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光通信時代のDTM DTM in the age of Light Communication (203) |
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早くも桜の便りが聞かれる季節になりました。わが研究室では先週やっと光通信が始まりました。大容量で高速の通信が可能になりましたので、これまでの速度と比較して改めてインターネットも新しい時代を迎えていることを実感致しました。音楽関連のソフトの実験も再開しましたが、現在の速度の光通信ではMIDI以外のファイルも十分に利用できることも確認出来ました。以下はその感想と新たな構想の始まりでもあります。 (1) CD1枚の容量も比較的短時間で転送出来るのであれば、非平均律音階で作曲した音楽作品をそのままインターネットで配信することが出来ます。平均律音階にしか対応出来ないMIDIの限界を超える可能性も出てきました。 (2) CD1枚の転送時間は10〜20分位でしょうか。この程度の時間であれば配信は実用に近づいています。尚、WAV形式では1分の曲は約1Mbですから、15分の曲は約15Mbと予想されます。長い曲なら1楽章単位で送信できる可能性があります。 (3) 非平均律音階で使用する音の周波数特性はWAVで試験しましたが、指定した周波数はCake Walk Home Studio 9での録音・再生ともほぼ正確に記録されていました。MIDI形式では録音・再生ともに自動的に平均律音階の周波数に変換されます。もしMIDI技術に周波数を制御できる機能が追加されれば非平均律音階による作曲も可能になります。それは不可能ではないと予想していますが現在では実現していません。 (4) Dynamic Rangeは比較的に十分な範囲で記録・再生できますが、超高音と超低音では歪みが大きくなるようです。波形の処理で歪みの補正はある程度可能とは思います。 (5) High Federityについては多くを期待することは無理の様です。現在の普及型コンピューターの精度以上の音は録音・再生は不可能かと存じますが、CD級には近づけるとは思います。それは今後のソフト・ハード両面の技術革新により改善されるものと期待しています。 (6) どの様な周波数の音でも録音・再生できるのであれば、古今東西のあらゆる地域と民族の音楽を記録し演奏し作曲することも可能になります。その為の世界標準の作曲ソフトを開拓する必要が生まれて来ます。MIDI技術で発達した作曲ソフトに周波数を制御する機能を付加すれば理論的にはそれほど難しくはないと予想しています。MIDIは平均律専用の音楽通信に使用されますが、芸術音楽の作曲には非平均律の運用が可能な新たな作曲ソフトを開発しなければなりません。光通信の時代を迎えて大容量且つ高速で転送できるのであれば、その可能性は拡がって来ます。この世界標準の作曲ソフトの開発では日本が一番近い位置にいると存じます。今世紀の前半にDTMの歴史に登場することを念願しています。(続) |
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1 Apr 2006 |
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