この にそえて ・・・ no.277                     


 

          

 別子山のエドヒガンザクラ・・・別子山とその周辺は旧住友銅山のあった世界有数の銅の産地で、廃坑となって久しい現在も

   当時の繁栄を物語る遺構が点在して残っている。旧別子山村は銅の採掘が別子山から新居浜市方面の東平に移ってから急激に

   過疎化が進み大変寂れていた。平成の大合併に伴っていち早く新居浜市と合併し、銅山のテーマパーク、マイントピア別子、東平の

   遺跡、ゆらぎの森などの集客施設が次々と整備されるとともに、徐々に賑わいを取り戻しつつある。最近は銅山遺跡の文化的価値

   から世界遺産への登録をも打診しているそうだ。

   桜があるのはその別子山森林公園ゆらぎの森のほど近くで、前に掲載した山城神社のケヤキはこの森林公園内に残っている。

   銅山川沿いの県道6号線で、ゆらぎの森に至る看板のある三叉路の600m程東にある別の橋を渡って南の大野方面に通ずる坂道

   を上っていく。途中三叉路のガードレールの脇に目通り3m前後の大きなカゴノキがあった。ここを右に上って更に行くと坂道の先に

   広まった場所があり、そこから下に通じる細道に入って整地された空間に出たらすぐ、奥の方に背の高い桜が見えた。

   根元は急勾配の傾斜地の端にあり、太い根が張り出して斜面を掴み幹を支えている。幹は低くから数本に枝分かれしていて、一番

   太いものは谷側に向かって斜めに張り出し、また何本かに分岐してそこから垂直に立ち上がっている。

   徳島県美馬市の内田のエドヒガンとやや似た形態だが、こちらは幹が格段に若々しく健康で大分若いもののように見えた。枝の損傷

   は少なく沢山の花をつけ樹勢は良好なようだ。複数分岐した形態と真下から見上げる場所が無いので主幹自体の大きさこそ実感でき

   なかったが、これだけ背の高い健康な桜が残っていた事には驚いた。開花時には見学会も行われるようだ。


   別子山のエドヒガンザクラ ・・・幹周り 7m(案内板)/樹高25m(案内板)/愛媛県、新居浜市、別子山