東人の新居浜生活/近郊の観光地新居浜市内黒島神社


黒島神社



 黒島神社


内式 黒嶋神社
神社名 照嶋神宮、照嶋大明神
鎮座地 愛媛県新居浜市黒島百七番地
祭神 大山祇神、木花耶姫命、天御中主神
来社 天神社、松尾神社、稲荷神社、若宮神社、恵比寿神社、海神社

 沿革
斉明天皇西征の折、軍船中の大田姫が産気づき照島に下船し、神社に安産祈願した所、大伯皇女を安産した。当時この燧灘を大伯海と云っていた。
木花咲耶姫命の御神徳とされ、以後遠近より妊婦の参拝が多い。安産石を一ヶ持って帰り御礼に二ヶにして返すと子供が元気に育つと云う。

 祭礼
大祭旧暦九月八・九日、現代は新居浜市統一に合わせている。歳旦祭、夏祭(輪くぐり)神嘗祭、大祓、月次祭

 文化財等
西条藩主御墨付、各種古文書多数
境内林、市指定天然記念物「椿の群林」
安産祈願、厄除祈願、海上安全、交通安全、家内安全、試験合格、命名相談等に参拝者が多い。
 
 
 
 鰐石
 太閤秀吉が朝鮮出兵の折り当地黒島より三名の水夫が出陣し持ち帰った石で、ワニの頭の形をして居ます。
 力石 願石
 石を一つ拾い願いを込めてにぎり持ち帰ります。
 願望成就後、もう一つ加え二つにして返します
 

 天然記念物

 ツバキの群生林

   昭和60年(1985)12月5日 市指定

 黒嶋神社境内に群生する椿は、ヤブツバキの類で、市内の山や林等によく見られる常緑樹ですが、このように、大・小さまざまのヤブツバキの生い茂る林はとても珍しいことです。
 この林は、クロガネモチ、クスノキ、エノキ等の大木やヤブニッケイ、サカキ、カゴノキ、アラカシ、イヌガシ、トベラ、マテバシイ等の照葉樹のまじり合った林になっています。
 そして、昭和20年(1945)ごろまで、これらのヤブツバキの実から油を採取していたそうですが、今では、小鳥の好いねぐらになったり、花の蜜を吸いにいろいろな小鳥の集まる場所になっている。  この貴重なツバキの林を、みんなで大切に保存することにつとめましょう。


 新居浜市教育委員会
 
  新居浜のむかしばなし(平成元年2月「新居浜のむかしばなし」編集委員会編 新居浜市教育委員会 発行)より  

 
黒島神社のタヌキ

 
 黒島神社は黒島山の中腹にある。長い石段を上がると、垣生山が西に見える。鎮守の森の緑が潮風にそよぐいい所だ。
 昔、この鎮守の森にタヌキの一家が棲んでいたそうな。何でも一宮神社の小女郎狸の親類だそうで、夫婦ダヌキと七匹の子ダヌキがいたそうな。
 ここのお父タヌキは神主さんによくなつき、年寄りの神主さんといっしょにたき木を取りに行ったり、近所へ使いに行ったり、いろいろよく手伝いをしたそうな。
 ある冬の寒い晩おそく、お宮の石段の方でイヌのほえる声がやかましく聞こえるので、神主さんはどうしたんだろうと思っていると、とんとんと戸をたたく音がして、
「神主さん、助けてください。子ダヌキがイヌに食われそうです。」
と父ダヌキの声が聞こえてきた。神主さんは年寄りで足が弱いし、夜おそく寒いので聞こえないふりをしたいたそうな。
 あくる朝急いで行ってみると、七匹の子ダヌキは、みんなイヌに食われて死んでいたそうな。
 神主さんは、
「おおかわいそうにすまんかったなあ」
といってねんごろにとむらってやったそうな。たが父ダヌキは神主さんをうらんで、
「神主さんの家には七代跡取りが生まれんように。」
といったそうな。
 それから神主さんの家には男の子が生まれず、娘ばかりで養子が続いたそうな。

注 黒島神社(現在黒島神宮)のタヌキの話です。子どもの頃、祖母にせがんでそのタヌキの穴のあったところを見に行った想い出があります。
 お父ダヌキのことばの先に「神主さんが薄情な」がついているともいいます。
 



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