最初の仕掛のところをのみによって高さ一尺より奥行二尺或いは三尺まで切りとり、その上部へ傾斜に従って適当の距離に上下の穴を明け、玄のうなどの道具を使って鉱石を砕き取る。 なお、地表に近く、かつ通気のよい場所では薪に火をつけ、この熱によって砕き落下させる方法がとられることもある。 | |
砕女(カナメ)と言われた女子が、鉄槌をもって鉱石を約一寸位の大きさに砕き、これを色の濃淡によって品位の低いものや素石などを選別する。これは婦女子の業務である。 | |
鉱石を焼き、銅を硫黄分と分離させる装置である。かまどの底に薪をしき、その上に鉱石を並べ、さらに薪と鉱石を交互にかまど一杯に敷きならべ、わらやむしろなどで厚く覆い、水を打ち下の口から火をつける。大体三十日から五十日位でやけるから冷えてから引き出す。 この煙は硫黄分があるため、近づけない程のすさまじい光景であるが、この間時々水を注ぎながら焼きつづける。 最初に一千貫の鉱石を入れると二割ないし三割方減って銅・鉄の酸化物、石英および残留した少量の硫黄を含有した約七、八百貫の焼鉱となる。 | |