この にそえて ・・・ no.18


  

 

 春夏秋冬・・・ 木へんに春と書けばツバキ。木へんに夏ならエノキ。椿ははもちろん春の季語で、椿の有

   名な句は 落ちざまに 水こぼしけり 花椿  芭蕉 

   ポピュラーな樹だから句も多いはずだ。

   榎はニレ科の落葉大高木で、葉の表面がザラザラしているのでよく区別できる。榎の花は夏、実は秋の季語

   で、句は 美しや 榎の花の ちる清水  白雄   

   木へんに秋と書くとヒサギと読むらしい。ノウゼンカズラ科の落葉高木という事だがよく知らない。ノウゼンカズ

   ラはなぜか夏の季語で、句は すすぎ場に のうぜんかつら 花をたれ  素逝 

   木へんに冬と書くとヒイラギ。モクセイ科の常緑低、高木で季語は冬、または秋。

   柊の花 一本の 香りかな  素十

   榎は目通り6mを超える巨樹になり、四国にも既に紹介した何本かの巨樹があるが惜しくも近年に枯れてしま

   った大榎も幾つかある。一里塚などとして路傍に立つ姿がなじみ深い。


土田之木の榎 目通り5.9m/樹高20m/樹齢250年/愛媛県東予市丹生川玉之江/県天

《 藤原鎌足、第14世孫、首藤助清公以下首藤家先祖代々の墓所に立つ 》