第 四図 採掘場の図 最初の仕掛のところをのみによって高さ一尺より奥行二尺或いは三尺まで切りとり、その上部へ傾斜に従って適当の距離に上下の穴を明け、玄のうなどの道具を使って鉱石を砕き取る。 なお、地表に近く、かつ通気のよい場所では薪に火をつけ、この熱によって砕き落下させる方法がとられることもある。 |
第五図 砕女小屋の図 砕女(カナメ)と言われた女子が、鉄槌をもって鉱石を約一寸位の大きさに砕き、これを色の濃淡によって品位の低いものや素石などを選別する。これは婦女子の業務である。 |
第 七図 素吹床の図 銅品位を上げる為め、火床をつくり、二人がふいごを吹き、一人が長い鉄火箸を持って按配する。風と火が廻ると鎔けて湯になり、銅分は沈み、その他の滓が浮くのでこれを流し出して棄てる。銅分がたまるとこれを冷やす。残ったものは半製品銅塊である。 |
第八図 銅を取る図 銅を取るのは殆ど素吹と同様の方法であるが、これは鎔けて湯になった銅が櫨の中で、一杯になると土でこれを覆い、一つの小孔をあけておいて炭を入れふいごを吹く、そして滓が出れば捨てて鎔けた銅湯はアラカネと言われ初めて銅となったものであり、櫨を開き熱が若干下がるのを待って少し水を注ぎ取る。 |