MUSIC TOWN Program schedule 2007

第58回
ベートーベン(1770−1827)
交響曲第2番ニ長調 Op.36
交響曲第1番ハ長調 Op.21
ベートーベンの最初の交響曲二曲はモーツァルトとハイドンの影響が強く残っている。ボンからウィーンへ出発する時にボンの王様は「モーツァルト先生はもう居ないけれども、その精神をよく学んで大成してほしい」と送別会まで開いて送り出している。ウィーンではハイドンやサリエリにも師事していた。
第三交響曲から真のベートーベンが誕生することになる!ベートーベンは優れたピアニストでピアノの完成者である。また、即興演奏の達人でもあった。「月光の曲」の有名なエピソードも伝えられている。
作曲年代 交響曲第2番 1802 交響曲第1番 1800
交響曲第2番 
第一楽章:アダージョ・モルト ニ長調 3/4〜アレグロ・コン・ブリオ ニ長調 4/4 ソナタ形式 
第二楽章:ラルゲット イ長調 3/8 ソナタ形式 
第三楽章:スケルツォ アレグロ ニ長調 3/4 複合三部形式 
第四楽章:アレグロ・モルト ニ長調 2/2 ロンド・ソナタ形式
交響曲第1番 
第一楽章:アダージョ・モルト ハ長調 4/4〜アレグロ・コン・ブリオ ハ長調 2/2 ソナタ形式 
第二楽章:アンダンテ・カンタービレ・コン・モート ヘ長調 3/8 ソナタ形式 
第三楽章:メヌエット アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ハ長調 3/4 複合三部形式 
第四楽章:アダージョ〜アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ 2/4 ソナタ形式
演奏:カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1972 ウィーン ベームのベートーベン作品の演奏は遅いテンポが特徴である。ベートーベンの時代にはこの様なテンポであったに相違ない。

第57回
ベートーベン(1770−1827)
交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
日本では何故年末に演奏される様になったのか。元はライプチッヒ・ゲバントハウス管弦楽団が長らく年末恒例の演奏会を開いていた。戦後の日本では楽団員のボーナス稼ぎに始まったと言われる。1980年版のベームの「第九」では、J.ノーマン(ソプラノ)、ブリギッテ・ファスベンダー(アルト)、プラシド・ドミンゴ(テノール)、ヴァルター・ベリー(バス)という豪華なソリスト達が歌い上げている。合唱は勿論ウィーン国立歌劇場合唱団である。日本初演は1918年の鳴門俘虜収容所のドイツ兵達で有名である。
作曲年代 1824 ウィーン
第一楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ、 ウン・ポコ・マエストーソ ニ短調 ソナタ形式 2/4
第二楽章:モルト・ヴィヴァーチェ スケルツォ ニ短調 ソナタ形式 3/4 
第三楽章:アダージョ モルト エ カンタービレ 変ロ長調 変奏曲 4/4
第四楽章:プレスト〜アレグロ・アッサイ ニ短調〜変ロ長調〜ニ長調〜ニ短調 有節歌曲形式 合唱とソロを含む
演奏:カール・ベーム(1894−1981)指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1980 ウィーン 最後の来日で「フィガロ」を指揮した年の11月にウィーンで収録されている。日本で最初の外国オーケストラによる「第九」の演奏は意外に遅く、1963年のベーム指揮のベルリン・ドイツ・オペラが最初であった。熱狂したファンがベームの足にしがみ付き立ち往生したという伝説まである。この最後の演奏記録は非常にゆっくりしたテンポであり、カラヤンのベルリン・フィルとは別の「第九」の世界を表現している。日本との関わりではベームの方がより深いと言えよう。ベートーベンの「第九」はその後のシューベルト、ブラームス、ワーグナー、ブルックナー、マーラー等の作曲家達に大きい影響を与えた。

第56回
A.ヴィヴァルディ(1678−1741)
協奏曲組曲「四季」
日本とは少し違う季節感である。ベネチアに生まれてウィーンで没した。バッハとヘンデルの同時代の作曲家でイタリアを代表する巨匠である。特に協奏曲を500曲以上も作曲してハイドン以降の協奏曲に決定的な影響を与えた。ヘンデルやモーツァルトにも大きい影響を与えている。オペラや宗教曲、声楽曲を多数作曲した。明快で楽しい旋律で現代に至るも魅惑的である。赤毛の司祭と呼ばれた。
作曲年代 1725 
第一協奏曲「春」 ホ長調 第一楽章:アレグロ 第二楽章:ラルゴ 第三楽章:アレグロ(田園の踊り)
第二協奏曲「夏」 ト短調 第一楽章:アレグロ・ノン・モルト〜アレグロ 第二楽章:アダージョ〜プレスト〜アダージョ 第三楽章:プレスト 
第三協奏曲「秋」 ヘ長調 第一楽章:アレグロ 第二楽章:アダージョ・モルト 第三楽章:アレグロ
第四協奏曲「冬」 ヘ短調 第一楽章:アレグロ・ノン・モルト 第二楽章:ラルゴ 第三楽章:アレグロ
演奏:イ・ムジチ合奏団 ピナ・カルミレッリ(Violin) 1982 スイス
1952年にローマの聖チェチューリア音楽院の卒業生12人の構成で発足して現在に至る。イタリアの誇る世界一の合奏団である。

第55回
ベートーベン(1770−1827)
交響曲第5番「運命」ハ短調 Op.67
衝撃的な四連打音で始まる代表的作品である。この交響曲で初めてピッコロ、トロンボーンとコントラファゴットが登場して定着した。弟子のシントラーの質問に「運命はこの様に扉を叩く」と答えたと伝えられる。交響曲の各楽章のまとまりの理論を確立した記念碑的な作品であるが、その為に交響曲が
失った古典的自由度も大きい
交響曲第4番変ロ長調 Op.60
第三番「英雄」より更に別の方向に進化した作品である。各章の調性も属調ではなく同主調を採用するなどの工夫が見られる佳作である。
交響曲第5番 作曲年代 1808 ウィーン
第一楽章:アレグロ・コン・ブリオ ハ短調 ソナタ形式 2/4 第二楽章:アンダンテ・コン・モート 変イ長調 3/8 ソナタ的変奏曲 第三楽章:アレグロ ハ短調 3/4 複合三部形式 第四楽章:アレグロ ハ短調 4/4 ソナタ形式
交響曲第4番 作曲年代 1806 ウィーン
第一楽章:アダージョ〜アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 2/2 第二楽章:アダージョ 変ホ長調 3/4 第三楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 3/4 第四楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ 変ロ長調 2/4 
演奏: カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団
1970(第5番) 1972(第4番)
この時期のベームはテンポを少し遅い目にしていた。モーツァルト作品の指揮とは異なり些かの迷いも垣間見える。彼は生前に日本の女性記者が「今モーツァルトとベートーベンに会ったらどうしますか?」と問うたのに対して、「ベートーベンが来たら手を挙げて、やあお元気?と言います。
モーツァルト先生が来られたら私は直立不動で最敬礼をします!」と答えている。ベームの二人の作曲家への評価を端的に表現している。

