この にそえて ・・・ no.197                           


       

 白峰神社の楠・・・ 坂出市の市街地から少し東に外れた予讃本線八十場(やそば)駅近く。 79番札所高照寺と

   は隣り合わせの神域で、もとは崇徳天皇の行在所があった所。 長寛二年(1164)に天皇がこの地で暗殺されたときに

   は一時白峰宮に安置され、その後神社裏山の矢蘇場(やそば)の水に棺ごとつけられて20日間腐敗をふせいだという。 

   当時、寺は「天皇寺」という名を持ち、改名後も「天皇さん」と呼ばれる事があるようだ。 後に天皇は大怨霊となって京の

   殿上人を震え上がらせる事となる。 またヤソバの水には日本武尊や弘法大師空海の逸話も残っている。 神社裏の金

   山には金山神社が祀られてあり、今はやや寂れている様子だった。 楠は広い境内の拝殿横にあり、直径2m程の主幹

   はまだ若々しい樹皮をして、悠々と伸び広がった繁茂は欠損の少ない健康な姿態。 巨樹特有の荒々しさは無いが、天

   皇の由緒もあってか、やや品のある素直な樹形を誇っているようにも見えた。 


白峰神社の楠 目通り周囲6.2m/樹高26m/枝張り28m/香川県坂出市西庄町八十場1712・白峰神社