この にそえて ・・・ no.271                     


          

 内田のヤマザクラ・・・ 内田のエドヒガンと同じ地域にあるヤマザクラの巨木で、案内板により迷わず到達できる。別名「天神桜」。

   この一帯が「天神の森」と呼ばれているそうだ。森の一角にポッカリと開けた陽だまりの空間があり、桜の古木は緑の深草に埋まるよ

   うにしてあった。根元近くから複数に枝分かれして、その大方の枝は途中から欠損している。推定樹齢6〜700年という途方も無い老桜

   なだけに、これだけの身構えを保っている事自体が稀有な事だろう。うねり出した根元の凝塊を見ていると古事記に登場するヤマタノ

   オロチをふと連想した。往時はこの陽だまりの大半をその枝葉で覆いつくしていたのだろうか。満開の花を湛えた姿はさぞや、凄みの

   ある美しさだっただろう。今は葉の数も極少なく、樹勢は衰えているようだ。春には又花を咲かせるだろうか。「世の中桜」と共に県指定

   の天然記念物となっている。


   内田のヤマザクラ ・・・幹周り 6.86m☆9.08m/樹高15m(案内板)/徳島県、美馬市、穴吹、内田