第54回
ベートーベン(1770−1827)
交響曲第6番「田園」ヘ長調 Op.68
唯一の標題付き交響曲。田舎に到着して喜ぶ情景から嵐に会い、風雨が止んで爽やかに晴れた喜びを歌う。
標題を付けることは既に
古典派からロマン派への移行を先取りする手法である。分かり易くクラシック音楽の入門曲としても有名。中学の音楽の授業で初めて聴いたことを思い出す。
交響曲第7番イ長調 Op.92
古典派的交響曲の基本形式に戻る。
動きの速いテンポで駆け抜ける躍動感に溢れるシンフォニーであるが、一般にはあまり知られていない。専門家には評価の高い交響曲である。
交響曲第6番 作曲年代 1807〜1808 ウィーン
第一楽章:「田舎に到着した時の朗らかな感情の目覚め」 ヘ長調 アレグロ・マ・ノン・トロッポ 2/4 第二楽章:「小川のほとりの情景」 変ロ長調 アンダンテ・モルト・モッソ 12/8 第三楽章:「農民の楽しい集い」 ヘ長調 アレグロ・アタッカ 3/4 第四楽章:「雷雨、嵐」 ヘ短調 アレグロ・アッタカ 4/4 第五楽章:「牧人の歌、嵐のあとの喜ばしい感謝の感情」 ヘ長調 アレグロ 6/8
交響曲第7番 作曲年代 1811〜1812 ウィーン
第一楽章:イ長調 ポコ・ソステヌート、ヴィヴァーチェ 4/4〜6/8 第二楽章:イ短調 アレグレット 2/4  第三楽章:イ長調 プレスト、スケルツォ〜トリオ 3/4 第四楽章:イ長調 アレグロ・コン・ブリオ 2/4
演奏: ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管絃楽団
1982 ベルリン
カラヤン(1908−1989)はオペラや合唱曲の指揮以外は目をつむって暗譜で指揮をした期間が長かったが、晩年は開眼で指揮した。ベルリン・フィルの常任指揮者を長く勤めたが、最後は対立して辞任している。SONYの社長が訪問時にザルツブルクの自宅で逝去した。

第53回
マーラー(1860−1911)
交響曲第3番 ニ短調 (抜粋)
アッター湖畔で午前中は作曲小屋で仕事をして、午後からはワルターや妹たちと散策やサイクリングを楽しんだ。交響曲2番と3番はこうして生まれた。
テーマはエンドレスに繰り返して現れる。ニーチェの「ツァラトストラはこう語った」の永劫回帰の思想に若い頃から感激していたマーラーはその宇宙観を音楽にしたものである。
作曲年代 1893〜1896 シュタインバッハ(オーストリア)
第一楽章: 「牧神が目覚める。夏が行進してやって来る」 力強く、決然と
第二楽章: 「野の花たちが私に語ること」 テンポ・ディ・メヌエット
第三楽章: 「森の動物たちが私に語ること」 コドモ、スケルツァンド
第四楽章: 「人間が私に語ること」 非常にゆっくりと、神秘的に
第五楽章: 「天使が私に語ること」 活発なテンポで、表出は大胆に
第六楽章: 「愛が私に語ること」 ゆるやかに、静かに、感情をこめて
演奏: ズデニェク・マーツァル指揮 チェコ・フィルハーモニー管絃楽団
ビルギット・レンマート(アルト)、ミロスラフ・マイケル(ポストホルン)
プラハ・フィルハーモニー児童合唱団、プラハ・フィルハーモニー合唱団(女声)
2005年5月5〜6日 ドヴォルザーク・ホール(プラハ)

第52回
ヘンデル:「水上の音楽」「メッサイア」抜粋
「水上の音楽」は「王宮の花火」と並ぶヘンデルの傑作であるが、第一組曲の抜粋と第二組曲をお届けする。ここでも管楽器の響きが素晴らしい。「メッサイア」の前半の部分の四曲も再度お聴き下さい。モーツァルトはバッハとハイドンの他に
ヘンデルからも大きい影響を受けた。「メッサイア」の編曲までしている。ヘンデルはモーツァルト以上に早書きで知られる。
「水上の音楽」 第一組曲 ヘ長調
第一曲 序曲 第二曲 アダージョ・スタッカート 第三曲 (アレグロ) 第五曲
 (アレグロ) 第七曲 メヌエット 
「水上の音楽」 第二組曲 ニ長調 
第十一曲 (アレグロ) 第十二曲 アラ・ホーンパイプ 第十三曲 メヌエット 第十四曲 ラントマン 第十五曲 ブーレ
演奏: JF.パイヤール 指揮 パイヤール室内管弦楽団 1990 パリ
「メッサイア」
第三曲 アリア 「すべての谷は埋め立てられ〜」
第四曲 合唱 「このようにして主の栄光が現されると〜」
第六曲 アリア 「だれがこの方の来られる日に耐えられよう〜」
第十六曲 アリア 「シオンの娘よ、大いに喜べ〜」
演奏: N.アルノンクール指揮 ウィーン・コンチェントス・ムジクス
アーノルド・シェーンベルク合唱団 2004 ウィーン

第51回
モーツァルト:ホルン協奏曲
第1〜4番 K412、417、447
495
子供の頃から親しんだ24歳年長のロイトゲープのために作曲した楽しく愉快な協奏曲である。
第一番だけ本来の緩序楽章がないのは未完に終わったのを弟子のジェスマイヤーが補完したためと言われている。
明快で分かり易く小学校の教科書にも採用されている。ホルンの牧歌的な響きが素晴らしい。
作曲年代 第一番(1791) 第二番(1783) 第三番(1787) 第四番(1786) 何れもウィーン
第一番(ニ長調): 第一楽章 アレグロ ニ長調 4/4 第二楽章 ロンド アレグロ ニ長調 6/8 
第二番(変ホ長調): 第一楽章 アレグロ・マエストーソ 変ホ長調 4/4 第二楽章 アンダンテ 変ロ長調 3/8 第三楽章 ロンド 変ホ長調 6/8
第三番(変ホ長調): 第一楽章 アレグロ 変ホ長調 4/4 第二楽章 ロマンツェ ラルゲット 変イ長調 2/2 第三楽章 アレグロ 変ホ長調 6/8
第四番(変ホ長調): 第一楽章 アレグロ・モデラート 変ホ長調 4/4 第二楽章 ロマンツェ アンダンテ 変ロ長調 3/4 第三楽章 ロンド アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ホ長調 6/8 
演奏: ペーター・ダム(ホルン) 指揮 サー・ネヴィル・マリナー
アカデミー・オヴ・セント・マーチン・イン・ザ・フィールド 1988 ロンドン

