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Forbidden method to play piano |
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先程、地元のJazz Concertから帰って参りました。20人未満のJazz
Orchestraで何人かのゲストを迎えていました。その中で特に注目を集めたのは、猪俣猛さんというこの道50年のプロのドラマーです。14歳からプロの道に入り最近、カーネギーホールで叩いてきたとのことでした。この人の名人芸はプロの定義を超えて素晴らしいの一言でした。もう一人はダニー馬場というVocalで九州の八女のご出身とか、Soul
Singerという紹介でしたが、独特の訛りのある歌い方はユニークでした。まだ、耳に金管楽器の音が残っていますが、私の眼はどうしてもピアニストに向けられます。栗田敬子という松山のピアニストは学生時代から弾いているとのことでベテランでしたが、ブラスに押されてすこし力弱く感じました。最後のアルバムは、「A列車でいこう」で、聴きなれた曲が出て来ると楽しさも倍増ですね。 私の15年前の録音テープをお聞き下さり心より感謝申し上げています。ピアノの演奏法について、奥様もピアニストでらっしゃいますから、どのような弾き方をしているのかと疑問に思われると存じます。それには次の幾つかの点では、「禁則的な」弾き方をしています。その目的はピアノ一台でひとつの交響曲的な効果を出すにはどうしたらいいかという課題から、「ピアノ一台をひとつのオーケストラ」に見立てるという発想から来ています。 (A)黒鍵音階をベースにしていること (B) 常に黒鍵に指を置いているため、黒鍵から白鍵に移りまた黒鍵に帰るという弾き方をしています (C) 黒鍵に指を置き、手掌で白鍵を叩く奏法を取り入れています (D) 波の音を表現する時には、左の腕の肘から手までを鍵盤に置き、艪を漕ぐように連続的な波状音効果を出しています (E) 右ペダルは、反響させたり交響させたりする時は多用しています (F) 鳥が羽ばたいて飛んでいるのを表現する時は、黒鍵を右手でひらひらと蝶が羽ばたく様に叩きながら下方に速く移動します (G) 鳥が上空を飛んでいるのを表現する時は、高音部を使います (H)水上に浮かんでいる時は中音部を叩きます (I)水面を滑走している時は、右手と左手を交互に速く鍵盤の上を叩いて移動します (J)ピアノを打楽器として使う時は、手掌で鍵盤の表面を浅く速く叩いて回ります (K)黒鍵五音音階で作曲した人は、ショパンはじめ沢山おられますが、私の場合は「京風の日本的音階」を目指しています (L)ピアノの鍵盤は白鍵の中に黒鍵があるのではなく、「黒鍵の周りに白鍵がある」と考えて演奏しています 以上の様な禁則的な奏法ですが、ピアノを「琴や琵琶の様に弾く」にはどうしたらよいかいう課題を私なりに実験研究した結果です。これらの内、CとJは ”Palm Effect”、Dは ”Elbow Effect”等と名前を付けました。(村山さんのお茶の間から笑い声が聞えて来そうですね!)でも、その当時は私なりに、京都と今治を毎週往復しながら真剣に考えて実験していました。私のつたない15年前の録音をお聞き頂ける光栄を賜りましたので、より良くご理解頂けるために少しばかりご参考に申し上げました。将に正規の音楽教育を受けていない者の若気の至りの「禁則的奏法」なので、お耳障りではないかと本当に恐縮しています。(平成12年3月25日) |
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