シルクロード第一幻想曲

Ky-019

Silk Road Rhapsody by M.Muryama Op.027 in E b minor

今は昔、この都に生まれし人あり
幼き頃より遥かとつ国に失われし
幻の都あり、そを夢みんとす

敦煌を過ぎ行きて楼蘭城に佇めば
彼方にロプノル湖の広がるをみゆ
夢か幻かうみは眼下に漣を立てり

何処よりか笛の音の砂嵐を
破りてわが耳に届くは
いと高き天より聞こえたり

漣はうねりとなりて怒涛の如く
わが城に押し寄せたり
耳を疑うほどに大海とまがわんか

我は求める、遠き古の華の都を
この砂漠のいずくにか埋もれたる
幻の輝ける朝日の如き都なるぞ

北に向えば吐魯番か
西に至れば和田より
遥かに慕士山を仰ぐらん

天山の南路を行く隊商あり
我は問えり何処にか行かんと
彼はただ西を指すのみ

このタクラマカン砂漠の向うに
西方浄土ありと古より伝う
我も行きたし天山の西へ

行きつく先は天竺か
はたまた大秦か
夢は惑いて幻に消え去りぬ

今は昔、この都に生まれし人あり
幼き頃より遥かとつ国に失われし
幻の都あり、そを夢みんとす

わが都より遥か昔に栄えたる
西方浄土に近き城ありて
湖のほとりに黄金の輝けると

何処よりか笛の音の砂嵐を
破りてわが耳に届くは
いと高き天より聞こえたり

Verses by Litto Ohmiya 2000
 和田:ホータン 吐魯番:トルファン 慕士山:ムスタグ山

村山さん、こんばんは
本日は待望の交響曲第一番変ホ短調のMidi版をお届け下さり、誠に有難うございます。早速色々なメディアで拝聴致しました。中国風の華やかさの中にも侘びもあり、シルクロードを歌うのにふさわしい旋律とリズムを心で感じました。10回も聴かない内に、眠れる詩心が揺り起こされて、上記の「シルクロード幻想曲」が自然と詠われました。今回は珍しく、日本語の文語体で
素直に筆が進みました。作曲の技量をまだ持ち合わせていない私は、学生時代の原点に返って、詩心を磨いて行くしかありません。村山さんの天才的な作風に出会えた、この上ない幸せを実感しています。完成度の高い五音音階でのこの作品は、私の詩心を目覚させずにはいられませんでした。効果的な笛と太鼓、波の音のように聞こえる効果音も素晴らしく、明るく楽しく歌うシルクロードの歌心を呼び覚まして止まない作品と直感致しました。
取り急ぎ作品027の感想を詩に託しました。この詩についても後日ご感想をお聞かせ下されば幸いです。
村山さんご一家のご健康と更なる音楽作品の完成を祈念申し上げます。
ミューズの女神が何時も村山さんと共に居てくださいます様に!

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(10月7日 今治にて)

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