色彩と音感

music forum

Ky-022

Colour and Sound

色と音の関係は、これまで余り論じられて来ませんでしたが、オペラの舞台つくりのためには必要な研究かと思います。七色の虹は吉報の知らせとか言います。絵画でいう程の細かい色分けは出来ないにしても、舞台の基調になる色というものを工夫する必要があるでしょうね。ここで”Opera Lyrica Horistic”を例にとって、実験的な舞台の色彩について考察してみたいと思います。
まず、第一幕第一場は主人公の生い立ちから始まりますので、黄緑色などは如何でしょうか。若い時代の青春の悩みなどの表現には緑系かまたは青系でしょうか。昔、中国で若い層の服の襟が青だったので、若い人達を青年と言うようになりました。緑から段々と色濃くなって、第二場では青春の真っ只中ということで空色から青色になる色調がふさわしいと感じられます。第三場は、人々は自然の異常に気づき始める時ですから、茶色系が増してきて、落ち葉のイメージなどを演出してはと思います。第四場では、いよいよ天変地異により崩壊した都を後にするところなので、茶色から黄色までを演出して、第二幕の葬送行進曲のイメージを準備します。
第二幕第一場では、長い放浪の旅をして北の新都をめざす時は、灼熱の太陽や砂漠を進んで行く様を赤色や黄色を織り交ぜて表現したいですね。
第二場はいよいよ北の都に近づいて来て、地球に再び緑を取り戻そうとし始める時なので、再び緑系の色を織りばめて行きたいと思います。第三場と第四場は復活する植物と動物達が喜びの踊りを披露する舞台ですから、それぞれに彩りを沢山出しても良いでしょう。でも、すこし控えめに。そして、いよいよ第三幕第一場では、勝利の歌のように、”命の輝きと調和”の歌が高らかに歌い上げられます。青い空と緑の大地を象徴するように、青と緑が舞台で表現される時です。そして、命は桃色系から赤色までの効果的な色調を出してみたいとも思います。そして、終章の第二場では、初めて白色が登場します。緑の大地の上に突然雪が積もります。青い空を残して舞台は白一色に変わります。空の青色は宇宙を表現します。そして、白は無垢の色、何物にもまだ汚染されていない色、また無欲の色でもあります。フィナーレの舞台を白一色で演出するのは、人類が一度は破壊した地球への償いの気持ちの表現でもあり、もう二度と地球を汚さないと誓うための白色でもあります。主人公達が到着した教会も真っ白、その参道も白く雪が積もっています。主人公達の服装もみんな白色ですが、命の輝きを表現するために赤い蝋燭の灯を持たせることに致しましょう。客席の全員にもその灯を配っておいて、フィナーレで舞台と客席が一体となって、命の灯を振ろうではありませんか。こうして、シンプルでいて印象深い演出ができれば良いなと最近考えることがあります。今日は舞台の色彩感覚について実験的考察をして見ました。音楽と色彩については、まだ全くの手探りの状態です。いろいろな舞台を見て、また勉強を続けたいと思います。(25 Oct 2000)

草深き殿居の夜は悲しくも、まだ見ぬ君に声も届かず!

Alone in summer night duty You might not have received my letter ?

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