この にそえて ・・・ no.248                           


         

 毘沙門の森のアカガシ・・・  四国最大、日本でも有数の巨樹であろうアカガシの古木。森への入り口付近に案内があり

   伝説で出羽の戦いに敗れた新田義冶が父を頼って伊予に渡り、その父脇屋義助急死によってさらに当地にまで移りて城を築き

   その近くに毘沙門天を祀ったのが始まりであるということだ。この森の直ぐ先には当時屋敷を構えていたという新田の森がある。

   アカガシは根元周りに著しく板根を生じ、特に正面左側のものはありえないほど巨大で畳2〜3畳はあろうか。さらに後方にも巨大

   な板根が発達し、まるでムクかスオウノキの老木のようだ。斜面にあり内部を相当に侵食されている為、倒れまい倒れまいとして

   こうまで相成ったか。一種異様の霊気を放ち、ただ々圧倒される。内部の空洞は著しく、接地面にはかなりの隙間を生じ、加重等

   により板根と幹の間にも亀裂が見られ倒壊のおそれがある。大枝の損傷もあり樹冠の葉はやはり少ない。実際この直ぐ隣にもこ

   れと同じ程か、あるいは更に巨大だったかと思われる巨木が正に倒壊して枯渇している。折れた巨大な幹が長々と森の外にまで

   臥して朽ちかけた様は壮絶だ。世に霊木というものが在るならば、正にこういう樹をさすのだろう。全体にごく小さな森だがアカガシ

   の巨木の他イタヤカエデ、カゴノキ、スギ、ノダフジ、ツバキ等大きなものが多数あり「入らずの森」という印象だった。


   毘沙門の森のアカガシ ・・・目通り周囲7.37m/樹高18m(資料値)/徳島県、三好市、旧井川町、井内谷・毘沙門の森 


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