♪裏の薬局通信♪



薬剤師っていう仕事・・・、お恥ずかしいですがやってみるまでどんな仕事か今一つ、分かっておりませんでした。
しかし、まぁ、ここでは堅い事は抜きにして、薬局の笑い話や、患者さんの話、私の職場の仲間の話を仕事内容を織り交ぜながら、しようと思っています。
  ◎ (≧▽≦)NP〜の話
  ◎ 患者さんのお名前
◎ 処方箋の落書き
◎ NP〜の話パート2(≧▽≦)
◎ NP〜の話パート3(≧▽≦)
◎ 調剤過誤のnewsを見て



(≧▽≦)NP〜の話


私の職場にはNP〜という先輩がいます。(えぬぴーって読んでください)
NP〜は私が今の薬局に入社していろんな事を教えてくださいました。それぞれ薬局によって、いろんなやり方があります。例えば、お薬の棚の順番。あいうえお順に置いているところもあれば、薬効別に置いているところもあります。 さらに、いろんな病院さんからの処方を受け付けていますが、その病院さんごとの癖みたいなものもあります。その一つ一つをNP〜は実に丁寧に教えて下さいました。ですから私にとっては一番近い存在の先輩です。

今ではNP〜、妊婦です。もうすぐ、おかあちゃんになります。

そんなNP〜の昔々のお話・・・。

大学生だったNP〜。お友達と電車に乗っていました。電車は満員で、ぎゅうぎゅう詰め。NP〜とお友達は扉の近くに立ちました。満員電車の時って中に割り込んでいくよりも、はしっこの方が楽です。乗り込むと、プシューッと扉が閉まり電車は出発しました。

気がつくと、扉にスカートが挟まれている!!でも、次の駅でまたこっち側の扉が開くし、慌てない慌てない・・・。間もなく次の駅に到着し、無事に扉が開きました。良かった良かった!これが次の次の駅だったらこっち側の扉が開かないところだった・・・。でも、今度は気を付けよう。

NP〜はしっかりとスカートの裾を抑え今度は挟まれないように・・・と用心しました。

プシューッ。

扉が閉まりました。また電車は出発です。「ホッ」今度は大丈夫。スカートは挟まれませんでした。ところが!!!!

NP〜の前髪が扉に挟まっているではないですか!

悲しいことに次の駅では満員電車は空カラになり、前髪の挟まったまんまのNP〜は優しいお友達と一緒に、ガラ〜ンとした車内で、なにもそんなに端にいなくてもってくらい端っこに立っていたそうな。・・・こっちの扉が開くまで。
患者さんのお名前


私が、以前働いていた病院でのお話・・・。


今現在は医薬分業が進んだので、病院で外来患者さんのお薬を作る事は少なくなってきていますが、以前勤めていた病院ではまだ医薬分業が進んでいませんでした。

ですから、入院・外来、両方の患者さんのお薬を作っていた訳です。外来の患者さんのお薬が出来上がると、窓口にいって「○○さ〜ん」ってお呼びするのですが、初めは緊張したものです。窓口から顔を出すと患者さんがみんな、私のお薬かしら?って注目してくれるので・・・。

そのうちに慣れてくると、なんてことなくなるものですが、大勢の人の前に立つのと同じ事ですから、難しい名前だったり、漢字を知らなかったりして呼び間違えをすると恥ずかしい思いもします。大勢の患者さんがいらっしゃるので中にはとっても難しいお名前の方もいるんです。

ある日、外来患者のAさんの処方箋がまわってきました。
その日の処方は
ベンザリン2mg 1錠 寝る前 7日分

というものでした。そこで薬剤師はベンザリン2mgを7錠出して、お薬を入れる袋には「寝る前に 1錠ずつ 7日分」の旨を書き込みます。
その日は先輩のkさん(当時59歳)が、処方箋とお薬を見合わせながら、何度も何度もベンザリン2mgが7錠出ている事を確認しました。そしてお薬を袋に入れて、窓口にいって大きな声でこう呼びました。

