この にそえて ・・・ no.39


  

 植生・・・ 植物にはそれぞれ自分に適した好みの場所がある。

   楠は暖地の平野部、ブナはやや気温の低い山地などのように樹類によっても様々だが、それによって形作られ

   た集合体の様子を植生というそうだ。気候、土壌、地形、生物などの要因で形づけられるようだが、今はその中

   でも人による形付けがかなり大きいのではないだろうか。現在の様子を現在植生といい、もともと本来の姿であ

   ろう様子を潜在植生という。 ただ、その殆どが人為及んだ人為植生で、とりあえずその形態を保っている姿を代

   償植生という。 一般に良く見られる杉林などは、これにあたるのだろうか。 その人為と競合しつつ維持している

   ものを持続植生というそうだ。 やがて人為が途絶えた時、木々は本来自分達が好む居場所に戻りはじめ、元々

   の姿である潜在植生に近づいていく。 最後に到達する完全に調和のとれた場所を極層という。原始林などと言

   われる所は、この極層に近いものだろう。神社にある鎮守の森や古墳などにできた入らずの森なども、その名

   残をとどめる大変貴重なものだと思う。  


貝の川の大楠 目通り8m/樹高30m/枝張り26m/高知県土佐清水市貝の川

《 古墳のように盛り上げられた塚の上にある。幹や枝に損傷があり樹勢旺盛ではないが、雑木に囲まれた居場所は趣がある。 》