ミュージック・タウン番組始まる

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Ky-156

Music Town Broadcasting

2006年10月1日から、愛媛県今治市に開設されている地域FM放送局「FM Radio Baribari」(20W 送信所・今治市)で毎週日曜日の20:00から21:00までの一時間番組で、モーツァルトの音楽を中心にクラシック音楽総合番組を制作することになりました。既にこの番組のHome Pageも上げましたのでご一覧下さい。番組のテーマソングには、第一回の放送で紹介した、「Eine Kleine Nachtmusik」の第二楽章を採用しました。モーツァルトの代名詞の様な美しい音楽ですからね。番組の制作は主として自宅の研究室で行います。放送番組を制作するAVシステムは以前から完備していましたので、マイクロフォンとミキサーを新調しただけで準備できました。一時間の番組を制作するには平均3時間を要します。聴き直してみて取り直したり、訂正したりと編集するには時間は掛かりますね。いざ放送するとなると、地域FM放送でもこのエリアには人口20万人が生活してますのでちゃんとした番組を作らねばなりません。何度も音楽を聴き直して、過去の印象と現在の感想のギャップを埋める必要がありますし、作曲年代や初演情報なども再確認しなければなりません。手間はかかりますが、音楽研究の成果を纏めるには大変良い勉強になっています。これまでに紹介した作品は、テーマ曲のセレナーデ13番KV525、ディヴェルティメントニ長調KV136、同変ロ長調KV137、フルートとハープのための協奏曲ハ長調KV299、クラリネット協奏曲イ長調KV622、ピアノ協奏曲21番ハ長調KV467、歌劇「魔笛」KV620全曲などであります。そして月に一回はレギュラーゲストをお招きして、スタジオから生放送も行っています。ゲストにはモーツァルトの音楽にも大変にお詳しい「幸兄さん」という方が月に一回生出演して下さいます。先週はピアノ協奏曲21番の時に出演して頂き、第二楽章を何人かのピアノで聴き比べを行いました。ジャズバージョンまで紹介しました。研究室で一人で番組を制作するのはやはり、音楽演奏で言えばスタジオ録音に相当しますね。生放送はライブ演奏の様に変幻自在な対応が待ったなしに求められるのでスリルもあり、番組が生きていますね。出来るだけ生放送の機会を増やそうと考えています。今回の「魔笛」の紹介では、1983年のバイエルン国立歌劇場での中継録画によるDVDを見ながら、「実況中継」の形で番組を編成しました。リスナーは20年近く前のオペラ上演を居ながらにして聴けるという面白い趣向になりました。一時間番組では三回分に相当しますが、オペラに親しみを持って貰うには良い方法と考えています。モーツァルトの四大オペラはすべて全曲をお届けしようと考えています。
クラシック音楽の番組は民放系では、極めて少ないようですね。今治市で小さな番組の放送を始めましたが、10年後の京都でのデビューの準備にもなると考えています。モーツァルトの音楽だけでなく、準備が出来ればリクエストに応じて他の作曲家の作品も取り上げます。そのほかに世界の民族音楽と日本の歌曲も放送する予定です。とりわけ日本の小さいモーツァルトと言われた滝廉太郎は全曲を紹介する予定です。日本音楽の原点である雅楽は特に解りやすく紹介したいと思います。世界と日本の伝統的な音楽を紹介しながら、未来の音楽がどの方向に進もうとしているのかを示唆できればこの番組は小さいですが、ある一定の歴史的な貢献ができるものと考えています。
何故なら現代は未来と過去の交差点上にあり、未来の方向は過去の歴史の発展過程によって現代を貫いて決まっているからであります。オペラと歌舞伎という東西で同時に始まった音楽形式はどちらも400年を超えて、既に新しい作品を生み出すエネルギーを失って過去の遺産を守っているだけであります。それは何故か?どうすれば22世紀の音楽を開拓出来るのかという歴史的な課題を素晴らしい音楽的遺産を聴くことによって問題意識を持ってもらえれば、小さい番組としては晴天の霹靂であります。それは私自身が無名の作曲家としてどのような作品を作曲できるかという課題でもあります。オペラは台本も必要ですが、やはり音楽で決まります。80%以上が音楽の要素で占められるということをモーツァルトの四大オペラは証明しています。支離滅裂の台本でも「魔笛」は19世紀以降の音楽に計り知れない影響を与えました。しかも、現在も世界の歌劇場で毎日上演される演目の一つとして現役のオペラでもあるのですね。150年間も眠っていた「コシ・ファン・トゥッテ」も今では世界中で上演されています。現代という時代がやっとモーツァルトに追いついたと言われる所以であります。この四大オペラは全て異なる要素を持っています。モーツァルトは最後まで進化を遂げていたのであります。ゲスト出演して頂いた幸兄さんは、「野球に例えれば、モーツァルトは600勝投手であり、その内完全試合は150試合、ノーヒットノーランは300試合はあるでしょう。配球も高低、強弱、緩急を心得えて球速も165キロ以上は出ていたであろうし、80キロの遅い球も自在であったから、対戦した相手は初めから勝つ気がしなかったでしょう!」と解説してくれました。日本の地方の小さい放送局の小さい音楽番組ですが、「一寸の虫にも三分の魂」を込めて一定の歴史的成果を上げたいと願っています。モーツァルトと共に脱皮を重ねて、小さい虫がやがて綺麗な蝶になって羽ばたける日を夢見たいと思います。機会があれば番組をお聴き頂ければ幸いです。周波数は78.9MHzで放送時間は毎週日曜日の20:00から20:58までの約一時間で、再放送は毎週水曜日の01:00から01:58まであります。ホームページは何処かのサーチエンジンで「FM Baribari Music Town」と入力して頂ければ第一位で出てきます。1999年から今治市の文化事業の一つであるジャズタウンに関与して参りましたが、私も定年を大幅に超えましたので2007年度からは二回目の引退をして、この音楽番組に専念したいと希望しています。平均余命が伸びたとは言え、健康で長生きできる幸運は誰にでも与えられるものではありません。満80歳を人生卒業の年と考えれば、その日まであと17年5ヶ月しかありません。もう回り道する時間は残されていません。我が人生のゴールに向かって一直線に進んでも間に合うかどうか分かりませんね。精進を重ねて、「人事を尽くして天命を待つ」のみであります。この番組が音楽の未来を予測する上で聴く人に何らかのヒントを見出して貰えれば、その小さい歴史的役割を果たせることになりますね。不特定多数のリスナーの皆様のご支持とご声援をお願い申し上げます。

広く播く生の喜びここにあり、音の楽しき秋の夜かな!

Broadcasting in autumn night live with guest, music is joy of life !

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