作品20:「葬送行進曲」

第二幕第一場

Ky-014

Op.20: "Funeral March"

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舞台は第二幕にはいります。「葬送行進曲」10分55秒は、作曲者御自身にとっても、失意の時代への「鎮魂歌」でもあった様に、第二幕第一場は、主人公にとっても住み慣れた都を追われて、まだ見ぬ未知の北国へ向かう失意の行進の場面であります。この場に至って初めて王妃「Frau」が登場します。王子でもある吟遊詩人を追放の旅の中で支えてくれる、恐らくは「Museの女神」の化身か? 主人公の男声のテノールが歌い上げた後を、同じ歌詞をヒロインのソプラノが繰り返します。そして最後には華麗な二重唱により、第一場を終えます。舞台では説明はありませんが、主人公の失意の対象は実は、「古い時代の象徴」であったのかも知れません。自らは気付かなかったけれども、何時も側にいて「自分を守ってくれる人」が居たのです。そのひとこそ、「Museの女神」の化身、舞台では「Frau」そのひとであったのです。主人公は若さの故に、随分と遠回りをして巡り会ったことに後で気付くのです。そしてそのひとは未来の王妃であり、「新しい世紀の象徴」でもあるのです。この場では、失意の北紀行の中でほのかな希望を見出すことが出来ました。やがて来る北の新都での新しい時代を予感させる場面を演出致します。「葬送行進曲」はやや遅いテンポでも一歩一歩と平和の回復に向けて歩き続けます。場の終わりに来る、HeroとHeroineの二重唱は、やがて来る新しい地球の世紀を暗示させます。

作品35:「交響曲第二番”Horistiac”」第一楽章

第二幕第二場

Op.35 : Symphony No.2 "Horistic" 1st Movement

いよいよHoristic Sympnonyの登場です。第二幕第二場は壊れた地球を再生させる運動を提唱するHoristic Movementを歌い上げる、作者の作品中でも最も重要な作品のひとつでもあります。第二場では、男声のテノールと女声のソプラノの単唱の後に、美しい二重唱で決めます。それを三回繰り返して、最後の重唱では、失われた故郷を再建する喜びを希望に満ちて歌い上げます。時代的には、高度成長の後に来たバブル経済が弾け始める頃に当たります。心有る人々が、バブルの狂乱を批判的に見始めた時ですね。最早、一地域や一国の問題ではなく地球全体の問題となってしまいました。Globalという単語がもてはやされる時代が来ていたのです。そしてこのテーマはそのまま21世紀の中心問題でもありますから。人類はどのようにして、この壊れた地球を再生させることが出来るのでしょうか?
主人公とヒロインは、環境を再生して、新しい北の都を建設する喜びを代わるがわる歌います。混乱の中で別れ別れになっていた家族や友人が次々を北の都に「帰って」来ました。第一楽章5分38秒は程よい時間となりました。そして、第三楽章以下の「歓喜の踊り」へと展開して行きます。

作品35:「交響曲第二番”Horistic”」第二楽章

第二幕第三場

Op.35 : Symphony No.2 "Horistic" 2nd Movement

第二幕第三場は、新しい北の都に続々と帰ってくる市民を主人公とヒロインが握手で迎える場面で始まります。帰ってきた市民たちは舞台一面に歌い踊ります。そしてやがて第四場での「歓喜の踊り」に繋ぎます。第二楽章5分55秒は、短く感じる様に演出されて、幕間も短く第四場に移行します。歌は男声テノールと女声ソプラノの単唱の後に、華麗な二重唱で終わります。背景では帰還した市民が思い思いに軽い踊りを見せています。

作品35: 「交響曲第二番”Horistic”」第三ー四楽章

第二幕第四場

Op.35 : Symphony No.2 "Horistic" 3rd-4th Movement

第二幕第四場は、いよいよ「歓喜の踊り」の舞台になります。地球全体の環境破壊によりこの地上から消え去っていた貴重な動物や植物も復帰して来ます。主人公とヒロインは既に帰還した大勢の市民と共に、その復活を祝って踊り続けます。「とき」や「山猫」、「めだか」や「キタキツネ」、「りんどう」から「蓮華草」まで、それぞれの格好をした踊り手が舞台一杯に踊り広げます。Scherzo & Walz の5分58秒、Canon 3分43秒も踊りの舞台です。生まれ変わった新しい地球では、旧世紀の論理は最早通用しません。人と自然、経済と環境は共存して共生しなければならなくなりました。もし、共生出来なければ、この青い星地球は、宇宙の藻くずとなり一瞬にして消滅してしまうでしょう。本来ならここで第五楽章に乗せて「いのちの輝きと調和への賛歌」を歌い上げるべきですが、Operaの舞台進行上の都合により、第三幕に移動させました。それは主人公とヒロインがWedding Marchに乗って終章に登場して、二人の単唱と二重唱を目一杯に演出するためでもあります。

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