「ベンザリン!」

・・・そんな名前の方は、珍しいかもしれません。・・・しかも、呼び捨て?
処方箋の落書き


毎日、私たちは処方箋というものを見ていますが、時々、処方箋にも不備がある事があります。最近では処方箋も手書きのものが少なくなり、印字されたものになっています。しかし、変更があった場合などはドクターがそれをペンで直し、訂正印というものをついてもらうことになっています。

そうした、訂正印が無かったり、手書きの処方箋で錠剤のミリ数が抜けていたり・・・、そういう時は調剤薬局は問いあわせをしています。

ある日、大正生まれの男性が処方箋をお持ちになりました。いつも飲んでいる薬です。しかし、ふと見ると、下の方の薬が線で消されているのに、訂正印がありません。しかも、ドクターのボールペンと太さが違う!

「処方箋が消されているので、先生に確かめますね。」とその患者さんに言うと、それはそれでいいんだとおっしゃいます。でも、こっちとしては、良くないことなんです。

「こういう場合に訂正印がないと、間違えている可能性があるので、一応、お聞きする事になっているんです。」と説明すると、その患者さんは、黙り込んでしまいました。???もしかして???

ご存知ない患者さんが多いのでこうした場合に、よく説明するのですが、処方箋の内容は、患者さんまたは薬局で勝手に変えたりすることはできません。それをしてしまうと、違法行為になります。ですので、出ているお薬についてはドクターによくお話を聞くこと、また、飲み忘れていて余っているお薬などがある時には、その旨もよく伝える必要があります。

問いあわせの結果、今回の患者さんは、ご自分で処方箋内に書き込んでいた訳ですが、よく説明すると、きちんと納得して帰られました。そうして次回からは、ドクターにきちんとお薬についてお話をされているとのことです。
NP〜の話パート2(≧▽≦)


5月。ついにNP〜が子供を産みにご実家に帰られる事になります。というわけで、先日、NP〜の送別会が開かれました。幹事の私はNP〜に内緒で職場のみんなにアンケートを取りました。
NP〜とのエピソードで心に残っている事は?という質問に、さまざまな答えが返ってきました。一番多かったのは漢字の間違え。(実は彼女は国語が苦手)そこでコメントを少し紹介します。

M先輩のコメント:「始めてあったのは薬局のボーリング大会でした。事務長が賞品をかけたとたんストライクを連発しているのを見て『ただ者ではない』と思いました。そして懲りずにこの世に無い字を次々と生み出していった事に感心しました。」

K先輩のコメント:「優しすぎて暴走してしまう事があるのよね。Eちゃんがおならなんかしてないのに『今のは聞かなかった事にしておく』とか『おならは我慢しないで出した方がいい』とかなんとか・・・。当のEちゃんは『は?』って感じで。
あと、緊急の用件があってそれを私が興奮気味に伝えていると突然『K先輩、口紅はみ出してますけど』と言われ絶句してしまいました。」

KK先輩のコメント:「赤ちゃん本舗に一緒に行ったときに聞いた事、『 りんりんは眉毛処理しないと大変って言ってたよ!私は失敗して剃り落とした事あるけど。』えぇっ?剃り落としたぁ??・・・でも見てみたいと思いました。」

このお三人のコメントは、いけてましたねぇ。でも、こんなにみんなに愛されているのはNP〜だからだと思います。
そして、みんなにも内緒でNP〜の旦那様のお手紙を頂いていたのですが、それを読み始めたとたん、D先輩は、どぅあぁ〜〜〜っと泣き始めるし、笑いあり涙ありのよい送別会でした。

こんなNP〜にはぜひぜひ、職場に帰って来てもらいたいものです。

NP〜・・・元気なお子ちゃんを産んで早く見せに来てくださいね!
NP〜の話パート3(≧▽≦)


6月1日予定日だったNP〜の出産。しかし、職場の方は人手不足で結局NP〜は5月2日まで働いていました。そうしてGWにご実家に帰られたのですが、それから約2週間後、無事、元気な男の子を出産されました。2800g。

ちょっと早かったのですが、最近は小さく産んで大きく育てる。それに、なんと言ってもとても安産!初めての子にして1時間半で産んだそうです。後から聞いた話だと「3回ほどいきんだら出てきた・・・。」?そんなもんなんですか?出産て?

