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せっとう節



 
 「せっとう」とは、「石頭」とも書き、鉱石を採掘するためのハンマーのことである。
 鉱山には、足尾・院内銀山その他の山にも古くから「せっとう節」その他の仕事歌が伝わっている。同じ歌詞もあれば異なった歌詞もある。
 
 江戸時代から明治〜大正期に、慣行的に行われた「渡り坑夫」によって山から山へ歌い伝えられ、それぞれの鉱山特有の歌詞が生まれたものではなかろうか。
 
  2000年8月20日、近代化産業遺産全国フォーラムのアトラクションとして、別子銅山せっとう節保存会による「別子銅山せっとう節」が披露された。
 


 セットウは「石頭」とも書かれるが日本古来の呼び名では無かった。
 これはフランス語のマセット(massette:大鎚)からきた名称であり、明治の初期にフランス人技師のコワニエやラロックを招き、フランスの鉱山技術を導入してから普及した工具名であるとのこと。

 せっとう節という名前は明治以降につけられたのだろうが、原型となる歌はその前から有ったものと思われる。
 
 別子銅山せっとう節
 
  1,アー別子銅山金吹く音が
    聞こえますぞえ立川へ
 
    チンカン好きなら坑夫の子になれ
    アーオカタイ オカタイ
       (囃言葉は以下同じ)
 
  2,アー行こうか戻ろうか銅山山へ
    ここは思案の眼鏡橋
 
  3,アー黄金掘りつつ落とした涙
    滲みて今宵は石が泣く
 
  4,アー朝もとうからカンテラさげて
    坑内行くのも意気なもの
 
  5,アー固いようでも女はやおい
    やおいようでも石や固い
 
  6,アーおかか今月は堀場は鉢じゃ
    湯巻買うのは来月じゃ
 
  7,アー堅坑二千尺嫁ごに見せりゃ
    可愛い男の度胸だめし
 
  8, あー目出度町には箒はいらぬ
     おそめ お袖の袖ではく
 
  9,ア−余慶も弟地も銅山山も
    おけさ踊りの歌ばかり
 
 10,アー米の飯喰うて勘場味噌そえて
    これで下財がやめられよか
 
 11,アーきのう今日来たうどがまさいは
    ごんぞわらじを横ばきに
 
 12,アーあなた想いにこれ程やせた
    二コ廻しが三コ廻る
 
 13,アー石が固いのかお手々のからか
    なんぼたいても下がりゃせぬ
 
 14,アーあなた百までわしゃ九十九まで
    共に白髪のはえるまで

   

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