この国の古への都は 千年もの長きに渡って栄え 伝統的な芸能や文化は華盛り
主人公もこの都で生まれ 伝統を重んずる吟遊詩人の継承者として 若くして第一人者となった
彼の歌は伝統形式を重んじて 明るく美しく青空の様に澄み切った声で 遠くまで良く響き渡る
この古き都に生まれて幼き頃は 美しく四季を彩る野山を巡りて 日の暮れるまで遊んだ
春にはあちこちの堤に桜が咲き 野山は薄紅に染まりて 小鳥達が花の蜜を求め来る
夏には都大路は緑一色に 暑けれど緑陰は涼しく 日が暮れると夜風も吹いて来る
秋には山々は紅葉色に輝いて 如何なる絵よりも美しく 黄金の宇宙にいる様に
冬は東より冷たき風が 粉雪と共に都に降りてくる 薄化粧したるその顔の美しき
人と自然は相和して 心地よき四季を営む わが都も幸せに満ちたりぬ
わが歌は四季を歌い 鳥達が都の空を飛びまわり 花々が野を覆うを称える
満月は東の山端に上がり 風がほのかな香りを運んで 蝶は蜜を求めて花々を巡る
わが歌は野山を歌い 心楽しくリラを弾きながら 憂いの曇りもなし
われ歌の道に秀でし時 やんごとなき王家の姫をめとる 美しきその姫はわが男の子の母なり
キントと呼べるその子の 古より習い事初めの年 四歳でリラを習わす
おとぎ話の如き 幸せの日々は続いて 国もまた誇り高く栄えたり
繁栄は長く続いて 世紀を超え いささかの陰りもなし
右肩上がりの勢いは 留まる処を知らず 科学技術も先駆ける
何不足あらんか 欠けることのなき繁栄は とこしえまで続くと思えり
王様万歳 幸福万歳 平和万歳