タイトル | : 礼拝の基礎 |
投稿日 | : 2009/08/10(Mon) 07:34 |
投稿者 | : Salam <spiderwort77@hotmail.com> |
モスリムの礼拝の基礎
紹介
モスリムの最高の行いとして、5回の礼拝がある。正しい知識で理解し創造者を崇拝し、預言者モハメッドが彼の最後の預言者であることを信じることの次に大切な行いである。そして、預言者モハメッドが、イスラム初期のころ最高の行いは何かと尋ねられたときにも‘5回の礼拝である’と答えられた。(al¬-Bayhaqiyy):
イスラムでの礼拝とは、創造者崇拝行為であるが彼が預言者モハメッドに啓示した、それぞれの決まった方法でする。礼拝は創造者と預言者モハメッドに対する信仰の次に大切なこととされているため、我々は礼拝を生活の基準にしなければならない。仕事中でも礼拝を怠ることは大罪である。ショッピング中や、空港へでかけていて近くにモスクがなかったり、家まで帰ることができなかったとしても、礼拝は必須事項として課せられるのでどこかで場所を探してその礼拝の時間内に礼拝をする必要がある。礼拝時間の開始と共に礼拝をする、もしくは時間内に礼拝をすることは他の必須事項よりも優先される。
第1章:礼拝の準備
必須の礼拝(ファルドの礼拝)は1日5回で、報酬がもらえる。この5回のほかにも報酬のもらえる礼拝はあるが、(スンナ)これらは必須ではないができるのであればしたほうが良い。スンナの礼拝もファルドの礼拝と同じ要領である。
礼拝をするに当たって、いくつか決まりがある。礼拝をするものはモスリムであること、精神的に物の分別がつくこと。(子供の場合は通常6歳から6歳半から。)
洗浄:タハーラ
モスリムは礼拝の前に必ず洗浄を完璧にする必要がある。まず、汚物・不浄なもの(名ジャス)を体から取除く(イスティンジャ)。そして、小浄(ウドゥ)または、大浄(グスル)をし、体を洗浄する。
汚物・不浄なものをとり除く(イスティンジャ)
モスリムは体に汚物・不浄なものが付着することはできない。常に清潔を保つ必要がある。体に直接付着することはもちろん、服、礼拝場所、礼拝のときにそれを持つ状態を保つこともできない。
汚物・不浄なものとは具体的に、小便、大便、血液、嘔吐物、ウミ、性器から排出される精液をさす。(‘マニ’精子、女性のオーガズム時に排出される精液はナジャスではない。―イマム シャーファイ)
小便、大便を済ませたあとにしなければいけないことは、完全に汚物が体から取り除かれるまでトイレットペーパーなどでふき取り、それから水をかけて洗い流す。トイレットペーパーがない場合は、水で汚物がなくなるまで洗い流す。逆に水がなくトイレットペーパーしかない場合も同じく汚物がなくなるまでふき取る。しかし、その場合に汚物をある場所から広げたり、乾ききる前にふき取る。
小浄(ウドゥ)
創造者はいいました。
قال الله تعالى:
يَا أَيُّهَا الَّذِينَ ءامَنُواْ إِذَا قُمْتُمْ إِلَى الصَّلاةِ فاغْسِلُواْ وُجُوهَكُمْ وَأَيْدِيَكُمْ إِلَى الْمَرَافِقِ وَامْسَحُواْ بِرُؤُوسِكُمْ وَأَرْجُلَكُمْ إِلَى الْكَعْبَينِ
6. 信仰する者よ,あなたがたが礼拝に立つ時は,顔と,両手を肘まで洗い,頭を撫で,両足を踝まで(洗え)。あなたがたがもし大汚の時は,全身の添浴をしなさい。またあなたがたが病気にかかり,または旅路にあり,また誰か廁から来た者,または女と交わった者で,水を見つけられない場合は,清浄な上に触れ,あなたがたの顔と両手を撫でなさい。アッラーは困難を,あなたがたに課すことを望まれない。ただし,あなたがたを清めることを望み,またあなたがたへの恩恵を果される。恐らくあなたがたは感謝するであろう。
ウドゥは礼拝の前に必須であり、各部分を洗浄する。部分にもファルド(必須)とスンナ(したほうがよい)があり、ファルドの箇所を逃してしまうと、その礼拝は無効となり報酬も無効となる。ウドゥは水のみで行われる。
ウドゥの方法
‘ビスミッラー’بِسم الله “Bismillah”(神の御名に)といいながら手を洗う。(スンナ)
手首まで手を3回洗う。(図1)(スンナ)
口を3回ゆすぐ。(図2)(スンナ)
水を鼻に吸い上げ、右からはじめ、左の鼻も水をかみだす。(図3)(スンナ)
水が最初に顔に当たるときにウドゥの意思を持つ。‘今からウドゥをします。’と心の中で言う。(ファルド)
顔を洗う。髪の毛の生え際からあごまで髪、皮膚を含み洗う。そして耳を右左洗う。分厚いひげのある男性もひげの生え際をできるだけ洗う。(図4)(ファルド)
顔のラインとは、額から耳にかけて線を引いたときにできる部分のことをいう。そこから耳を除いたあごにかけてできるラインが顔のラインとなる。(図4A、図4B)
