城」
第二交響詩:「モルダウ」
第三交響詩:「シャールカ」
第四交響詩:「ボヘミアの森と草原から」
第五交響詩:「ターボル」
第六交響詩:「ブラニーク」
演奏: J.レヴァイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1986 ムジーク・フェラインにて録音

第108回
R.シューマン(1810〜1856) 
「交響曲第1番」変ロ長調 ”春” 1841
第一楽章:Andante un poco maestoso-allegro molt vivace 春の始め
第二楽章:Lhargetto 夕べ
第三楽章:Scherzo molto vivace 楽しい遊び
第四楽章:Allegro animato e grazioso たけなわの春
1838年にシューマンはシューベルトの第8交響曲の自筆譜を発見した。1940年には師匠の娘のクララと結婚して歌曲を多く作曲した。同時にバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を研究した。その翌年にこの交響曲が書かれている。そして親友のメンデルスゾーンの指揮でライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演された。
今回の演奏はどちらの交響曲もL.バーンスタイン指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の1984年の記録を採用した。
「交響曲第3番」変ホ長調 ”ライン”1850 
第一楽章:Lebhaft いきいきと
第二楽章:Scherzo sehr maessig きわめて中庸に
第三楽章:Nicht schnell 速くなく
第四楽章:Feierlich 荘厳に
第五楽章:Finale lebhaft いきいきと
1851年にデュッセルドルフでシューマン自身の指揮で初演された。日本では1927年に近衛秀麿の指揮で新交響楽団(現在のN響)が初演した。1847年に長男と盟友のメンデルスゾーンを失ったが合唱団の指揮者となった。精神状態も良くなく革命が起きると郊外に避難した。1950年に再びデュッセルドルフへ戻り歓迎を受けた。ライン川の畔をよく散歩していたのでこの交響曲には後に「ライン」と呼ばれた。大河の流れに彼自身が癒されたのであろう。