第50回
モーツァルト:交響曲第39番
変ホ長調 K543
この三連作はモーツァルトは自分の為に書いたのではないか。移り気なウィーン子はモーツァルトの華麗なピアノ曲を絶賛したがまた醒めるのも早い。ウィーンでは難しい音楽は理解されない。コンサートのない夏の間に音楽史上最高の交響曲三連作が書かれたのである。誰のためでもない。モーツァルト自身の32才の孤高の境地を表現した名曲であるが、演奏されたかどうかも不明である。
真の古典作品は100年後に初めて評価される。交響曲の金字塔はこうして生まれた。
作曲年代 1788年6月26日 ウィーン
第一楽章 アダージョ 変ホ長調 2/2〜アレグロ 3/4 第二楽章 アンダンテ・コン・モート 変イ長調 2/4 第三楽章 (メヌエット) アレグレット 変ホ長調 3/4〜トリオ 3/4 第四楽章 (フィナーレ) アレグロ 変ホ長調 2/4
構成: フルート クラリネット2 ファゴット2 ホルン2 トランペット2 ティンパニ 弦5部
演奏: カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団 1979
ベームはモーツァルトの楽譜を見ただけでその曲のテンポ配分が自然に分かると述べている。20世紀のモーツァルト指揮者の第一人者となったそのテンポは
モーツァルトの作品再現の規範となった。オペラから交響曲や協奏曲までモーツァルト作品の名演奏記録を多く残したことは後世への偉大な遺産となっている。多くの指揮者に有りがちな感情の炸裂は見せない。内に深く秘めながら端正で控えめなタクトでウィーン・フィルの至上の音色と表現力を引き出した。ベームとウィーン・フィルがモーツァルトを演奏する時はそれ以前も以後にも再現出来ない史上最高の演奏記録を残した。それはモーツァルトの贈り物をベームが現代に伝えるものである。最後の日本公演の翌年にベームは永眠した。そしてそのタクトは既にN・アルノンクールに引き継がれたが、彼も既に78才である。

第49回
モーツァルト:交響曲第40番
ト短調 K550
25番と2曲だけの短調交響曲
最終の三連作の二番目である
39番40番41番の三曲で纏まった作品群を形成する。それ故に40番は短調になっている。カーク・ダクラス主演の「The Big Man」の映画の主題曲となった。三曲の中で最も演奏機会の多いこの曲は永遠の優雅さと同時に難解なテクストを含んでおり200年を経ても尚聴き尽されていない。交響曲は
長いが故に貴しとはしない
作曲年代 1788年7月25日 ウィーン
第一楽章 モルト・アレグロ ト短調 2/2 第二楽章 アンダンテ ト短調 6/8
 第三楽章 (メヌエット) アレグレット ト短調 3/4 第四楽章 アレグロ・アッサイ ト短調 2/2
構成: フルート オーボエ2 ファゴット2 ホルン2 弦5部 第2稿ではクラリネット2が加えられる
演奏: カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団 1976
カール・ベーム(1894〜1981)はミュンヘン時代のワルターに見出されて以後ワルターが米国に去るまで師事した。その後はR・シュトラウスに師事したがこの二大指揮者の良いところを余すところなく継承し、モーツァルト作品では独自のテンポを見出して来た。ワルターに比べるとテンポは遥かに速く時代の推移を感じさせる。動きの少ない指揮ぶりはR・シュトラウスの直伝である。1980年にウィーン歌劇場を率いて日本での最後の公演を座って指揮した。そして最後の演目は「
フィガロの結婚」であった。その歴史的な公演記録はNHKによって最近DVDとして出版されている。巨匠が去り時代は流れた事を実感する。

第48回
モーツァルト:交響曲第41番
ハ長調 K551
「ジュピター」と呼ばれるこの最後の交響曲は39−41番の三大交響曲の連作の愁眉である。ベートーベン以降の作曲家に巨大な影響を与えた。交響曲の作曲は1788年で終わっている。この三大交響曲は
モーツァルトの奇跡とさえ言われ、古典交響曲の極値を示している。数多くの楽団が名盤を残しているので是非聴き比べをして頂きたい。
作曲年代 1788年8月10日 ウィーン
第一楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ ハ長調 4/4 第二楽章 アンダンテ・カンタービレ ヘ長調 3/4 第三楽章 (メヌエット) アレグレット ハ長調 3/4
第四楽章 モルト・アレグロ ハ長調 2/2 
構成: フルート オーボエ2 ファゴット2 トランペット2 ティンパニ 弦5部
演奏: ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1960 
ワルターは1876年にベルリンに生まれる。音楽院を卒業してピアニストとしてデビューしたが、ハンス・フォン・ビューローの影響で指揮者に転向。ケルン歌劇場を皮切りにハンブルク、ミュンヘン、ゲバントハウス、ウィーンなどの歌劇場で活躍した。ハンブルク以降は恩師のマーラーの指導による処が大きい。ミュンヘンではベームを呼び教えた。かくしてマーラーからベームまでのモーツァルト指揮者の譜系は継承されて今日のアルノンクールに到っている。1962年にビバリーヒルズにて86歳で没した。トスカニーニ、フルトベングラーと共に三大指揮者の時代を築いた。歴史的なモーツァルト作品の記録は不滅である。

第47回
G.F.ヘンデル(1685〜1759)
ドイツ生まれのイギリスの作曲家でバッハと並ぶ「音楽の母」と呼ばれる。オラトリオとオペラの他、声楽曲を多く作曲。簡潔にして雄渾、均整のとれた名曲が多い。「
メッサイア」は不朽である。
「王宮の花火の音楽」 作曲年代 1749年4月27日初演 ロンドン
(1)序曲 ニ長調 アダージョ〜アレグロ (2)ブーレ ニ短調 (3)「平和」 ニ長調 ラルゴ・アラ・シチリアーナ (4)「歓喜」 ニ長調 アレグロ (5)メヌエット1&2 演奏:パイヤール室内管絃楽団 1990 パリ
「オンブラ・マイ・フ」 オペラ「セルセ」より R.テバルディ or J.ベイカー
「見よ、勇者は帰る」 オラトリオ「マカベウスのユダ」より
「ハレルア・コーラス」 オラトリオ「メッサイア」より モンテ・ヴェルディ合唱団
「ラッパが鳴ると」 同上 ウィーン・コンチェントス・ムジクス N.アルノンクール

