日本のイスラーム』
あぶ管理人(浜中彰)作
1985年 リビア国トリポリ市にて
 最近本を探していたら大学発行の雑誌を発見しました。その中にアラビア語で書かれた『日本のムスリム』という文章が載ってました。日本人を対象にしているこのHPには相応しくないものですが、日本に来るアラブ人たちに読んでいただき、日本でのダアワの参考にしていただければ幸いです。この文章は1985年、私が卒業前に書いたもので、提出期限が短かったため、大慌てで書いた記憶があります。もう一つ同時期に書いた論文に『仏教』というのがありますが、それはもっと長いものです。また、見つかれば紹介するかもしれません。
 なお、この『日本のムスリム』はアラビア語でかかれたものですが、サウジアラビア在住の日本人ムスリマ加藤千恵さんに日本語訳をしていただき、また、新居浜市の高校生K.Ugawaさんに英訳していただきましたので一緒に掲載させていただきます。

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ムスリムーン・フィールヤーバーン
(日本のムスリム)

スライマーン・彰・浜中
イスラームダアワ大学学生

1ー日本の宗教
日本国憲法第20条には「信教の自由」とされ、政教分離(いかなる宗教団体も国家および政治に特定の権限を及ぼすものではない)が定められている。

一般的に日本人は宗教選択、およびそれにまつわる祝い事、儀式を自由にすることができる。

日本には代表的な二つの宗教の流れがある。そのひとつは、6世紀に入った仏教で、現在その数78、000、000人、国民の70%におよぶ。もう一つは、日本古来庶民に浸透してきた神道で89、000、000人の80%となるが、それらの数は日本人が同時に複数の宗教を持つ傾向があることを示している。

通常、神道は出生・結婚といった祭事に、仏教は葬儀や法事といった葬事にみられる。

19世紀、そして今世紀になるとさまざまな新興宗教として、天理教・霊友会・立正佼成会などが興ってきたがそれらの多くは前述の神仏の二宗教の域を超えるものではない。
それらに加え啓示宗教であるキリスト・イスラム教がある。キリスト教については1549年に日本に入ったにもかかわらず、わずか国民の1%にしか満たない。
さらにイスラム教についてはその数大幅に低く、日本のイスラム諸団体によれば約3、000人がイスラム教徒として登録されているにすぎない。

2ーイスラームの日本到来と伝播

仏教やキリスト教といった宗教に比べ、大きな遅れをとったイスラームは、日本に到来してまだほんの1世紀程にしかならず、しかも東南アジア諸国へイスラームが入った時のように迅速かつ大々的に広まるには至らず、イスラームに入信したものは今もって大変少ない。
日本語訳:加藤千恵

Muslim in Japan
by: Sulaiman Akira Hamanaka
Islamic Daawa University
1/11/1985
1-Religion in Japan

Article 20 of the Constitution of Japan declares “the liberty of religion” and “the separation of religion and politics”, which means that any religious group shall possess a particular power on neither the nation nor the politics.

In general, the Japanese can make a free choice of which religion and the ritual they follows.

There are two main religions in Japan. One is Buddhism, which was introduced  into Japan in the 6th century. It account for 70% of the population; 78,000,000 in number. The other is Shintoism, which has been prevalent in Japan from early times. It accounts for 80% of the populaion; 89,000,000 people. This indicates the tendency of the Japanese following several religions at the same time.
They usually conform to Shintoism at celebrations of birth or marriage, and Buddhism at such rites as funeral or  Hoji, the memorial service.
The 19th century saw the popoularity of various new religions like Tenrikyo, Reyukai, or Risshokosekai, but these are merely branches of Buddhism and Shintoism.

In addition, the Christianity and Islamic religions are also present. Christianity was introduced into Japan in 1549, and now accounts for only 1% of the populaton.

Islam takes up an even smaller population. Islamic groups in Japan say that there are only about 3,000 Japanese registered as Muslims.

2-The arrival of Islam and it’s spread through Japan

Islam, which is less popular than other religion like Christianity or Buddhism, has arrived only about one century ago and didn’t propagate as rapidly and vastly as it did in the Southeast Asian countries. This is why there are still very few people who have been converted to Islam
translated by Miss K. Ugawa
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