この にそえて ・・・ no.47


  

 ウロ・・・ 大きな樹には幹の中心部に空洞を生じている場合が多い。

   ウロと呼ばれるが、おそらくは洞(うつろ)からきているのだろう。 外からでもわかる根元付近の露わなウロもあ

   るが、見た目ではわからず、内部だけがポッカリと空洞化したものも多いようだ。 これは台風などで倒れたとき

   はじめてそれとわかる。 そのような樹はささえる力が弱まっている為、風害には特に弱く根元から折れてしまう。 

   また、どうしてこれが生きているのかと、とまどう程に幹を浸食された樹もある。 根元がもうハリボテのように薄

   い外皮と一部の木部を残して、大きく口を開けた半円筒状になっている。それでも樹冠には青々と茂った枝葉を

   たたえているのだ。 これは年輪の一番外側にある形成層が生きている限り、根からの栄養分は滞り無く枝葉に

   送られるという事で、それがどこかで途切れてしまわない限り、樹は成長し続けるようだ。

   樹木治療でも、この空洞をどう処置するかという事が問題だそうで、大変苦労されている。 先ず、空洞化の原因

   である腐朽菌と腐朽部を取り除き、再び菌が付かないように薬剤を塗る。 そして内部の湿気を避ける為に、内部

   にウレタンなどの発砲樹脂を詰め込む事もあるそうで、これが若干幹の強度を助ける役割も担っているようだが、

   その材料や方法も未だ検討中のようだ。 また、外部に開いた穴をモルタルなどで塞いでしまうのか、逆に開けた

   ままにして風通しを良くするのか。 塞ぐ場合も、その施行法は、永い経験と高度な技術を必要とするそうだ。

   内部から腐ってどんどん空洞化していくのに対して、表面ではまた新たに年輪を増やして懸命に身を太らせていく。

   樹は倒れまい々として、どんどん々大きくなっていくのだろうか。

 


敷地の大楠 目通り7.2m/樹高22m/枝張り34m/徳島県藍住町敷地・八坂神社

《 幹は健康なようだが、多少枝倒れが目立つ。隣に銀杏があるため、観察時には樹下に黄色い絨毯が敷き詰められていた。 》