この にそえて ・・・ no.240                           


            

 鎮守神社の銀杏・・・  旧三好町の昼間。讃岐から猪ノ鼻峠を越えて池田、箸蔵駅に来たJR土讃線が、ここで大きくカーブ

   して吉野川に架かる鉄橋を渡る。一帯は川岸に拓けた耕作地で、山の緑と黄金色の稲、そして川面がキラキラと光る景色の中を

   ガタン、ゴトンと響く列車の音はなんとも風情があって良い。またいつか、この土讃線にふらりと乗って、香川から高知までの車窓

   をゆっくりと堪能してみたいものだ。銀杏は県道脇の少し入り組んだ所にあり、小さな神域にはムクやカゴノキなどが寄り添うように

   混生し、一塊となった緑が怪しげに湧き上がっている。それだけに黄葉時でないとこんな大きな銀杏だとは思いもせず、何度も通っ

   ていながら見過ごしていたようだ。真新しい鳥居と小さな祠に挟まれるようにしてあり、この銀杏自体が神様のように見える。単一の

   幹は素直に直立し、枝葉も旺盛に繁茂して樹勢は良い。実を付けていないので雄株のようだ。黄葉時はまた更にこの景色に色を添

   えるだろう。すぐ近くには金毘羅さんの奥の院である箸蔵寺がある。


   鎮守神社の銀杏 ・・・目通り周囲4.9m/樹高20m(目測)/徳島県、東みよし市、昼間・鎮守神社