東人の新居浜生活関東との違いPart 1


花と祝電

妻は近眼で、コンタクトレンズを着用している。コンタクトレンズを落として大騒ぎする事は日常茶飯事である。ある時、コンタクトレンズを落としたが、どこを探しても見つからないことがあった。 コンタクトレンズを無くしたので新しいレンズを新居浜の眼鏡屋で手配した。店で注文した時に、住所や生年月日などを聞かれた。
その後、妻の誕生日に家の玄関の前に花の鉢が置いてあった。送り主はその眼鏡屋さんであった。その後も毎年誕生日にはさりげなく花が置かれていた。

新居浜に来る以前の結婚前に、東京・銀座の宝石店で結婚指輪を購入した。購入した際、店員が「祝電を送りますので、式の日と場所を教えて下さい。」というので教えた。
式の当日、色々な人から祝電が届いたが、その宝石店からの祝電は無かった。 別に宝石店から祝電をもらって嬉しいとは思わないが、わざわざ自分で送ることを申し出ていて出さないとは不誠実だと思えた。

東京の人がすべて不誠実とは思わないが、一回限りの祝電の約束を守らない東京の宝石店と、さりげなく誕生日を聞いて、毎年欠かさず花を持ってくる新居浜の眼鏡屋さん。この二つのことが対照的に感じた。


おでん(2)

おでん」にて、新居浜のおでんについて述べたが、おでんの地域による違いはかなり大きいようだ。 吉祥寺のご住職は、関東ではごく普通に食されている「ちくわぶ」が新居浜で手に入らないと言って嘆いていた。 最初、「ちくわぶ」とは何だか分からなかった。 料理の本を調べてみて、写真を見たら、何のことか分かった。 「ちくわぶ」という名前は知らなかったが、食べたことのある材料であった。やや固い白い材料のことであった。 この「ちくわぶ」について、サーチエンジンで検索して紀文のホームページを捜し当てた。 このページには「おでん」についての多くの情報が盛り込まれていた。「おでん白書」、「おでん雑学」あるいは「おでんだね辞典」などのおでんに関する情報が満載されている。 「おでん白書」に、東京、名古屋および大阪の人気のおでんだねがランキングされていた。「ちくわぶ」は東京でも12位にあげられた材料であった。
「ちくわぶ」については、吉祥寺のHPの「住職の自己紹介」から「ちくわぶ情報のページ」に行けますのでご参照ください。
おでん」では、牛筋は新居浜独特の材料のような書き方をしたが、大阪で7位の材料にあげられていて、関西方面の特徴であることが分かった。 関西で「すじ」といえば、牛すじになり、関東の「すじ」は白身魚のすり身に軟骨を加えて棒状に形づくり、ゆでたもの とのこと。 「おでん」と言っても土地それぞれに、おでん文化が存在することを発見した。

ネットサーフィン中に、「うどんの国から来た人」という、さぬきうどんに関するホームページを見つけた。 その中で「うどん屋の三種の神器」として、「いなり寿司」、「おにぎり」そして「おでん」が挙げられていた。
「いなり寿司」は、うどんと一緒に食べるものらしい。
「おにぎり」は店の個性が現れるものとのことで、うどんで足りない場合の調整のためのものか?
「おでん」は、うどんができるまでの待ち時間に食べるのが、さぬきうどんの通らしい。
新居浜見聞録の「おでん」では、多くの飲食店で「おでん」が煮込んであったことを紹介したが、これも、うどん屋の三種の神器の一つとしての「おでん」の伝統が伝わったものかと思った。 そういえば、店に入った人が真っ先におでんの物色を始めるのを何度か目撃した。


台風

関東にいた頃に比べて台風の動きが気になるようになった。関東では、九州や四国に台風が上陸したというニュースの後で、台風の影響が現れていた。 四国では、台風に対する構えも少し違うようだ。これまであまり大きな台風は経験していないが、場合によっては瓦が飛んでくるという。一度だけ、大きな台風が来そうだったので雨戸を閉めたことがある。瓦は飛んでこなかったが、庭の向日葵が倒されていた。
最近は台風の動きについて、WNI CyberWeather Worldなどでチェックしている。 台風がゆっくり、かつ、確実に近づいていてくるのがわかる。


落雁

スーパーマーケットで時々、落雁が置いてあるのを見かけることがある。その理由が判らなかった。職場の人に話をしたら、お彼岸だからではではないかと言われた。 良くは判らないが、この辺では、お彼岸やお盆などに落雁をお供えするようである。


おでん

考えてみると、新居浜に来てから「おでん」を食べたことが無かった。見聞録では、飲食店で「おでん」が煮込んでいることを書いたが、食べたことはなかった。家の献立でも「おでん」は出てこなかった。
「おでん」について、近所の人から妻が聞いた話。その奥さんは新居浜出身の人で、以前、札幌に住んでいたそうである。札幌で「おでん」用の「牛スジ」を買いに行ったら、肉屋さんが変な顔して、奥から1kgほどの「牛スジ」を持ってきて、ただでくれたとのこと。
「おでん」に「牛スジ」?。関東人には判らない。聞いた話では、新居浜の「おでん」は、汁が濃くて飲めないそうである。
スーパーマーケットの肉売場を探してみると、「おでん用の牛スジ」と表示されたものが売られていた。
関東にいたころ、家の献立に「おでん」が出た。スーパーマーケットには、ビニール袋に入った調理済みの「おでん」が売られていて、それを買ってきて、鍋に移して暖めるだけで食べられるものである。これが妻の得意の料理(?)であった。
新居浜で同じような袋入りの「おでん」を探してみたが見あたらなかった。新居浜に来て「おでん」が我家の献立に上らなくなった理由がわかったように思う。
また、袋入りの「おでん」が売られていないのは、新居浜の人は「袋入り」では満足できない「おでん」へのこだわりがあるのかとも思った。