第46回
クロード・ドビッシー
(1862〜1918)
交響的スケッチ「海」「夜想曲」
20世紀の初頭にロマン派から現代音楽への曲がり角に位置する重要な作曲家である。詩人達と交流して「印象派」と呼ばれるが本人は嫌う。音律の研究を通じて東洋音階にも開眼する。バイロイトに通ったが反ワーグナーの立場を取る。また調性の制約を離れた
独立和声による無調音楽をシェーンベルクとは別に開拓した。(評論「海と河」)
交響詩「海」 La Mer 作曲年代 1903〜1905 フランス・ヨーン県
出版された楽譜の表紙は葛飾北斎の海の版画で飾られていた!
第一楽章 「海の夜明けから真昼まで」 molto lento h-moll 
第二楽章 「波のたわむれ」 allegro cis-moll
第三楽章 「風と海の対話」 animato Cis-dur
「夜想曲」 Nocturnes (無調 atonality) 作曲年代 1897〜1899 パリ
第一楽章 「雲」 第二楽章 「祭り」 第三楽章 シレーヌ(海の精)女声合唱
言葉のないヴォーカリーズのみ。
古典的な調性はなく、形式も自由になっている。テンポも繊細に変化する。バッハが基礎を築きモーツァルトが完成させた古典音楽形式はこうして100年後に崩壊に向かう。この後シェーンベルクに到り「十二音技法」の完成(1921)により調性は完全に崩壊して現代の混沌へと続いている。「平均律」も研究してピアノの平均律化に大きい影響を与えた。
演奏:E.アンセルメ指揮 スイスロマンド管弦楽団 1957

第45回
アダージョ名曲選
1995年だけで全欧で80万枚を売り上げベストセラーの記録を塗り替えた。
リスナーの西坂正人氏のリクエストによる。
カラヤンが残した名演奏からアダージョの名曲を集めた特集版の紹介
マーラー:交響曲第5番4楽章      (録音期間 1967−1988)
パッヘルベル:カノン
モーツァルト:アダージョ K287
アルビノーニ:アダージョ (編曲:R.ジャゾット)
JSB:G線上のアリアほか
指揮:H.V.カラヤン 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管絃楽団 

第44回
JSバッハ BWV1046&1050
ブランデンブルグ協奏曲集
第1番 ヘ長調 
第5番 ニ長調
バッハ自身の就職活動のために書かれたと言われている。
通奏低音専用のチェンバロを初めて協奏曲に取り入れて後世の
ピアノ協奏曲への道を開いた!
作曲年代 1721年3月24日付けでブランデンブルグ辺境伯に献呈された
第1番: 第一楽章 速度表示なし 第二楽章 アダージョ 第三楽章 アレグロ
第四楽章 メヌエットートリオーメヌエットーポロネーズーメヌエットートリオーメヌエット 編成:ホルン2 オーボエ2 ファゴット ヴィオリーノ *ヴァイオリン2 ヴィオラ チェロ チェンバロ
第5番: 第一楽章 アレグロ 第二楽章 アフェトゥオウソ 第三楽章 アレグロ
編成: フルート ヴァイオリン 
チェンバロ *ヴァイオリン ヴィオラ チェロ ヴィオローネ
演奏: イ・ムジチ合奏団 1984年 スイス ショードフォン

第43回
モーツァルト K464 K465
弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 
第19番 ハ長調
1785年2月12日にハイドンがモーツァルト邸を訪ねた時父も来ていた。第19番を演奏し終わった時にハイドンは父に「完全な知識と
様式感が素晴らしい」と語ったとナンネルに書き送った
作曲年代 1785年1月10日(第18番) 同年1月14日(第19番) ウィーン
第18番: 第一楽章 アレグロ イ長調 3/4 第二楽章 メヌエット イ長調 3/4 第三楽章 アンダンテ ニ長調 2/4 第四楽章 アレグロ (ノン・トロッポ) イ長調 2/2
第19番: 第一楽章 アダージョ ハ長調 3/4 − アレグロ ハ長調 4/4 第二楽章 アンダンテ・カンタービレ ヘ長調 3/4 第三楽章 メヌエット アレグロ ハ長調 3/4 第四楽章 アレグロ (モルト) ハ長調 2/4
演奏: メロス弦楽四重奏団  1977年6月 シュトゥットガルト

第42回
モーツァルト K428 K458
弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 第17番 変ロ長調
ハイドン・セットの3〜4曲目
弦楽四重奏曲はハイドンから引き継いで更に発展させようとしたが超えられない部分も残ったと言われる
作曲年代 1783年6〜7月(第16番)1784年11月9日(第17番)ウィーン
第16番: 第一楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 4/4 第二楽章 アンダンテ・コン・モート 変イ長調 6/8 第三楽章 メヌエット アレグレット 変ホ長調 3/4 第四楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ホ長調 2.4
第17番: 第一楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ 変ロ長調 6/8 第二楽章 メヌエット モデラート 変ロ長調 3/4 第三楽章 アダージョ 変ホ長調 4/4 第四楽章 アレグロ・アッサイ 変ロ長調 4/4
演奏: メロス弦楽四重奏団  1976年2月 シュトゥットガルト

第41回
モーツァルト K387 K421
弦楽四重奏曲 第14番 ト長調
第15番 ニ短調
ハイドンに献呈された6曲の最初の2曲。作品を子供に喩えて深い指導を懇願したものである。父以外に師事した唯一の先生であった
作曲年代 1782年12月31日(第14番) 1783年6月(第15番) ウィーン
第14番: 第一楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ ト長調 4/4 第二楽章 メヌエット アレグロ ト長調 3/4 第三楽章 アンダンテ・カンタービレ ハ長調 3/4 第四楽章 モルト・アレグロ ト長調 2/2
第15番: 第一楽章 アレグロ (モデラート) ニ短調 4/4 第二楽章 アンダンテ ヘ長調 6/8 第三楽章 メヌエット アレグレット ニ短調 3/4 第四楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ ニ短調 6/8
演奏: メロス弦楽四重奏団  1776年 シュトゥットガルト

第40回
モーツァルト K589 K590
弦楽四重奏曲 第22番 変ロ長調  第23番 ヘ長調
「プロシャ王」シリーズで最後の傑作2曲。ハイドンから受け継いだ弦楽四重奏曲の形式的完成を示し更に弦楽五重奏曲へと発展した!
作曲年代 1790年5月(第22番) 1790年6月(第23番) ウィーン
第22番: 第一楽章 アレグロ 変ロ長調 3/4 第二楽章 ラルゲット 変ホ長調 2/2 第三楽章 メヌエット モデラート 変ロ長調 3/4(トリオ) 第四楽章 アレグロ・アッサイ 変ロ長調 6/8
第23番: 第一楽章 アレグロ・モデラート ヘ長調 4/4 第二楽章 アンダンテ ハ長調 6/8 第三楽章 メヌエット アレグレット ヘ長調 3/4(トリオ) 第四楽章 アレグロ ヘ長調 2/4
演奏: アマデウス弦楽四重奏団 1969年4月 ベルリン

