この 樹 にそえて ・・・ no.232
童学寺の松・・・ 四国別格2番札所、童学寺。弘法大師が幼少の頃に学問を修めたという歴史ある古寺。天承年間、長宗我部
元親の兵火にあい施設の殆どを焼失したが元禄期に再建された。国の重要文化財である薬師如来像を納めた本堂をはじめ充実した
構成、周辺の景色もよい。石井町から神山町へは2001年に童学寺トンネルが開通し、交通の便は大変良くなっていた。国道192号
線から南に折れ坂道を登って童学寺に近づくと緑の最上部に大松特有の蹲って枝垂れかけたような樹冠が見えて気分が高揚する。
境内の前にため池があり、白塗りの山門は面白い形で竜宮城の入り口のようにも見えた。その向こうにすっくと直立した松の梢が水
面に映りこんでとてもよい風情が出来上がっている。こういう景色は初めて見た。松の立派さがその空間の全てを支配しているようだ。
幹は樹皮の亀裂一つ々が割りに大きく深さもそれほど無い為に見た印象では樹齢が若く感じられる。円柱状の素直な主幹で下枝が
全く無い。上方から放射状に伸びた枝が垂れて葉を茂らせているが、全体では枝葉がやや少ないように見えた。徳島では既に最大
級の黒松の一つだろう。松枯れが蔓延する前ならそれ程の巨木ではないのだが今は四国の松好きには有名な樹のようだ。是非長生
きしてもっともっと立派な松になり、良い景色と歴史を末永く守り続けてほしいと思った。
童学寺の松 ・・・目通り周囲3.64m/樹高26m/枝張り樹高19m/徳島県石井町童学寺
※数値は相互リンク「日本の松樹」サイト様から引用させて頂きました。