< 図表・ 資料について 

    
    
 これらの図表、資料は、ぼくのスタジオで行われた実験ノートの断片的なメモをそのまま
集めたものである。まだ充分整理されていないので、重複したり説明不足もあり、また一部
には記憶違いもあるかもしれない。
 あまり学問的とはいえない表現, 記録だが、ペンジュラムを知らない人には、ある程度の
概念が得られるかとも思い掲載することにした。
    
  ペンジュラムに関連する理論的資料としては、下記のようなものがある。
    
☆ 一定の周期で、一定点のまわりに周期的振動をつづける系を一般的に振り子という。
  最も簡単なものは、重力の作用によって振動する(単振り子)であり、その自由振動の周
 期Tは、T=2π√e/√g (e 振り子の長さ)(g 重力の加速度)によって与えられる。
    
☆ 力学的に見れば、振り子はなんらかの慣性があり、またその位置がつりあいの点からは
  ずれた時には、つりあいの位置にもどろうとする作用が働く。そして、その振動周期は、
  T= 2π√(慣性)× √(もどろうとする作用) によって与えられる。
    
☆ ぼくが試みた一般的なもの以外に、二重振り子の振動の2つの規準型。(おもりを2個
  つけた振り子)もある。
    また、振動論には、「弦と膜、空気柱の振動」といった項目があり、「規準的な振動は
  連続した質量の分布した線状の物体、すなわち糸や弦だけでなく、面状に分布した膜や板
  にも存在する。」といった記述がある。
     
○ ぼくの弟子の中に一人だけ数学に強い者がいて、上記に関連した彼なりの数式や実験の
  一部のメモがあったが、曖昧なところもあり、掲載はしなかった。
     
★ 地球自転の力学的証明の一つとしては、1851年フランスの物理学者、フ−コ−が考案し
 た「フ−コ−の振り子」というのがある。北半球でこの振り子を南北に振動すると、次第
 に南西と北東の方向にかたよることから、地球の自転がわかるという。

   

     

         

         

        

 

     
     
     
◎ 振り子の点光源は、すべて自作。直径8cm、厚さ5cm位のブリキの空き缶を利用
   して底のセンターに自動車用のテール・ランプを取り付け、ランプの先端には1ミリ
    の穴を開けた薄い銅版がセットされている。
     
    缶の空間には空気銃の鉛玉が充填され、ずっしりとした重さがある。振り子が軽いと
   不安定で旋回する振幅の減衰時間も短くなり、仕事がやりにくい。
   
◎ 吊り糸は、ほとんど琴糸が使われ、丈夫で長持ちした。時にワイヤーを取り付け、こ
    れをねじって光源の不定期なユレを併用したこともあった。
  天井の吊り糸の支点位置は、微動だにしない固定が大切である。
    
   
◎ 電源は交流をそのまま使うと、線が点線になるので、直流整流器が必要である。
     
◎ カメラをターン・テーブルに乗せて非常にゆっくり回転させる特殊モーター、プーリ
   ーなどは、秋葉原の専門店で調達した。モーターはスムースに正転、逆転可能として
    ある。
    
◎ 光源の明暗をコントロールするスライダックは必需品で、微妙なコントロールが可能
  なものを選んだ。
  電線は細く柔らかいものを選び、振り子に影響しないよう配慮した。
                                     
◎ その他では、真っ暗な露光中に、手探りでもスムーズにカラーフィルターを交換でき
  る工夫など。

         
                    

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  < お知らせ >

「 瑛九 -前衛画家の大きな冒険- 展 」

   瑛九展 チラシ

       

 瑛九 (1911〜1960) は、宮崎に生まれ、浦和で48才の短い生涯を閉じま
した。強烈なオリジナリエティと前衛性を貫いた瑛九は、亡くなる直前には
アトリエにあって点描による油彩画に没入しました。光の中から生まれ出た
ような精神性の深い世界です。
        
 デモクラ−ト美術家協会の活動や膨大な数を残したフォトデッサン、版画
の制作から離れ、原点回帰ともいえるそれらの制作は、彼のとどくことがで
きた極めて高い到達点でした。
    
 その最晩年の3年間に焦点をあて、点描の作品とそれに近づく油彩画・水
彩画を中心に、瑛九を援助していた人々との書簡なども紹介し、瑛九のいう
「大きな冒険とスリルの世界」をみてゆきます。
    
