この にそえて ・・・ no.43


  

 雌雄・・・ 樹にも動物と同じように雌雄の区別をもつ樹種がある。 そうはいっても、ほんの数年前までは

  全く知らなかったので、意外に思う人も多少はいるだろう。

  雄花、雌花というものがそれで、花を付けない菌類などの無性生殖植物は除く。 また花の中に雄しべと雌しべ

  が備わった「両性花」が一般に良く知られるが、これも雌雄同株ということで当然除かれる。

  花の中に雄しべか雌しべのどちらか一方だけが備わった花を「単性花」といい、これが雄花、雌花であり、この両

  方が同じ株に付く樹種もあるのでこれも除く。

  この雄花、雌花がそれぞれ違う株に付く樹種を「雌雄異株」といい、同種で雄株と雌株に分かれている。 これが

  雌雄の区別をもつ樹という事になる。 雌雄異株はクワ科、クスノキ科、ヤナギ科などに見られるそうだ。

  楠は両性花で雌雄同株。 杉は単性花だが同じ株に付くのでやはり雌雄同株。 銀杏は雄花が花粉を風で飛ばし

  て別株の雌花と受粉する雌雄異株。

  花粉といえば杉が花粉症で大変有名になったが、同じ株にある花に届けば良いのだから、あれ程猛烈に飛散する

  事も無いようにも思うのだけれど、それなりの理由があるのだろう。

  両性花で、花冠、がくの揃っている物を完全花といい、単性花は不完全花というそうだが樹としてはどちらがより進

  化したものなのだろうか? 雌雄のある銀杏などの方が人間に似ているからより進化している、とは言えないだろう。

  結実するのは当然雌株の方だ。

 


日枝神社の楠 目通り7.8m/樹高40m/枝張り35m/香川県観音寺市山王・日枝神社

《 樹高の40mは目測ではやや小さい。幹は逆に太さがそのまま上に依存している為、9mクラスとも同等に見える。 》


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