この 樹 にそえて ・・・ no.12
八俣の大蛇・・・ 「そが目は赤かがちの如くにして身一つにして八つの頭八つの尾あり。またその身にコ
ケまた桧杉生ひ、その長は谷八谷峡八尾に渡りて見ゆ。その腹は、悉に常に血たり爛れたり」
須佐の男の命が出雲の国で出会う怪物は、八谷に跨り、背中に桧や杉を生やした大蛇だったというのだが、
これはもう山そのもののようだ。連なった山脈の稜線を彷彿とする。須佐の男の命は、ここで見事大蛇を退治
して、その体内から草薙の大刀を取りだした。天皇の威光を示す神器の一つが、出雲の山稜から現れたと解
釈すれば、面白い。また杉といえば、国内の樹種では樹高において最大になるもので、秋田県二ツ井町のキ
ミマチスギというものが60m級で日本一だという。高知県の杉の大杉は57mだそうで同じ高知県池川町にあ
る用居の杉は樹高70mとも言われるが実際はどうだろうか。いずれも本当に雄大なものだ。
用居の杉 目通り8.3m/樹高70m/枝張り10m/高知県池川町用居・河内八所神社