この にそえて ・・・ no.236                           


          

 宗林寺のクロガネモチ・・・  先に紹介した豊浜神社と隣接したお寺に県内でも最大級のクロガネモチの巨木がある。

   その主幹の大きさに、まさかクロガネモチとは思わずに見過ごしていたというのが本当のところで、改めて樹と対じしてみると

   なるほどこの種ではめったに見ない大きさで、うちにある40年以上のクロガネモチと比べても全くの別種のような迫力である。

   樹高はそれ程高くなく幹が複雑に波打っているところからして、成長期に癒合等があったのかもしれない。主幹は地上3mあた

   りから2本に分かれている。内部はかなり空洞化しているようだが、樹皮に張り付いたような丸い瘤もゴツゴツと複数隆起して

   とても力強い。雌雄異株でこれは雄株だそうだ。近くにある若い株には真っ赤な実が鈴なりになって緑と赤のコントラストがとて

   も美しい。冬季に結実するので、このあたりではクロガネモチを「フユナリ」と呼んでいる。寺社や民家の庭木としてもお馴染みだ

   が、ここまで大きくなるのにいったい何年の月日がかかったのだろう。少し前の記録と2000年の調査報告とかなり開きがある

   のは樹が元気で成長が早いという事だろうか。全国的には実に6mを超えるものが報告されているようだ。

   子供の頃からフユナリの赤い実を毎年見続けてきた。肉厚で光沢のある葉。灰白色で滑らかな木肌。一番なじみ深い樹だった。


   宗林寺のクロガネモチ ・・・目通り周囲4.3m/樹高12m/香川県観音寺市豊浜、和田浜・宗林寺             


積の雌雄のクロガネモチ》 《加茂神社のクロガネモチ