この にそえて ・・・ no.207                           


      

 吉久のイブキ・・・  川内町の南方、石墨森の中腹から唐岬ノ滝、白猪ノ滝という二筋の瀑布が流れ落ちている。

   清流は表川となり、町の西方で重信川と合流して道後平野を貫流する。 イブキのある吉久はこの川内町西端にあり、

   松山のベッドタウンとして賑やかになった町内でも、比較的に長閑な香りを残している様子。 県道から少し路地に入っ

   た所にある永泉寺の境内。 塀際に根元からゆるりと捻れたように伸び上がった、この種独特の太い幹がある。 繁茂

   はそれ程巨大ではないが、裾広がりでどっしりとした灰褐色の主幹がその永い樹齢を物語っているようだ。 根元には

   「不許葷酒入山門」を刻んだ往時の結界石が転がっている。 葉はやや少なく、樹勢は少し衰えているようにも見えた。


吉久のイブキ 目通り周囲 5.1m/樹高 14m/愛媛県川内町吉久・永泉寺