第39回
モーツァルト K593 K614
弦楽五重奏曲 第5番ニ長調
第6番変ホ長調
編成:ヴァイオリン2 ヴィオラ2
チェロ1
ハイドンが英国へ行く年に作曲
「魔笛」の直前にも作曲して弦楽四重奏曲の集大成を完成した!
作曲年代 1790年12月(第5番) 1791年4月12日(第6番) ウィーン
第5番: 第一楽章 ラルゲット ニ長調 3/4 第二楽章 アダージョ ト長調 3/4 第三楽章 メヌエット アレグレット ニ長調 3/4 第四楽章 アレグロ ニ長調 6/8 
第6番: 第一楽章 アレグロ・ディ・モルト 変ホ長調 6/8 第二楽章 アンダンテ 変ロ長調 2/2 第三楽章 メヌエット アレグレット 変ホ長調 3/4
第四楽章 アレグロ 変ホ長調 2/4
演奏: アマデウス弦楽四重奏団 ヴィオラ:セシル・アロノヴィッツ
1968年4〜5月 ベルリン

第38回
モーツァルト K202 K200
交響曲 第30番ニ長調
交響曲 第28番ハ長調
編成: オーボエ2 ホルン2
トランペット2(ファゴット)
ティンパニ 弦五部(通奏低音)
18歳の連作交響曲で晩年の
三大傑作の片鱗を感じさせる!
作曲年代 1774年5月5日(第30番) 11月17日(第28番) ザルツブルク
第30番: 第一楽章 モルト・アレグロ ニ長調 3/4 第二楽章 アンダンティーノ・コン・モート イ長調 2/4 第三楽章 メヌエット ニ長調 3/4 
第四楽章 プレスト ニ長調 2/4
第28番: 第一楽章 アレグロ・スピリトーソ ハ長調 3/4 第二楽章
アンダンテ ヘ長調 2/4 第三楽章 メヌエット アレグレット ハ長調 3/4
第四楽章 プレスト ハ長調 2/2
演奏: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮 J.レヴァイン
1984 ウィーン・ムジークフェラインザール

第37回
モーツァルト K207 & K211
ヴァイオリン協奏曲 
第1番 変ロ長調
第2番 ニ長調
編成: 独奏ヴァイオリン
オーボエ2 ホルン2 弦楽合奏
ロココ風の作風を残す習作で
次の第3番で
脱皮を遂げる!
作曲年代 1775年または1773年4月14日(1番)
1775年6月14日(2番) ザルツブルク
第一番: 第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調 4/4  第2楽章 
アダージョ 変ホ長調 3/4 第3楽章 プレスト 変ロ長調 2/4
第二番: 第1楽章 アレグロ・モデラート ニ長調 4/4  第2楽章 
アンダンテ ト長調 3/4 第3楽章 ロンド・アレグロ ニ長調 3/4
演奏: ヴァイオリン イツァーク・パールマン 指揮 J.レヴァイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1982 1985 ウィーン

第36回
バッハ(4) BWV1007 & 1009
無伴奏チェロ組曲
第1番ト長調 第3番ハ長調
「鳥の歌」カタロニア民謡
1971,10.24 国連本部で演奏!
演奏 パブロ・カザルス(1876〜1973)  1938 Paris
第一番: 第一楽章 前奏曲 第二楽章 アルマンド 第三楽章 クーラント
第四楽章 サラバンド 第五楽章 メヌエット1&2 第六楽章 ジーグ
第三番: 第一楽章 前奏曲 第二楽章 アルマンド 第三楽章 クーラント
第四楽章 サラバンド 第五楽章 ブーレ1&2 第六楽章 ジーグ

第35回
モーツァルト K216
ヴァイオリン協奏曲 
第3番 ト長調
編成:独奏ヴァイオリン 
オーボエ2(フルート2)
ホルン2 弦楽合奏
モーツァルト19歳の
開花
作曲年代 1775年9月12日 ザルツブルク
第一楽章: アレグロ ト長調 4/4
第二楽章: アダージョ ニ長調 4/4
第三楽章: ロンド アレグロ ト長調 3/8
演奏: ヴァイオリン ジノ・フランチェスカッティ
指揮 ブルーノ・ワルター 
コロンビア交響楽団 1958 ハリウッド 米国

第34回
モーツァルト K218 & 219
ヴァイオリン協奏曲
第4番ニ長調 第5番イ長調
編成:
独奏ヴァイオリン オーボエ2
ホルン2  弦楽合奏
モーツァルト19歳の
閃き
作曲年代 1775年10月(4番) 同年12月20日(5番) ザルツブルク
第4番: 第一楽章 アレグロ ニ長調 4/4  第二楽章 アンダンテ・カンタービレ イ長調 3/4 第三楽章 ロンド アンダンテ・グラツィオーソ ニ長調 2/4
第5番: 第一楽章 アレグロ・アペルト イ長調 4/4 第二楽章 アダージョ ホ長調 2/4 第三楽章 ロンド テンポ・ディ・メヌエット イ長調 3/4
演奏: ヴァイオリン イツァーク・パールマン 指揮 J.レヴァイン
ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団  1982 1985 ウィーン

第33回
バッハ特集(3)

無伴奏ヴァイオリン不朽の傑作
前橋汀子の研ぎ澄まされた名演
Sonata No.1 for Violin solo  ト短調
第一楽章: アダージョ  第二楽章: フーガ・アレグロ
第三楽章: シチリアーノ 第三楽章: プレスト
Partita No.2 for Violin solo  ニ短調
第一楽章: アルマンド  第二楽章: クーラント
第三楽章: サラバンド  第四楽章: ジーグ
第五楽章: シャコンヌ

第32回
モーツァルト K537
ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調
編成:
独奏ピアノ フルート オーボエ2 ファゴット2 ホルン2 
トランペット(クラリーノ)2
ティンパニ 弦5部
作曲年代 1788年2月24日 ウィーン
第一楽章: アレグロ ニ長調 4/4
第二楽章: ラルゲット イ長調 2/2
第三楽章: アレグレット ニ長調 2/4
ピアノ: マレイ・ペライア
演奏: イギリス室内管絃楽団 1996 ロンドン

第31回
モーツァルト  K488
ピアノ協奏曲 第23番 イ長調

編成:
独奏ピアノ フルート クラリネット2 ファゴット2 ホルン2 弦5部
作曲年代 1786年3月2日 ウィーン
第一楽章: アレグロ イ長調 4/4
第二楽章: アダージョ 嬰ヘ短調 6/8
第三楽章: アレグロ・アッサイ イ長調 2/2
ピアノ:M.ポリーニ 
指揮;K.ベーム 演奏;ウィーンフィルハーモニー管絃楽団 1976 ウィーン

第30回
バッハ特集(2) 
バッハは果てしない山脈であり
西欧音楽の源流を形成している
謂わば基礎工事の部分である
モーツァルトもその上に聳える
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
カンタータ第147番から「イエスはわが喜び」 BWV147
カンタータ第147番から「心と口と行いと生活で」 BWV147
トッカータ ハ長調 アダージョ BWV564
プレリュードとフーガ イ短調 BWV543
管弦楽組曲 第2集からポロネーズ BWV1067

第29回
モーツァルト
オペラ「フィガロの結婚」 K492
作曲年代 1786年4月29日 初演 同年5月1日 ブルク劇場
作曲 W.A.モーツァルト  台本 L.ダ・ポンテ
演奏 S.ヴァルヴィーゾ ウィーン国立歌劇場管絃楽団 同合唱団
チェンバロ(通奏低音) 演奏者不明
演出 W.ウェーバー 装置 P.デシラス 
1986年3月21日 東京文化会館(
200周年記念

