第一幕

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第三場: 「幻想交響曲」 第一楽章 変ロ短調 作品11

道化

未曾有の繁栄の最中
人々は忍び寄る
崩壊への足音に気づかず

地球は熱くなり
冬に雪降らず
夏は猛暑続く

冬に桜が咲き
夏は虫も鳴かず緑も色あせた
人類は春と秋を失った


トロイ

ある日川に赴けば
春というのに桜の色薄く
小鳥のさえずりも聞こえない

またある日野に出れば
夏というのに緑の色薄く
蝉の声も聞こえず

いつの日か山に赴けば
秋というのに紅葉の色薄く
木々は冬を待たず葉を落とす


トロイ

冬に最早雪降らず
地球は熱くなり
薄化粧の都を見ることなし

夏には雨も降らず
野山に虫もいない
陸地から緑が消えた

四季とはもう昔語り
春と秋を失って
熱すぎる夏と寒すぎる冬が残る


トロイ

地球は更に熱くなり
両極の氷は溶けて
陸地が沈む

人類は海辺の都市を失い
高地へと移動する
あたかも五万年前の昔に返る

わが永遠の都も滅びぬ
砂漠と成り果て誰も住まず
国民の夢も消え果てた


トロイ

わが都は何故に滅びる
誰がわがいとしの都を壊したのか
地を覆いし生き物は今何処に

気候の激変か、宇宙の嵐か
否、この自然を壊し尽くしたのは
飽くことなき愚かな人類自身

彼等は自らを
全宇宙の生き物の長と呼び
人類の歴史のすべてを失う


トロイ

地球よ、何故滅ぶ
人類の飽くなき欲望により
いとも簡単に一夜で滅ぶ

地球よ、何故美しい
僅か100年前は
この宇宙で一番心地よき星

地球よ、何故滅ぶ
人類の飽くなき欲望により
いとも簡単に一夜で滅ぶ

誰も我々を救えない
誰も地球の破壊を止められない
神が再び我々を許すまでは

誰も我々を救えない
誰も地球の破壊を止められない
神が再び我々を許すまでは

誰も我々を救えない
誰も地球の破壊を止められない
神が再び我々を許すまでは

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