この にそえて ・・・ no.20


  

 用材・・・ 人の暮らしで木がおおいに役だっているのは確かだ。幹も実も葉も、全てが必要不可欠だった。

   スサノオの命は自らの各所の体毛を抜いて、それぞれ、杉、楠、桧、槙などを現し「杉、楠は船に、桧は建築

   に、槙は棺材にせよ」と言ったそうだ。楠は香り良く大きく育つので、仏像の彫刻としても大いに使われた。桧

   は杉の何倍もの耐久性がある為、神社仏閣の建築等に良材として重宝されている。良材といえば、欅も木目

   が緻密で美しく、建築や家具、和太鼓の胴部としてもよく用いられる。 更には、碁盤の材料として珍重される

   のが榧で、材は堅く、緻密で美しい。 土木、建築、船舶、車両、彫刻等に用いられる他、実は食用となり、そ

   の油は食用油、灯油となる。古来から縁起木としても用いられ、実は新年の飾りとなるそうだ。ただ、もう大き

   いものは殆ど伐採されて、碁盤のとれるような大木は大変高価なものだろう。


天王峯の大榧 目通り4.7m/樹高16m/樹齢200年/愛媛県伊予三島市富郷・下猿田/県天

《 富郷下猿田から藤原へ向かう天王林にあり、根元には祠を祀って神聖視されている 》