配役 アルマヴィーヴァ伯爵(バリトン) ヨルマ・ヒュンニネン
アルマヴィーヴァ伯爵夫人(ソプラノ) 
グンドゥラ・ヤノヴィッツ
スザンナ(夫人侍女 ソプラノ) バーバラ・ヘンドリックス
フィガロ(伯爵下僕 バス) アルベルト・リナルディ
ケルビーノ(小姓 ソプラノ) クラーラ・タカーチ
マルチェリーナ(女中頭 メゾソプラノ) マルガリータ・リロヴァ
バルトロ(医師 バス) クルト・リドゥル
アントニオ(庭師 バス) イシュトヴァン・ガーティ
ドン・クルツィオ(裁判官 テノール) フランツ・カッセマン
バルバリーナ(庭師の娘 ソプラノ) ドンナ・ロビン
ドン・バジリオ(音楽教師 テノール) ヘルムート・ヴィルトハーバー
楽器編成 フルート2  オーボエ2  クラリネット2  ファゴット2  ホルン2  
トランペット2  ティンパニ 弦5部

物語 第一幕
17世紀中頃、スペインにあるアルマヴィーヴァ伯爵邸の一室。ボーマルシェの戯曲「セビリアの理髪師」で伯爵がロジーナ(現夫人)に近づくのを助けた理髪師フィガロが今では下僕として仕えている。夫人の侍女スザンナとの結婚の日を迎えて幸せ一杯であるが、伯爵が旧弊の初夜権を復活させようとしているのを知って愕然とする。スザンナは伯爵が自分に気があると告げてフィガロは「伯爵が踊りを踊るなら〜」を歌って怒りを表す。女中頭のマルチェリーナが借金の証文を医者のバルトロと持ってきて結婚を迫ったり、小姓ケルビーノが女性の部屋にあちこち潜りこんで騒動を起こす。スザンナの部屋に忍び込んだところへ伯爵が不意に来て、ケルビーノはベッドの下に隠れるが見つかってしまう。音楽教師のバジリオまで来てスザンナにケルビーノが夫人にまで気があると言うのを伯爵が陰で聞いて激怒する。軍隊に直ぐに入隊せよと命令を出してしまう。フィガロが有名な「もう飛ぶまいぞ、この蝶々〜」を歌い軍隊行進曲で第一幕が降りる。バジリオが三重唱の中で歌う「女はこうしたもの〜」が後のオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」の題名となったことは有名である。
第二幕
伯爵夫人の部屋で、夫人が夫の愛が冷めたのを嘆いて「愛の神よ、ごらん下さい〜」を美しく歌う。スザンナに続いてフィガロも来て三人で伯爵の浮気心をやっつける作戦を練る。フィガロと入れ替わって軍服姿のケルビーノが夫人に別れの挨拶に来る。スザンナと夫人は軍服を脱がせて女装させる。その時伯爵が不意に入って来る。スザンナはカーテンの陰に、ケルビーノは控え室に隠れる。伯爵が夫人を問い詰めている時に控え室で大きな物音がする。伯爵は誰が居るのかと詰問するので夫人はスザンナが花嫁衣裳を試着していますと答える。夫人が控え室を開けないので伯爵は鍵を壊す道具を取りに夫人を連れて出る。その間にケルビーノが窓から飛び降りて逃げる。スザンナが入れ替わって控え室に入ることに成功する。伯爵と夫人が帰って来て控え室を開けると、何とスザンナが何食わぬ顔で花嫁衣裳を着けて出てくる。伯爵は負けて夫人に謝っているところへフィガロも来る。そこへ庭師のアントニオが、誰か窓から飛び降りて植木鉢を壊したと報告に来る。伯爵は夫人の浮気の相手が窓から逃げたと思い込み夫人、スザンナ、フィガロの三人を問い詰めるが、フィガロは飛び降りたのは自分だと言い張ってその場を取り繕う。ほっとする暇もなく今度はマルチェリーナと医者のバルトロが証文を持って入って来てフィガロに結婚を迫るところで賑やかな七重唱となり第二幕が降りる。七重唱というより夫人、スザンナ、フィガロ対マルチェリーナ、バルトロ、裁判官の掛け合いに伯爵一人の歌唱が加わる3:3:1の形式を取っている。
第三幕
邸内の大広間で伯爵が不審なことばかり続くと悩むアリアを歌う。夫人とスザンナの計画はお互いに変装して伯爵にはスザンナの服装をした夫人自身が接近することにしている。スザンナが一人で入って来て、伯爵に気がある様に見せかけて今夜お庭の松の木の下で待っていると誘うと伯爵は乗ってくる。スザンナが出て行ってから、「これで裁判には勝ったわ!」と呟くのを伯爵が聞きつけて怒りを露にするアリアを歌う。裁判ではマルチェリーナ側が勝訴したが、フィガロは食い下がって、自分は貴族の出であるから結婚には両親の承諾がいると言う。自分は子供の時にさらわれたので両親はまだ見つからないという。右腕に刺青があると言うとマルチェリーナがそれを確かめて、行方不明の息子であると判明する。父親はバルトロであった。フィガロとスザンナ、マルチェリーナとバルトロの二組の結婚式が盛大に邸内でとり行われるが、その最中にスザンナは伯爵に逢引の場所を書いた手紙を渡す。計略と知っていても嬉しい伯爵であるが、フィガロはまだそれを知らない。結婚式を祝ってバルバリーナと村娘達が花を捧げに来るがその中に女装したケルビーノが紛れ込んでいたが直ぐに発見されてしまう。二組の結婚式を祝う「
モーツァルトの結婚行進曲」が流れて第三幕が終わる。
第四幕
邸内の暗い庭でバルバリーナが悲しげな歌でピンをなくしたと探している。当時の習慣では女性は手紙をピンで封印して、受け取った男性はピンを返すことになっていた。伯爵はバルバリーナにスザンナに返してくれと渡していた。フィガロはバルバリーナからスザンナが伯爵に手紙を渡したことを知って愕然とする。母マルチェリーナにすがり付いて泣いた後で、「お母さん〜」を歌って女性の変心振りを嘆く。ボーマルシェの原作では、フィガロが貴族階級を痛烈に批判する場面であるが、老獪なダ・ポンテは女性への憾み辛みの激白に替えてしまうことでこのオペラの上演を勝ち得たのである。復讐を誓ったフィガロはバルトロとバジリオにまで加勢を頼んだ。そこへ衣裳を交換した夫人とスザンナが来るがフィガロは見破ったが、伯爵は気づかない。こともあろうにスザンナに変装した夫人にケルビーノが接近して来てキスを迫るので、オペラの筋書きが狂うほどに関係者がハラハラする。一方フィガロが隠れているのに気づいたスザンナは、「憧れの人の腕の中で〜」を歌ってフィガロを挑発する。それに焦らされたフィガロはスザンナと知りながら夫人への愛を打ち明ける様に歌うと、スザンナはフィガロを手打ちにするが、やがてお互いに仲直りする。変装を知らない伯爵は、フィガロと夫人姿のスザンナが東小屋入ろうとするのを追って来て、夫人とフィガロの逢引の現場を押さえたと錯覚する。「皆の者、武器を持て〜」と大騒ぎするが、フィガロが「この辺でお芝居の幕を引きましょう〜」と真相を説明しようとするが伯爵はまだ納得が行かない。そこへスザンナ姿の伯爵夫人自身が現れてヴェールを上げて結末をつける。伯爵は夫人の前に膝まづいて平謝りに謝る。夫人は、「私はあなたより素直ですから〜」と許すと言い渡す。一同が安心して二組の結婚をお祝いしましょうとニ長調の祝典行進曲風のフィナーレによって目出度く幕が降りる。

