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へんろ地蔵
いつの頃か、生国も名前もわからないが、一人の遍路が金子川の金栄橋付近をねぐらとして住んでいた。 付近の情け深い人が家に泊めて、家族同様に親切にして生活をしていたが、三ヶ月を過ぎても出ていかないので、遍路を追い出した。ところが、遍路はまた橋の付近をねぐらに住むようになったがまもなく死んでしまった。 その後、その家に不幸が続き、遍路のたたりであると、地蔵様を祀って霊をなぐさめた。 その家にはその後不幸が訪れることはなかった。 昭和3〜10年頃は、夏の旧盆には、この遍路地蔵の祭りがにぎやかにおこなわれていたが、戦後は夏祭りも絶えてさびしいかぎりである。 この地蔵様、新四国八十八ヶ所の六十二番所である。 |