この にそえて ・・・ no.224                           


         

 切山の生木地蔵・・・  切山の「真鍋家」から案内板に従って北東に進むと道標がある。

   急な坂道を下りると木々の蔓延った薄暗い小道の先にお堂が見え、生木の地蔵といわれるカゴノキの大木が斜

   面からゆるりと伸びて枝葉を広げている。お堂には300年以上前に彫られた先代の生木地蔵があり、既に枯渇

   して地蔵尊は確認出来なかった。二代目は昭和54年に平家遺跡保存会により復元建立され、初代よりは多少

   小ぶりなカゴノキだが、10年程前に来た時よりは大夫大きくなっている様子で樹勢は良いのだろう。立木に彫像

   する例は如意輪寺の「観音杉」でも掲げたが、独特な信仰の形態として、これからも各地で残っていくのだろうか。

   ここから少し離れた所に「安徳天皇仮御陵院の墓」というものがある。壇ノ浦で悲運の最期を遂げた天皇を悼み

   御衣や御念持仏を埋めて仮の御陵とし、後に院の墓と呼ぶようになったそうだ。金見山の山腹に点々とある民家

   を眺めると、祖谷の風景とよく似ている事に気づく。 春霞、眼下にある川之江がぼんやりと煙って見えた。


生木地蔵(カゴノキ)・・・目通り周囲2.2m/樹高12m(目測)/愛媛県川之江市金生町切山