オペラ史上の位置 1786年7月から翌年の4月29日まで約半年を費やして書いたオペラ「フィガロの結婚」はオペラ史上に燦然と輝く金字塔である。この四幕のイタリア語オペラは喜歌劇は二幕ものが通常の時代を考慮して原作の五幕を四幕に縮小した。基本的には長大な二幕と見ることも出来る。しかし、イタリア語オペラの伝統を踏まえながら、大幅にアンサンブルを取り入れたり、目まぐるしい転調で登場人物の細やかな心理的変化を劇的に表現することに成功している。合唱も効果的に取り入れている。序曲もわくわくする様な見事な作曲でこの部分は最終日に書かれた。イタリア語オペラの所謂ダ・カーポ・アリアで二回繰り返して歌う習慣も残しているし、チェンバロによる通奏低音も伝統的に採用している。通奏低音は「コシ・ファン・トゥッテ」まで続くが、最後の「魔笛」では通奏低音もダ・カーポ・アリアも廃止した。ソプラノからバスまでの全音域を活用して、11人の人物描写を見事に描き尽くす音楽を付けた。短調も効果的に挿入しているし、転調のウルトラCは見事である。レチタティーヴォは多用しているが、これまでのイタリア語オペラの様な不自然さがない。このレチタティーヴォでさえ「魔笛」では廃止されるのである。その「魔笛」よりドイツ語オペラが誕生したのである。テンポの繊細な変化を生かした心理描写は流石としか言いようがない。初演はモーツァルト自身が1786年5月1日に ブルク劇場でチェンバロと指揮を担当した。前作の「後宮からの逃走」ではドイツ語オペラを書いて一応成功させたが、ウィーンでは母国語のドイツ語オペラは評価されなかった。ジングシュピールとして一段低い存在と考えられていた。ダ・ポンテが処世術であの手この手で皇帝の上演許可を得たものの、モーツァルトへの作曲命令は遅れた。理由はモーツァルトはまだ本格的なオペラ作曲家として認められていなかったからである。そのようなハンディを乗り越えて遂にオペラ200年の歴史の総決算である「フィガロの結婚」の恩恵を世界は今も享受している。「フィガロの結婚」がなければ、「ドン・ジョヴァンニ」も「コシ・ファン・トゥッテ」も最後の「魔笛」も生まれなかったと考えれば「フィガロの結婚」の歴史的意義は計り知れない。ダ・ポンテはモーツァルトと組んで四大オペラのうち三大オペラの台本を書いた。ダ・ポンテとモーツァルト双方にとって誠に幸運であったと言えよう。ダ・ポンテはウィーンからイギリスとアメリカに渡りイタリア語教師として米国で没した。稀有の出会いからオペラの傑作が生み出されたのである。

DVD批評 「フィガロの結婚」のDVDとしては、1975年ウィーンでK.ベーム指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団の録音に、1976年ロンドンで撮影した映像と合成した映画方式の記録があるが、私は見聞する度に違和感を禁じえない。それは音声と音楽に映像が完全には同期していないからである。「音楽ではテンポが全てである」との基本的な理論を構築して来たが、0.2〜3秒でも音声と映像がずれて行くのは聴くに耐えない。映画作品はオペラとは別の映像作品と考える方がよい。伯爵夫人の専門家はグントゥラ・ヤノヴィッツであるので、映画版のキリ・テ・カナワでは役不足であり、気高くまた不幸な夫人の心情を歌い上げるにはG・ヤノヴィッツしかいない。スザンナ役の専門家ミレッラ・フレーニ、フィガロ役の専門家ヘルマン・プライ、伯爵専門家のディトリッヒ・フッシャーディスカウの好演と、そしてモーツァルト専門家のカール・ベーム指揮のウィーン国立歌劇場管絃楽団であっても、アルマヴィーヴァ伯爵夫人の役はグンドゥラ・ヤノヴィッツを高く買いたい。東京公演の指揮者S・ヴァルヴィーゾはじめ、フィガロのA.リナルディ、伯爵のY・ヒュンニネン、スザンナのB・ヘンドリックス、バルトロのK・リドゥルほかの全員が好演したことは絶賛されて良い。オペラ本来の舞台でのライブに拘るので敢えてこの公演をご紹介しました。

第28回
モーツァルト  K482
ピアノ協奏曲22番 変ホ長調
編成: 独奏ピアノ フルート
クラリネット2 ファゴット2
ホルン2 
トランペット(クラリーノ)2
ティンパニ 弦5部
作曲年代: 1785年12月16日 ウィーン
第一楽章 アレグロ 変ホ長調 4/4
第二楽章 アンダンテ ハ短調 3/8
第三楽章 アレグロ 変ホ長調 6/8  アンダンティーノ・カンタービレ 3/4
テンポ・プリモ 変ホ長調
演奏 C.アバド指揮 ピアノ R.ゼルキン
ロンドン交響楽団 1984 ロンドン

第27回
バッハ特集(1)
対位法的ポリフォニーと
和声的ホモフォニーの分水嶺に位置する偉大な「
音楽の父
G線上のアリア  千住真理子、ヨーヨー・マ
管弦楽組曲 2番序曲 カール・ミュンヒンガー
イタリア協奏曲 1〜3楽章 グレン・グールド
音楽の捧げもの カール・ミュンヒンガー
2台のピアノのためのコンチェルト 1〜3楽章 リヒテル&ベルテニコフ

第26回
モーツァルト  K503
ピアノ協奏曲25番 ハ長調
編成: 独奏ピアノ フルート
オーボエ2 ファゴット2 
ホルン2 トランペット2
ティンパニ 弦5部
作曲年代 1786年12月4日 ウィーン
第一楽章 アレグロ・マエストーソ ハ長調 4/4拍子
第二楽章 アンダンテ ヘ長調 3/4拍子
第三楽章 アレグレット ハ長調 2/4拍子
演奏 指揮&ピアノ V.アシュケナージ
フィルハーモニア管絃楽団 1982 ロンドン

