What's this? 超豪華な万華鏡? トップの写真は、楕円形のダイヤの一 部分の超接写である。 長辺で13ミリくらいのものをここま で拡大して覗いていると、ライトのわず かの動きで白いテ−ブル部分はロケット が飛んでいるように見えたり、透けた空 間を虹色がチカチカしてUHOのようで もあり結構おもしろかった。 オ−バル・カットのダイヤ
1960年ごろ、西武百貨店から始まって大沢商会、サザンクロス、カルチェ、シチズン など、35年ばかり大手の宝飾品を撮ってきた。 初期は指輪の広告などの近接撮影では、一般のレンズで不自由はなかったが、企業広告・ イメ−ジ広告などで3カラット位のダイヤの裸石を4×5判で数倍以上のアップを撮る必要 を感じ始めた。 ところが、当時はこういう特殊なレンズはどこにも売っておらず、やっと直輸入で入手で きたのがカ−ル・ツアイスの4×5判用のルミナ−63ミリf4.5とルミナ−25ミリf 3.5であった。これらのレンズはちょうど顕微鏡の接眼部のような形をしている。 今日では35ミリカメラ用の等倍の撮影ができるものから、最近では5倍程度のマクロレ ンズも発売されたが、これは強力な武器になる。顕微鏡・電子顕微鏡などの超クロ−ズ・ア ップは抽象的、無機的なパタ−ンになってしまうが、これらのレンズによる実物大以上のア ップは、リアリティのある質感を残しながらの表現であるために、肉眼では想像もできない 生命力のある神秘的な世界が見えてくる。 私はそれまで見落としがちであったこの部分を「クロ−ズ・アップの谷間」と呼び <写真表現>の講座に加えてきた。 大いにトライしていただきたい分野である。 |