彼の家族は北への逃避行を始めた 僅か一日で砂漠と化した 古き都より追放の憂き目を見た
神は人類に繁栄の破滅を与えた 彼等は神が与え得るよりも 多くの利益を要求したからである
彼等は満ち足りることを忘れ 生きるために必要な限度を超えて 溢れる富を神に求めた
千年以上も栄えた都 その南都より更に北へ 我等は落ち延びる
わがいとしの都は 天変地異ではなく 道徳の敗退により滅んだ
わが家族は南から北へ まだ見ぬ新しき大地を目指して 2000キロも彼方へ歩む
砂漠には飲む水もなく 山には一休みする木もない 強い日光と砂嵐の中を進む
空飛ぶ鳥もなく 地を這う動物もいない 実りある植物も見つからない
わが神よ あなたは何故に我を罰し 古き都より追放されたのか
いとしの香しき都 千年以上も栄えた わが生まれ育ちし都
わが神よ 我等の都を 新しき平和の国に建てさせ給え
我等は北の王国を目指して旅した 冬でも白い花が暗黒を隠し 夏には緑なす植物が砂漠を覆う
鳥達が空に帰って来る 植物が蘇えり大地を彩る 動物達も山に帰って来る
人々もまた新しい土地に帰って来る わが朋よ、家族よ みんな北のわが新都に集え
神の御心により 我等の地球は蘇る 二度と壊されないために
神の御心により 我等の地球は蘇える 二度と壊されないために