ダイヤモンドのル−ツ
ダイヤモンドは、主として大陸の地殻の地下150キロメ−トル以上の深さで、2000
度とか3000度の高温度、何万気圧という非常に強い圧力によって結晶し、キンバ−ライ
トという鉱石によって地表に運ばれてきた。
現在ヨ−ロッパと南極大陸をのぞく25ケ国で採掘されている。BC4世紀から1000
年間はインドが唯一の産地だったが、1870年代に南アフリカ南部で大規模な鉱床が発見
され劇的に供給が増加した。
歴史上のダイヤ はイギリスヘ
歴史上、最も古い記録を持つダイヤはインド産の186カラットで、「この石の所有者は
世界を支配する」といういい伝えがあった。これは1304年インドの王族が手に入れたが
後にペルシャ王が奪いさらに王位争奪の動乱を経て最後は1850年ビクトリア女王に献上
されたという。
イギリス王室ではその後卵型のブリリアント・カットに磨きなおし、108.9カラット
にへってしまったが、今日もなお「クイ−ン・メリ−の王冠」に輝いているのはよく写真で
みるとおりである。
世界最大のダイヤは、1905年に南アフリカで発見されたもので、この原石は3106
カラットつまり620グラムもあり、イギリスに運ばれて1908年切断されて9個の大型
のカットのものと96個の小型のブリリアン・カットにつくられ、いずれも王冠や王杖、そ
の他国王や女王の礼装用のアクセサリ−に用いられた。
最近のものでは、デ・ビアス社が2000年を記念してロンドンで公表したダイヤ「デ・
ビアス ミレニアムスタ−」は203.04カラット、Dカラ−(完ぺきな無色)、フロ−
レス(完ぺきな無傷)で、世界で一番美しい輝きをもつといわれるダイヤモンドである。
2000年9月から上野の国立科学博物館で開催したダイヤモンド展に出品されている。
この展示では写真家として特に感じたことがある。それは透明な大き目の円筒のなか
に置かれただだ一個のこのダイヤだけが、かなり高いところから、なるべく人目につか
ぬよう、なんと15灯もの小型のスポット・ライトで照明されていたことだ。
つまり周囲をほの暗くして15個もの太陽で照らすようなものだから、その輝きはキ
ラキラを通り越してギラギラに、ファイヤ−と呼ばれる虹色の光が人の目の動きにつれ
て放射され、幻惑するというしかけで、女性客のため息もひときわ高くなる。こんな派
手な照明をするとダイヤも一廻りも二廻りも大きく感じるのは、日頃の撮影で十分承知
していること、さすが世界のダイヤの元締めデ・ビアスと思わせる演出であった。
ダイヤが一番輝いて良く見えるのは、ホテルのロビ−などシャンデリアのあるところ
だというのも同一である。
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