この 樹 にそえて ・・・ no.255
日浦のムクノキ・・・ 旧川内町の国道11号から、黒森峠をへて面河に向かう494号線。4本杉のある金毘羅寺の前には、
県内最大級である惣河内神社のウラジロガシがある。おりしも記録的な高温の日照り続きで水不足からか、葉がシンナリと垂れ下
がって、いかにも元気のなそうな様子。幹もやや色味が薄くなって全体的に少し小さくなったような印象だった。もう相当な老齢期に
差し掛かっているのだろうか。早く一雨振って瑞々しく復活してもらいたいものだ。さて、ここから少し行くと左手に棚田の広がる日浦
地区があり、椋の大木がどこかに立っているばずなのだが「さてこの広い中でどうやって見つけようか」と目を凝らしたとたんに、すぐ
それは見つかった。いかにも椋の巨樹らしい樹影が遠方の岡の上に画然とある。その樹影を目指して494号を上っていった。
樹冠は一つになっているが幹は大小2株に分かれていて、根元には花や草が植わっている。大きな方の幹は複雑に波打っていて、
かなりの樹齢と変遷を経ているように感じる。樹勢は良く、葉も詰んで繁茂も大きい。広い木陰はなんとも気持ちが良く、垂れ込めた
枝葉の先には、収穫前の稲穂が日に照りかえり、黄色の棚田が目にも眩しく広がっていた。
日浦のムクノキ ・・・目通り周囲(1)5.35m/樹高19m(2)目通り周囲3.36m/樹高17m/愛媛県、東温市、河之内、日浦