この 樹 にそえて ・・・ no.211
神木一本杉・・・ 北宇和郡の津島町を流れる岩松川。 役場の前を通る国道56号線から1キロ程北岸の道を
行くと山際に高田八幡神社が見える。 八幡様の隣には金竜寺があり、どちらも町の指定する貴重な書画の文化財
が今に伝わっているそうだ。 神木の一本杉は寺社と岩松川に挟まれた田圃の真ん中にあり、少しずんぐりとした傘
状の樹影が自然の中で良い味わいを醸している。 古くから神社のご神木として親しまれ、手厚い保護と崇敬を受け
た杉は、少し高くなった盛り土の上でさも居心地が良さそうだ。 樹種は違うけれど、丹原町にある志川の楠と見た印
象がよく似ている。 どちらも田圃にある独立樹で「これは大事なもの」という思いがさりげなく伝わってくるから見てい
て気分が良くなる。 祭りの御神輿は一度この木の周りを回ってから御旅所に行くという。 どっしりとした主幹は健康
で、これからも更に永く繁栄して豊かな町と人を見守っていく事だろう。 このすぐ近くには銀杏の特集で紹介した三島
拝高の立派な銀杏がある。
神木一本杉 目通り周囲 4.72m/樹高 20m/枝張り8m/樹齢500年/愛媛県津島町高田・八幡神社前