この にそえて ・・・ no.208                           


            

 大宝寺の銀杏・・・ 国道33号線の久万町中心部から東に1キロばかり。 43番札所の明石寺から80キロと

   いう長丁場を来たお遍路さんは、唐突に現れる老杉の鬱蒼とした霞洞のような風景に迎えられる。 第44番札所大

   宝寺は、大宝元年(701)に百済の僧が本尊の十一面観音を持って渡来しこの地に安置したのが始まりであるとい

   う。 後に2度の火災に遭い、寺史宝物の類は大方がその時に消失してしまったそうだ。 銀杏は本道に至る石段の

   上がり口にあり、その火災の影響か大きく空洞となった幹の内部は今も炭状となって残っている。 ウロの中には小

   さな地蔵尊が祀られてあった。 その幹の太さ程に繁茂は大きくなく、樹勢旺盛とはいえないかもしれないが、この樹

   種だけにまた更に大きく成長していくことだろう。 境内には杉の巨木が多く、最大では目通り5.8mのものがある。


   大宝寺の銀杏 ・・・ 目通り周囲 6m/樹高 20m/樹齢450年/愛媛県久万町菅生・大宝寺