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音声合成                 Virtual Instrument (202)

先生方、お早う御座います。昨日は平安神宮で桓武天皇の1200年記念祭に奉納される雅楽の演奏と演舞を見に京都に帰っていました。好天に恵まれて暖かく式典に相応しく平安神宮の砂を敷き詰めた広い前庭に赤と緑の絨毯を敷いて臨時の舞台が設定されていました。関係者と参拝客がその舞台を取り巻いて間近に雅楽の演舞を見るのも珍しい様で、熱心に聴いたり写真を撮っていました。主催は「いちひめ雅楽会」で私も後援会の末席の一員でありますが、後援会長の岩倉具忠先生ご夫妻もご臨席されていました。岩倉先生はあの岩倉具視の直系のお孫さんであります。ダンテのご研究で有名な京大名誉教授で現在は京都外国語大学の教授をしておらられます。いちひめ神社の飛騨富久宮司さんのご指導の元に70名の若い会員達が日頃の練習成果を披露して呉れました。朱色の柱と緑の屋根瓦が映える平安神宮の庭で雅楽の演舞の華麗な衣装は将に平安時代を再現する趣きがありました。屋外で雅楽を聴くのは初めてでしたが、反響が無い為に楽器の種類によって伝わり方が異なることに気付きました。篳篥と龍笛は音量が大きいのでよく聴こえましたが、通奏高音を担当する笙は音量が弱く屋外では笛類に押されていました。太鼓や鞨鼓はよく響きます。屋外と室内とでは音楽の構造が異なることに改めて認識を新たに致しました。
さて今回は私のオペラの共同制作者である作曲家の村山誠さんのDTMに関するご提案をご紹介致します。音声合成の技術の革新の必要性を強調して来られました。

それでは、私が作曲する立場から、今後のDTM技術に関して求めていること
を思いつくまま、書き留めてみたいと思います。
(1)音楽として使用に耐え得る「人間の声」の開発。
@より、リアルな音づくり
現在も、コーラスのボードなどがありますが、まだまだ残念ながら機械的な音色です。 より、現実の人声に近づけるための技術を早急に必要としています。
この技術が開発されると、創作意欲は倍増することでしょう!
Aソロ人声
現状でもコーラス音はあるが、ソロの人声として使用に耐え得る音色の開発。
B言葉の発声技術
現状ではAh、Ohなどの人声はあるが、
子音+母音の組み合わせで、言葉を発声させるなどの技術。
C音色バリエーション
同じ音高でも、ソプラノとアルト、テナーとバスでは音色が違うように、
豊富なバリエーションを持った音源パレットの取り揃え。
(2)音色の加工について
@直感的な加工
現状、数値パラメーターで設定される音色の加工を、
より直感的にビジュアルにできる加工項目を増やすこと。
どのような技術も、意味がわからなかったり使いづらいと宝の持ち腐れになるので、
できるだけDTMハードが持っている能力を、
視覚的に取り扱えるようなDTMソフトの開発が望まれます。
A音色加工軸の自由設定
明るい=暗い、シャープ=ソフト、近い=遠い、倍音少=倍音多など、
音色加工軸を視覚的に操作できるパネルを画面に設定すること。
A即時加工、即時保存
現状では、パラメーターを変えてから、再度読み込まないと再生されません。
製作上では、このロスタイムが大きいので、特定のパートの音を取り出して、
その場で音色感を加工、保存する技術。
画像処理ソフトでは、サンプル画面を取り出してRGBやガンマ処理をその場で
施して保存する技術がありますので、その「音」版といってもいいでしょう。
(3)オリジナル音の作成と保存
自由にサンプリングして、音のアタック=エンベロープ=リリースを自由設定して、
DTMの音源パレットにオリジナル音色として、DTM機器にも収納できるデータエリアを持てるようにすること。また、そのオリジナル音色データを交換できるようにすること。
とりあえず、思い付いたことを書き並べてみました。
それでは、そろそろ、出かける準備をしなければなりませんので、
今日のところはこの辺で。

私も写真加工のAdobe社のソフトを長年使用して来ましたが、画像処理はパレットを使って自由自在に色や形を変えることが出来ますね。音に関しても画像処理の様な手軽さで編集が出来ればDTMによる作曲・演奏の自由度が高まるものと期待されます。一番遅れている音声合成技術ですが、現代はどこまで進んでいるのでしょうか。そして今後見通しは如何でしょうか。(続)

澄み渡る風に流れて唐衣、千年の音ぞ今聴こえける

Old Tang fashion flows in the wind listening to the sound of 1200 years !  千年 ちとせ

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      26 Nov 2005

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