顔を3回洗う。(スンナ)
手、腕、ひじを洗う。(ファルド)
それらを右3回、左3回ずつ洗う。(スンナ)(図5)
ぬらした手で、頭を1度なでる。(ファルド)(図6)
耳を3回裏表なでる。(スンナ)(図7)
足と足首を洗う。(ファルド)右から左へそれぞれ3回ずつ洗う。(スンナ)(図8)
これら10段階のファルドの小浄を順番にする。(順番は守らなければならない。)
ウドゥをし終えたときに、祈願(ドゥア)をする。(スンナ)(例文1)
利益
ウドゥやグスルをする際には少量の水を使用することが勧められる。預言者 は言いました。預言者はウドゥをするときにマッドمد (約半カップ)を用い、グスルをするときはサアصاع (約1パイント)を用いた。(Sahih Muslim)1マッドは両手で約1汲み分の水であり、1サアとは約4マッドのことである。ハディースには預言者モハメッド はウドゥの時には6マッド(約3カップ)使用し、グスルには30マッド(約1ギャロンより1カップ少ない量)を使用したと書かれている。
ウドゥの無効にする行為
ウドゥが無効になった場合は再度やり直すまで、礼拝はしてはいけない。
ウドゥを無効にするこういとは、:
1. 体内から出るもの;小便、大便、屁、精液など。
2. 手のひらで性器または肛門を直接触る(赤ん坊のものも含む)。
3. 気を失う、正気を失う。
4. 尻が平らなところに座っている状態以外で睡眠した場合。(例、座ったまま寝ている場合、おなかが垂直になっているため体内からガスが知らずに出ることがない。おなかが垂直でない場合、ガスが出やすくなるため睡眠している間に気付かないことがあるため、この場合はウドゥが無効になる。)
5. 異性を気にする年齢に達している異性の皮膚に直接触れた場合。(結婚することが可能な異性。)
6. もしこれらの事項が礼拝中に起こった場合、礼拝を中断し、ウドゥをしなおしてから礼拝を最初からやり直す。
大浄(グスル)全身シャワー
下記の行為をした後は、礼拝をする前にグスルをする必要がある。
1. 性行為の後
2. 女性の生理が終わった後
3. 出産後の出血の後
4. 出産後
5. 精液が排出された後
グスルの方法
体に付着した不浄なもの(ナジャス)を取り除き、グスルを下記の方法と順番で行う。
1. 水が最初に体に触れたとき、グスルをする意思を心のなかで言う。
2. 髪の毛を含み体全体を水で濡らす。スンナとして各部を右から左へ3回ずつ洗浄する。
ウドゥ、グスルをするとき体から水をはじくものが付着しているときはそれらを取り除いてからする。(例、マネキュア、油性ペンキ、ウオータープルーフマスカラなど。)
ドライ洗浄(タヤマム)
水が回りにない場合、ウドゥやグスルを水なしですることがある。それをタヤマムと呼ぶ。これらはコーランにも書かれている。
فَلَمْ تَجِدُواْ مَاء فَتَيَمَّمُواْ صَعِيدًا طَيِّبًا فَامْسَحُواْ بِوُجُوهِكُمْ وَأَيْدِيكُم مِّنْهُ مَا يُرِيدُ اللهُ لِيَجْعَلَ عَلَيْكُم مِّنْ حَرَجٍ وَلَكِن يُرِيدُ لِيُطَهَّرَكُمْ وَلِيُتِمَّ نِعْمَتَهُ عَلَيْكُمْ لَعَلَّكُمْ تَشْكُرُونَ {{6
水を見つけられない場合は,清浄な上に触れ,あなたがたの顔と両手を撫でなさい。アッラーは困難を,あなたがたに課すことを望まれない。(al-Ma’idah, 6).
<<جُعِلَتْ لنا الأرضُ كلٌُها مَسْجِداً وجُعِلَتْ تُربَتُها لنا طَهُوراً>> رواه مسلم
ハディース:預言者は言いました。この地球は我々の礼拝のために作られました。そしてその土は我々の洗浄のために作られました。(Muslim)
礼拝の時間が来たことを確認してからタヤマムを行う。タヤマムは1回ファルドの礼拝につき有効であり、1度のタヤマムで2回のファルドの礼拝をすることはできない。スンナは何回でも有効である。次のファルドの礼拝の時間がくると、再度タヤマムをやり直す。
タヤマムの方法
使用されていない純粋なホコリのある土を使用する。混合物が入っている土は使用不可である。(図1)
‘ビスミッラー’といいながら始める。(スンナ)
両手の手のひらに土をつけ、タヤマムを行う意思を持つ。‘今から礼拝のためにタヤマムを行う。’と心の中で言う。(ファルド)(図2)
そして手のひらについた土で顔をなでる。(ファルド)(図3)
再度土を手の平につけ。ひじを含め手と腕をなでる。(ファルド)
右からはじめ、左につける。(スンナ)(図4)
右の手が左の各部に土がついていることを確認、左も同様確認することが大切である。(ファルド)