 併せて、協賛出品として、瑛九を凝視した写真家玉井瑞夫のフォト・エッ
セイ≪瑛九逝く≫31点の作品を展示します。
      
               渋谷区立松濤美術館 館長  角井 博

       

協賛出品

<初公開> 玉井瑞夫フォト・エッセイ≪瑛九逝く≫

       

瑛九夫妻(フォト・デッサンの切り紙と)

 48歳という若さで逝った前衛美術家瑛九は、その卓越した個性によって
生前からその周囲に熱狂的な支持者を生み、当時の10代から20代だった
若い芸術家たちが集まり熱い議論を交わしました。
    
 玉井瑞夫はそのメンバ−の一人でした。こうした環境から彼はそこにある
だけのモノを撮ることにあきたらず、後に特殊表現技法を駆使した創作写真
の第一人者になりました。
    
 ≪瑛九逝く≫は、瑛九との出会いがもっとも早く、写真家として独立する
前のまだ若かった彼が、瑛九の人柄に傾倒し、1952年から瑛九が死に至
る前後の1960年7月まで、折りにふれて撮っていた写真から選ばれたも
のです。 
     
 玉井瑞夫の写真と文章によるフォト・エッセイ≪瑛九逝く≫31点の作品
は、すでに東京都写真美術館、宮崎県立美術館に収蔵されておりますが、公
開されるのは、今回が初めてです。
 瑛九夫妻という被写体を、独自の暖かい眼で撮影したこの作品は、肖像写
真のエポックを画するものとして評価も高く、画家の死というドラマを見る
人に強く訴えかけます。
    
            (松濤美術館 主任学芸員  瀬尾典昭 記)

           

        

< 松濤美術館  案内 >

瑛九展  会期

平成16年8月10日(火)〜9月20日(月)

   所 在 地        東京都渋谷区松濤2丁目14-14     TEL 03-3465-9421 
    
           (京王井の頭線 神泉駅下車−徒歩5分)
     
   開館時間  午前9時〜午後5時(入館は4時30分まで)
   休 館 日    月曜日
    
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/index.html
 

玉井よりの  < 招待券プレゼント >

 ○  1960年、瑛九はあまりのユニ−クさから知る人ぞ知る以外には認められず
   清貧のなかで去った。その当時、ぼくはアイオ−や池田満寿夫との話題に、
   「エイキュ−は、将来、20世紀の日本における前衛画家、10指を上げる
   時、必ずその中に残る」といった話をし合ったが、死後44年、21世紀の
   今日、このことはますます現実味を帯びてきた。
     
 ○  その最も大きな根底をなすのが、彼の死の直前、3年間の傑作、点描の作
   品群である。全国各地の美術館から年ごとに収蔵の希望が増えてきたが、今
   日では入手は非常に困難という。                   
    瑛九夫人の都さんはもう88歳になられ、この展覧会は当面のラスト・チ
   ャンスになるだろうといわれ、今回は貴重なチャンスだと思われる。
     
 ◎  ぼくは、この瑛九展に積極的に協賛出品したことから、特別にたくさんの
   招待券を松濤美術館からいただいた。
    そこで、瑛九に興味を持たれ、ぜひとも現実の作品を見たいという方には
   日頃この講座を御覧になっている方はもちろん、初めての方でも、この講座
   のPart910の「瑛九との出会い」を予備知識として参照され、なお
   興味を持たれた方にも、すべて招待券を差し上げようと思った。
     
    
 ◆  要領としては、自宅住所を明記し、返信用切手を貼った長い定形封筒(12
   × 23・5cm)と招待券の必要枚数のメモを同封して下記の管理人、岡野ゆき
   宛てに送付すれば、同数の招待券と上記のチラシ少々をお送りします。   
    
  ◇ 管理人宛先
    
   〒791-0504愛媛県周桑郡丹原町大字久妙寺甲616-3 岡野ゆき 行
   
  ☆  地方からの瑛九展の図録入手は、一冊1500円の現金書留に、送料として切
   手340円を同封して松濤美術館宛に送付すれば購入できる。
   「瑛九展図録1冊の購入希望」と「送付先住所、氏名、電話番号」を明記し
   ておくこと。