しかも、NP〜ったら産んですぐに、うちの職場に電話をかけようと思ったのだそうですが、たまたま電話が込んでて無理でしたと言っておられました。看護婦さんには「まだ、歩かないで下さい!」と怒られ、1週間は手放せないと言われているドーナツ型クッションは3日か4日で不要になったそうです。

そ・・・そんな元気なの?なんか、他の人から聞く話と違うよ?
あー、早くNP〜のオコチャンの顔がみたい!
調剤過誤のnewsを見て


 先日、川崎市の調剤薬局で調剤過誤があり、新聞やテレビでも取り上げられていました。

 調剤過誤というのはどういうことかというと、誤って調剤された薬が患者さんの手に渡ってしまったものを言います。手に渡る前に、監査した薬剤師によって発見され、患者さんに渡らなかったものを『調剤エラー』と言うこともあります。どちらにしても、怖い話です。

 上記の調剤過誤のあった川崎市の薬局では、粉薬を間違えてしまったわけですが、どのような経路で間違えたのか、私の知りうる情報では、こうです。

 粉薬は分包されたものと、お砂糖みたいに500g入りなどというふうに『バラ』の状態のものが一般的です。お医者者様が処方箋を書かれた時に、一回に服用する量が一致していれば、分包されてある既製のモノをお出しすることがほとんどですが、状況によって、他のお薬と混ぜる場合もあります。また、一回の服用量が既製のものと一致しない場合は『バラ』の方から計り取り、分包機という機械にかけて、薬局内で一回量をつくってお出しします。時には、分包されてあるものを崩して、計ることもあります。

 問題は『バラ』のほうですが、箱や缶に入っている『バラ』の薬は更にビニールに入っています。この状態で薬を計ろうとすると、ビニールの切ってある口をゴムなどで縛ってあるのを解き、重たい缶などを抱えながらということになります。そこで、効率上、時間のあるときにそこから『薬瓶』に中身をある程度移しておきます。

 上記の薬局ではそのとき、薬を薬瓶に移し間違えた、と私は聞きました。最も初歩的なミスであると同時に、最も怖いミスです。同じ白い粉であるときは、薬剤師と言えども見分けがつかないときがあります。

 私が今まで働いてきた所は、どこも一貫して、薬を『薬瓶』に移すとき、誰かに必ず、入れようとするときに『箱や缶』と『薬瓶』とを見てもらい、同一のものであると確認してもらっています。それは当然の作業です。思い込んだりして、移し間違えれば、今回の川崎市の薬局のような重大な事件になるからです。

 他にもいろんな『調剤過誤』『医療過誤』を聞くことがあります。聞くたびに、決して対岸の火事ではないと思います。病院なども含めた医療の現場では、どこでもそうですが、ちょっとした気の緩みや、思い込み、集中力がかけたときなどに、このような事故を起こしてしまうからです。薬剤師も当然のように人の命を預かる身です。今までにも増して、丁寧な仕事をしていかなければいけないと改めて認識させられる話でした。

 このようなことがあると、医薬分業についての批判をよく耳にします。今や、医薬分業率は全国平均、40%を超え、50%も目の前です。つまり、半分近くの病院が、病院の中でお薬を渡すのではなく、『処方箋』を患者さんに渡して、病院の外にある『調剤薬局』でお薬をもらってもらうという形を取りはじめたということです。

 いろんな病院さんにかかっている患者さんの場合、それぞれでもらう薬の相互作用を一つの『調剤薬局』でもらうことにより、相互作用や同一の薬の重複などをチェックできます。また、「風邪薬です」と出された薬が3種類4種類とあるとき、こんなにたくさん飲まなければいけないのは、なぜなのか?などといった疑問にも薬剤師が時間をかけて説明することも『調剤薬局』の仕事のひとつです。その他にもメリットがあるから、始まった『医薬分業』のはずです。

 一薬剤師として、今後の、私たち薬剤師は、今までに起こってしまった『調剤過誤』を、医薬分業の『デメリット』にさせないことが大切だと思っています。そのためには、このような文章に表すことや、知識の向上だけでなく、当たり前ですが調剤技術の訓練や、他の薬剤師の目による監査を徹底させていかなくてはならないと思っています。
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