東人の新居浜生活/近郊の観光地西条市郷土博物館

郷土博物館


 陣屋跡の西条高校の隣に、西条市郷土博物館がある。
 この博物館は、西条市大町の田中大祐翁が収集し西条市に寄贈した資料を展示するため開設した博物館である。
  
市指定総合学術資料
市立郷土博物館所蔵品

 
 当館には西条市大町の故田中大祐氏が全生涯をかけて集めた貴重な資料の他、篤志家からの寄贈品も加えて鉱物岩石、植物、化石、一般動物、出土物、古文書、郷土偉人像、書画幅、色紙、短冊、陶器、歴史的道具、古銭、藩札類、襖額屏風類、民族資料、図書類等が所蔵されている。
 これらが西条市出身の故服部久吉氏の建築費寄贈を得て鉄筋コンクリート二階造りの近代建築の中に展示されている。
 
昭和三十九年八月十一日 指定

 
 
 
 
 ここで目を惹くのは、西条市内市之川鉱山で産出された輝安鉱(アンチモン鉱石)で、世界的にも重要な鉱物標本とされている。
 
輝安鉱
 この輝安鉱は長さ45.5cm、重さ13.1kg。明治24年(1891)田中大祐氏の採収されたもので、博物館の所蔵です。
 昭和34年に世界における重要な鉱物標本として東北大学教授矢部長克博士(昭和28年文化勲章受章)により、コペンハーゲンの国際博物館会議(ICOM)に登録されました。
 輝安鉱はいおうとアンチモニーの化合物で、銀青色柱状の集まりとして産出されます。日本の有名博物館の展示輝安鉱はもちろん、世界の大結晶の輝安鉱は市之川鉱山産のものです。
 すず(錫)やなまり(鉛)との合金として、軸受合金、活字合金、蓄電池や電線のおおいに、また酸化物や硫化物として、塗料や顔料に用いられた。
 

輝安鉱の結晶

 輝安鉱の群晶で、世界的な重要鉱物標本として、国際博物館会議に登録されている
 
 
   産地 愛媛県西条市市之川鉱山
   採鉱 明治24年
   収集者 田中大祐氏
 

輝安鉱の結晶(単晶)

 断面が正方形(普通は菱形)に近く、ほぼ四角柱状の巨大な単晶。
 世界でも希なもの。
 
   産地 愛媛県西条市市之川鉱山
   採鉱 明治24年
   収集者 田中大祐氏
 
   
その他、西条藩ゆかりの江戸時代の文物等が展示されている。

同じ敷地内には愛媛民芸館も設置されている。  
財団法人 愛媛民芸館

 
 当民芸館は、昭和四十二年六月、日本民芸協会長、大原総一郎氏が、西条の地が美しい自然と民芸の心の豊かなまちとして発意し、地元有志によって設立されました。
 土蔵造りの典雅な館内には、陶器、木工品、竹製品、染物、織物等生活の場に使われる各種多数の民衆的工芸品や資料を収蔵、展示しています。