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Ky-096 |
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村山先生、早くも3月になりましたね。梅の花も散り始めて、桜の季節も遠くないと感じられる今日この頃です。今日はDTMの進展状況についてご報告致します。XP対策が何とか初歩的に実用の域に達したので、現在はDTMの環境造りに取り組んでいます。以前に先生から色々とアドバイスを頂いてからDTM環境は進展していませんでしたが、やっとオペラ制作の実践段階に到達出来たので、DTM環境を整えなければ次に進めなくなりました。
XPに替えてからDTM用のソフトも幾つかインストールして見ました。YAMAHAのSOLですが、まだXPに十分に対応しているとは云い難い所があります。SOLはXGWorksのXP対応版でありますが、例えばヴァイオリンの音の再現ではCW9で作製したMIDIファイルをSOLで再生すると、ヴァイオリンの音が重なり合って分離出来なくなったり致します。ピアノ系の音ではそういう事はありません。CW9とSOLでは互換性も基本的にはありません。98系ではもう少し両者間の互換性の範囲が広いと感じています。YAMAHAのUW500PLUSもインストール致しました。このMIDI・AUDIOインターファイスは何かと役立ちます。MIDI入力とAUDIO入力を切り替えてHDDに録音するのに有用です。このUW500に先生に勧めて頂いたMU2000を専用シリアル・コードで接続してみたのですが、XPをOSとするパソコンからMU2000を操作できないのです。色々と設定を変えてみたりと工夫はしているのですが、今日までに成功はしていません。「Illegal Files」とか「Computer Miss-communication」等と出てしまうのです。それに私を最も悩ませているのが、再生・録音時の約0.5秒の遅れです。作曲に於いても、再生に於いても0.5秒の遅れは致命的です。どの要素よりもテンポが全ての音楽に於いては、0.5秒遅れるとリアルタイム作曲法は不可能になります。CW9の場合は、音符入力をすれば何の問題も無く作曲が出来ますが、キーボードから入力する必要もありますので、この0.5秒の遅延は本当に致命的なのです。約一ヶ月をかけてありとあらゆる接続と運用方法を試行錯誤しましたが、0.5秒の遅延は解決出来ませんでした。ただ再生だけなら98系では、それほど遅延が気にならない程には実験出来ましたが、XP系では遅延時間はどうしても短くならないのです。ソフトもYAMAHAとROLANDとも各種試してみましたが、XP系ではやはりCW9の方がSOLやXGWorksより「一日の長」がある事が分かりましたので、それだけは収穫でした。村山先生が始めから音源はYAMAHAを、ソフトはROLANDを採用されている理由もやっと理解できました。
そうして約一ヶ月の悪戦苦闘の後に、再生用の音源と録音用の音源をそれぞれ独立させる他はないという実験結果に辿りつきました。2月27日の深夜になっていましたが、もう28日になっていたかも知れません。MU2000をキーボードによる演奏専用の音源にして、UW500をパソコンへの録音専用の音源にするという最終結論に到達致しました。こうする事によりキーボードによる演奏には発声の遅延はなくなり、但しHDDへの録音は約0.5秒遅れて記録されるというリアルタイム作曲法が実現する事になりました。それは1963年当時の学生時代からの、長い長い夢であったのです。丁度今年で40年目になりますね。真空管時代の終わり頃で、CDはなくLPの時代でした。電卓さえまだ十分に普及していませんでしたし、録音はオープンリールのSONY製のテープレコーダーしか無かったのです。ピアノを即興演奏してリアルタイムで作曲が出来たら!と夢見ていました。「即興演奏で同時に楽譜出力が出来る」ことは当時では夢のまた夢でした。それが何と40年目に実現したのです!真夜中でしたが、「万歳、万歳、万歳!」を言って喜びました。その日は月曜日の深夜でしたが、余りの興奮によく睡眠が取れなくて、翌日のお仕事には大きい影響がありました。そして、深夜にも拘わらずヴァイオリン、ピアノ、チェロによる短い曲をそれぞれ一曲づつ試験的に作曲して見たのです。実際のピアノの演奏よりは、やはり0.01秒位は発声の遅れは感じますが、HDDに録音して楽譜出力を得るには十分なリアルタイム作曲が可能になりました。村山先生の音楽に出合った1999年から、丁度4年間が経過していました。20世紀の最後の年に村山先生の音楽に出合った幸運は、私の音楽人生を学生時代の青春に引き戻して頂いたのです。1963年当時には、同時演奏装置やリアルタイム作曲装置の開発を真剣に研究していた時を本当に懐かしく思い出しました。京都でのわが青春の日々より今年で丁度40年を経過していました。この幸運は村山先生始め、お世話になった多くの方々に謙虚に感謝申し上げています。このリアルタイム作曲法がもう少し完成に近づけば、いよいよライフワークのオペラの制作を再開出来る事になります。わが人生の晩年によくぞ間に合ったという幸運を女神に感謝致します。そして、学生時代のわが恩師である故古松禎一京大名誉教授のご霊前に謹んで報告申し上げる次第です。教授はドイツ語詩型の研究者で、幼い学生の私にオペラの台本を原語で読む事を勧められて、「日本語のオペラ」を書きたいという遠大な夢を与えて下さった、真の教育者でも在られたのです。遠くない将来に、ライフワークの第一作をご霊前に報告出来る様に制作に励みたいと思います。「ミューズの女神よ、才無き我にもそのテンポを聴き分ける力を与えたまえ!」と祈るばかりの日々であります。 |
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俄かなる匠の弾き手何処にぞ、かのバッハよりわがモーツァルト! |
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I would like Mozart
rather than Bach both were genious player of improvisarion ! |
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