ソウル中央マスジド
4-6 July 2008
Seoul, South Korea
ハンナン大橋を渡ってすぐの左手の小高い丘の頂上に立つソウル中央マスジド。バスの中から撮影。ドームとミナレット2本が見えるのわかりますか? 地下鉄6号線梨泰院駅(イテウォン駅)の近く立つマスジドへの看板
看板からマスジドのゲートまでの上り坂の両側にはムスリム経営の商店が立ち並び、門前町の雰囲気をかもし出している。日本ではほとんど見かけたことのない光景だ。 マスジドの門。ひっきりなしに人の出入りがある。ムスリムだけではなく、観光客もやってくる。昨年の韓国キリスト教ミッショナリーがアフガニスタンで拉致されたときは、この門へ抗議のため韓国人が殺到したそうだ。
門を内側から撮影。20年ほど前に訪問した時は、マスジド周辺にはあまり建物がなかったというイメージを持っていたが、今では隙間がないほどびっしりと店舗が並んでいる。 ソウル中央マスジド外観
ソウル中央マスジド マスジド1階の講義室は、プロジェクタ、ビデオなどすぐに使えるハイテク講義室。
韓国のイスラム団体はひとつだけしかなく、統一されている。韓国ムスリム連盟(KMF)本部はこのマスジドの1階にあり国内のマスジドとムスリムを統括している。 敷地内にある付属幼稚園。
幼稚園の入り口 幼稚園の教室。
ウドゥーをする水場。 マスジド入り口。
礼拝堂入り口を中から撮影。観光客も堂々と入場してくる。 ミフラーブ
ミフラーブ ミンバルの横から。
 韓国は日本よりイスラムの歴史が浅い(韓国1955年から、日本1891年から)、ムスリム数は日本に比べて地元民数でも外国人数でも約半分だと思われる。その二者の比率、状況などみるとほとんど同じ状況と言える。
 違いは、日本は多数の団体があるのに対して、韓国は韓国ムスリム連盟KMFによって統一されている。韓国ムスリムは日本を意識していてこの点は誇りに思っているようだ。
 また、中心となるこのソウル中央マスジドの存在感である。門前町を形成し、ここにくれば書籍、食料品などいとも簡単に手に入る。人との待ち合わせにレストランや喫茶店もある。マスジドではアラビア語、イスラムの教室が開催され、幼稚園も完備している。とにかくここにさえくればほしいものが何でもあるムスリムタウンである。日本にはそれに匹敵する地域がない。神戸マスジド、池袋、戸田市、東京ジャミイなどの拠点はどれもそこまでに達していない。
 日本のイスラム環境をよくするのは、団体やマスジドだけの責任ではない。もっとも原動力になるのは、日本人ムスリムひとりひとりのマスジドに対する意識なのだと私は思う。近くのマスジドに足しげく通う、住居をマスジドの近くに決めるなど、マスジドの位置づけを自分の意識の中で変えれば、おのずとムスリム社会は盛り上がり、需要が増え、商売も成り立つものだ。
 隣国韓国イスラムの状況を見て、学べるものは学び取りたいものだ。
関連情報
 ・第1回アジアマイノリティームスリムシンポジウムに参加して
 ・『日本のムスリム』(日本代表として発表した内容)