東人の新居浜生活/近郊の観光地新居浜市内フォレスターハウス

フォレスターハウス

 
 旧別子を訪れると、山林の中に埋もれた産業遺産の数々を見ることができる。
 別子銅山でも、かつては採掘した銅鉱石を焼いて発生する亜硫酸ガスで、木々が枯れ果てた山であった。
 この山を自然に戻すために、明治時代に大規模な植林事業が行われた。
 この植林を推進した人物が、当時の別子鉱山支配人の伊庭貞剛であった。  
 

 
 このまま別子の山を荒蕪するにまかせておくことは、天地の大道に背くのである。
 どうかして濫伐のあとを償ひ、別子全山を旧のあをあをとした姿にして之を大自然にかへさねばならない
 
伊庭貞剛(明治30年頃) 伝記「幽翁」より
      
 

 
 この「大造林計画」実行から100年を記念して設立されたのが、「フォレスターハウス」である。
 一般の人に林業や自然とのふれあいの場を提供するための施設で、森林環境を守るための先進的な山林経営と森林文化を生み出す発信基地となることをめざしている。
 


 フォレスターハウスには広い庭と森の中に続く散策道があり、銅山川の河原にもでることができる。
  
 また、いくつかの歌碑が建っているが、写真の歌碑は伊庭翁の没後75年を記念して建てられたものである。
 
 「五カ年の跡見返れば雪の山」という俳句は、伊庭翁が新居浜を離れる際に詠んだものとのこと。
 

 
 

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