第25回
モーツァルト  K595
ピアノ協奏曲27番 変ロ長調
編成: 独奏ピアノ フルート
オーボエ ファゴット2 ホルン2
弦5部
作曲年代 1791年1月5日 ウィーン
第一楽章 アレグロ 変ロ長調 4/4
第二楽章 ラルゲット 変ホ長調 2/2
第三楽章 アレグロ 変ロ長調 6/8
演奏 K.ベーム指揮 ピアノ E.ギレリス
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1973 ウィーン

第24回
春の特集ライブ番組 
ヴィヴァルディからモーツァルト
まで
A.Vivaldi 協奏曲集「四季」より「春」
W.A.Mozart 「すみれ」
L.V.Beethoven ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調 「春」 第一楽章
F.Schubert 「春の訪れ」
J.S.Bach 「主よ人の望みの喜びよ」 
J.Verdi 「乾杯の歌」 オペラ「椿姫」より

第23回
ベートヴェン:Op84 変ホ長調
交響曲第三番「英雄」 
作曲年代 1805 ウィーン
第一楽章 アレグロ・コン・ブリオ 変ホ長調
第二楽章 葬送行進曲 アダージョ・アッサイ ハ短調
第三楽章 スケルツォ アレグロ・ヴィヴァーチェ
第四楽章 フィナーレ アレグロ・モルト
演奏 H.V.カラヤン指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団  1984 ベルリン

第22回
ベートーヴェン: Op73
ピアノ協奏曲第五番 変ホ長調
作曲年代 1808〜09
第一楽章 アレグロ 変ホ長調 4/4
第二楽章 アダージョ・ウン・ポコ・モッソ ロ短調 4/4
第三楽章 ロンド アレグロ 変ホ長調 6/8
演奏 A.ブレンデル (Pn)
B.ハイティンク 指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1976 ロンドン

第21回
ベートーヴェン: Op61
ヴァイオリン協奏曲 二長調
作曲年代 1806年 ウィーン
第一楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
第二楽章 ラルゲット
第三楽章 ロンド・アレグロ
演奏 Z.フランチェスカッテイ (Vn)
B.ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1961

第20回
ハイドン: 
トランペット協奏曲 変ホ長調
作曲年代 1796年 ウィーン
第一楽章 アレグロ
第二楽章 アンダンテ
第三楽章 アレグロ
演奏 E.ハワーズ指揮 ロンドン交響楽団
トランペット独奏 H.ハーデンベルガー
L.モーツァルト 
トランペット協奏曲 ニ長調
作曲年代 1762年
第一楽章 アンダンテ
第二楽章 アレグロ・モデラート
G.P.テーレマン 
トランペット協奏曲 ニ長調
作曲年代 不詳
第一楽章 アダージョ
第二楽章 アレグロ
第三楽章 グラーヴェ
第四楽章 アレグロ

第19回
モーツァルト  K313
フルート協奏曲第1番 ト長調
作曲年代 1778年 マンハイム
第一楽章 アレグロ・マエストーソ ト長調 4/4 
第二楽章 アダージョ・ノン・トロッポ ニ長調 4/4
第三楽章 ロンド テンポ・ディ・メヌエット ト長調 3/4
演奏 カール・ベーム 指揮 ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団
フルート独奏 W.トリップ
モーツァルト  K201
交響曲第29番 イ長調
作曲年代 1774年4月6日 ザルツブルク
第一楽章 アレグロ・モデラート イ長調 2/2
第二楽章 アンダンテ ニ長調 2/4
第三楽章 メヌエット ニ長調 3/4
第四楽章 アレグロ・コン・スピリト イ長調 6/8
演奏 J.レヴァイン 指揮 ウィーン・フイルハーモニー管絃楽団


第18回
オペラ間奏曲集
Opera Meditation Intermezzo
from Thais to Carmen
劇的な展開の幕間に聴く癒し効果のある美しい間奏曲の数々
(日本ベーリンガーインゲルハイム提供)2001年春
タイスの瞑想曲(マスネ) 歌劇「タイス」 1894 パリ
間奏曲(マスカーニ) 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 1890 ローマ
ホフマンの舟歌(オッフェンバック) 歌劇「ホフマン物語」 1881 パリ
間奏曲第1番(ヴォルフ・フェラーリ) 歌劇「マドンナの宝石」 1911 ベルリン
時の踊り(ポンキエルリ) 歌劇「ジョコンダ」 1876 ミラノ
精霊の踊り(グルック) 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 1762 ウィーン
オンブラ・マイ・フ(ヘンデル) 歌劇「クセルクセス」 1738 ロンドン
結婚行進曲(ワーグナー) 歌劇「ローエングリン」 1850 ヴァイマール
間奏曲(ビゼー) 歌劇「カルメン」 1875 パリ
ジョスランの子守唄(ゴダール) 歌劇「ジョスラン」 1888 ブリュッセル


第17回
モーツァルト:ピアノ協奏曲
第24番 ハ短調 
KV491
作曲年代 1786年3月24日 ウィーン
演奏 C.アバド指揮 ロンドン交響楽団
ピアノ独奏 R.ゼルキン 1985年 ロンドン
編成独奏ピアノ、フルート、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部 第一楽章 アレグロ ハ短調 4/4
第二楽章 ラルゲット 変ホ長調 2/2
第三楽章 アレグレット ハ短調 2/2


第16回
滝廉太郎・全作品45曲
近代日本の作曲家第一号
「日本男児」「春の海」「散歩」「命を捨てて」「四季の滝」〜「メヌエット」
「花」「納涼」「月」「雪」「荒城の月」「箱根八里」「豊太閤」〜「憾み」
ピアニスト第一号でもある
ライプチッヒで病を得て帰国
西欧音楽を取り入れて新しい日本の歌曲を作曲した天才的先駆者
23歳10ヶ月の余りに早い死はその後の日本音楽の発展を遅らせた


第15回
雅楽:「越天楽三調」
世界最古のオーケストラ
平安中期に京都で完成する
「越天楽」:平調、盤渉調、黄鐘調、今様
「納曽利破、急」:高麗壱越調
平成になり京都で再興の機運が高まり学生と社会人が参加する 演奏:宮内庁式部職楽部 演奏日時不明
明治維新で京都、奈良、大坂の三楽所が合流した

第14回
宮城道雄(1894〜1956)
80弦の大箏を開発した 
「春の海」 作曲年代 1929 瀬戸内海の船旅の印象を描く
「さくら変奏曲」 1923 日本古謡「さくら」による
「水の変態」 1909 仁川 中学読本の歌詞による 第一作品
八橋検校(1614〜1685)
バッハの生まれた年に逝去
「六段」(17世紀)「みだれ」(17世紀)「五段砧」(1830頃) 
筑紫流を改訂して筝曲の独立した組歌を確立した
演奏 箏(高音)宮城道雄 (低音)宮城喜代子