この 樹 にそえて ・・・ no.204
川上神社のケヤキ・・・ 琴南町の東南、徳島との県境竜王山(1059.9m)の山裾にひっそりとある神域。
すぐ近くには香川県最大の杉が立つ杉王神社がある。 近年に三頭越えのトンネルが開通して、美馬町に至る国道
438号線は多少賑わしくなったようだが、この川奥あたりは最初に来た時に「いったいどこに迷い込むんだろうか?」
と夢心地にさえなった山懐の不思議な静けさが今も残されている。 渓流沿いに杉木立をくぐる行き止まりの泥道。
小さなお社と石鳥居の真ん中に葉をすっかり落としたホオノキが一本立っている。 ケヤキはそこから少し坂道を上った
傾斜地にあり、幹は地上4m程の所から2本に分かれている。 高い梢を見上げながら根元に近づくと、思った以上に
大きな主幹で扁平に広がった複合形のようにも見える。 葉の無い時期だったが、ケヤキ特有の樹皮の紋様が楽し
め、なかでも所々にある小さな花びらのような美妙な造形に目をとられた。 樹肌にも見えるし着生物にも見える。
ケヤキはなんとも不思議な樹だ。 2003.6.25に内容を一部修正しました。
川上神社のケヤキ ・・・ 目通り周囲 5.35m/樹高 20m/枝張り 23m/香川県琴南町川奥日開谷・川上神社