 その後、スーパーマーケットに袋入りの「おでん」が置いてあるのを見つけた。新居浜でも売れるようになったのだろうか。それとも、このホームページの影響か?(そんなことは無いだろう)。
ともかく、新居浜でも袋入りの「おでん」が入手できるようになり、当家の食卓にも「おでん」が出るようになった。


名字

新居浜や西条の人には「伊藤」さんが多い。職場の「伊藤」さんに連絡しようとして電話帳で探したら同姓同名が3人いた。
 「森実(もりざね)」という名字もこの地域に比較的多いらしい。会社の名前で「森実○○会社」というのを幾つか見かけた。当初は「もり・みのる」さんが手広く事業を行っているのかと思った。

 新居浜で多い名字は、高橋、伊藤、近藤の順らしい。頭の文字をつなげると「た・い・こ」となるのは、偶然のことだろう。
 その他、新居浜近辺で比較的多い名字には、越智、藤田、神野、鴻上、真鍋などがある。
 
 
 天正13年(1582)、新居浜が豊臣秀吉の軍により攻められた天正の陣で戦った武将の名前にもこれらの名字がある。
 真鍋姓については、慈眼寺内に天正の陣の総大将の金子元宅の墓と並んで真鍋六人衆の墓も築かれている。
 イラストレータの真鍋博氏(2000/10/31 逝去)も新居浜出身である。
 また、第三舞台の主宰の鴻上尚史も新居浜出身であり、1999年にはNHKの「課外授業 ようこそ先輩」にて、鴻上尚史が母校である中萩小学校で授業をした番組が放送された。
 
 天正の陣で戦った武将の中に生子山城主の松木三河守安村 という名前があるが、この「松木」は「まつき(matsuki)」では無く「まつぎ(matsugi)」と読むようだ。
 新居浜にはこの「松木(matsugi)」という名字も多いようだ。
 
 全国的には珍しく新居浜ではよく見掛ける名字に、永易(ながやす)がある。最初は「ナガイ」と読んでしまった。
 
 新居浜の喜光地付近で「めんどり自動車」という看板を見掛けた。面白い名前をつけるものだと思っていたが、これが名字だった。「妻鳥」という珍しい名字が新居浜には何件かあるらしい。
 
 西条名物のお菓子に「ゆべし」というものがある。看板には、「星加のゆべし」と書かれている。
 この「星加」もこの地方独特の名字である。


テレビ番組

当然のことだが、関東のキー局の放送は直接受信できない。こちらでも関東と殆ど同じ放送が系列局の放送で見られるが、テレビ東京だけはうまく受信できない。しかしテレビ東京の番組を他の系列局が放送していることもある。例えば、「なんでも鑑定団」はテレビ東京の番組であるが、こちらではフジテレビ系列のテレビ愛媛で放送されている。 同じ番組が2つの局から曜日と時間を変えて放送されていることもある。また、関東で数ヶ月前に放送された番組が放送されている場合もあった。チャンネルも関東とは全然違うが、当家では関東のチャンネル番号で系列局の放送をプリセットしている。

関東
キー局チャンネル
NHK総合1
NHK教育3
日本テレビ4
TBS6
フジテレビ8
テレビ朝日10
      
テレビ東京12
新居浜  
系列局チャンネル
NHK総合(松山)2
NHK教育(松山)4
南海テレビ6
あいテレビ27
テレビ愛媛36
瀬戸内海テレビ42
愛媛朝日14
      


茄子

野菜では、茄子も関東ではだいぶ違う。関東では直径約5cm、長さ15cm程度が普通の茄子であるが、こちらではその茄子が手に入らない。
スーパーマーケットでは、ボテ茄子というものが置かれている。これは直径10cm程度の太くて短い茄子である。
また、長茄子も置かれている。これは長さが30cmはあろうか?。その他には、小茄子が置かれている。
関東で売られているような茄子は店頭に見あたらなかった。


東京ネギ

東京で東京ネギと言っても通じない。関東では、これがごく普通のネギであるからである。
こちらでは、関東の普通のネギを「東京ネギ」と呼び、わけぎ(分葱)のような細いネギが「普通のネギ」のようである。
地元の人と話をしたら、東京ネギは、すき焼きの時に使うネギと認識しているようだ。


関東でも群馬県の下仁田のネギは太いネギである。下仁田ネギを新居浜の人が見たらどのように思うのだろう。


ウナギ

スーパーマーケットに置かれたウナギは関東のに比べて大きい。また、関東と関西の違いか、串に刺された状態では売られていない。また、1尾分の長いウナギがそのままお頭付きの状態で焼かれていた。もちろん、頭を除いた切身でも売っていて、当家では切身を購入する。