この にそえて ・・・ no.263                           


          

 中藪のコガノキ・・・  旧半田町の吉野川近く。国道から線路を越えると直ぐに中藪地区となり、中藪庵は松山と徳島を結ぶ旧伊予

   街道沿いにある。ただ現在は主要道から一本奥まった畑脇の小道で、直ぐそばで聞いても知らない人がいた。境内にある庚申塔は宝永

   2年(1674)と元禄14年(1701)に建立され、庵はそれ以前からありコガノキは同時期に植えられたものだそうだ。古くから「こがの木さん」

   と呼ばれて敬愛されているそうで、年配の人に聞くと丁寧に居場所を教えてくれた。傾斜にあって樹皮の一部が大きく剥がれている。枝ぶ

   りも偏っているようで、以前この部分には下枝があったのかもしれない。その分幹周りも繁茂も小ぶりに見えるが、やはりこの種ではかな

   りの巨木だと言えるだろう。枝の欠損等で樹勢はやや弱まっているようにも見えた。庚申さんと言えばあのエビ反ったようなお猿のヌイグル

   ミは面白い。見事にデフォルメされたデザインで、今で言えばキャラクターのマスコット等と相通じるかもしれない。多くは地元の方が作って

   寄進したものだろうか?昔は地域のコミュニティー的な場所だったのかもしれないなあ、などと思いながら暫く「こがの木さん」を眺めていた。


    中藪のコガノキ ・・・目通り周囲3.3m/樹高10m(資料値)/徳島県、つるぎ町半田 、中藪、中藪庵