この にそえて ・・・ no.206                           


           

 遊子川の大銀杏・・・ 肱川に併走する国道197号線。 鹿野川湖に沿って南下し、野村町から城川町に至る

   辰の口あたりから、支流の野井川を遡る山間の道に入る。 遙か前方には県境の四国カルストが控え、四国でも相

   当山深い所にいるなあという印象。 遊子谷(ゆすだに)の路上から左手の斜面に高く伸び上がった銀杏樹の梢が見

   える。 枝葉がよく繁茂して遠目でも樹勢旺盛な様がわかる。 木の下に寄ると幹は根元近くから多数枝分かれし、

   実際の目通り周囲こそ掴み難いが、枝張りも大きく葉の付きも良い大変瑞々しい樹影。 5〜6本の支幹が並立し

   て、至る所に乳状瘤が下垂している。 所有する別宮氏は江戸前期に初代がこの地の庄屋となり、その頃に防火樹

   として植えたのがこの銀杏であると言い、 また一説では樹齢千年ともされる。 木漏れ日に照らされた木の下には小

   さな祠が祀られてあり、ずっとここを守り続けているような様子だった。


   遊子川の大銀杏 ・・・ 目通り周囲 10☆ 5m/樹高 35m/枝張り 18m/愛媛県城川町遊子谷