援助活動12月15日
あぶ:配給所、、A氏:ペシャワルで買出し。ヤーセル氏:イスラマバード
 今日の配布は4000家族が殺到さるため敷地内に入れず、鉄の扉から順番に入れることにした。敷地内は整然としているが、扉の外は数千人の人で埋め尽くされている。配布を受けようと数時間も前から順番をとっているひともいた。しかし、イスラマバードからの物資の到着は遅い。すでに当初予定より24時間遅れているのである。
 鉄の扉が開かれた。イスラマバードから1日遅れで第1便が到着。予定では13台のダンプが到着することになっていた。
 しかし、実は、これが到着するより以前に、イスラマバードの工場の異変に気付き、ヤーセル氏とマージド氏が工場へ飛んだ。また、M.D.I.のイスラマバードスタッフも工場へ駆けつけた。
 シャムス氏と工場は、詐欺を企んでいたらしかった。
 それを知って、A氏にペシャワル市内での買い付けに飛んでいってもらった。持ち金を投じて、即座に、M.D.I.の紹介する信頼できる業者に新たなファミリーパックの発注をしたのである。無理を言って、明朝までに仕上げてもらうように頼んだ。突貫作業である。イードには難民に美味しい料理を囲んでもらいたいという私たちの熱意とM.D.I.の説得にその業者は応じてくれた。
バナーをトラックの前と両サイドに縛り付け、ファミリーパックには同じステッカーが貼り付けられていた。
配布しながら荷物は降ろされていく。
約50人ずつ敷地内に入れて配布を始めた。
 これがイスラマバードから来たファミリーパックだ。中には、米、小麦粉、油、マメ、香辛料各種など計10種類の内容が詰まっている。一パック46キロの重量がある。これを女性がどのようにもって帰るか心配していたのだが、難民たちが何とかして持ってかえるという。たぶん、家族で中味を半分に分けて持って帰るのだろう。
 ファミリーパックを受け取った人とそうでない人を区別するために、手に染料で着色していく。そうしないと、何度も列に並ぶという。これで手に色をつけられると,いくら石鹸で洗っても当分は色は落ちない。
順番どおりといっても、渡す場所では取り合いとなる。
父親と一緒に14歳の中学生がスタッフとして協力してくれている。
断食明け祭まえのペシャーワルの中心街。買い物客でごった返している。
断食明け祭前のバスの混み様も尋常ではない。
ラマダーン月29日のペシャワルの夕日。しかし、結局、新月は見えず断食明け祭はあさってということになった。1日の猶予を私たちに与えてくれた。

 ところで、イスラマバードに飛んだヤーセル氏は工場で物資を差し押さえた。支払った金額は、発注した金額の半分以上に上るが、結局トラック10台分の物資を確保し、トラックを次々発進させた。素早い対応とM.D.I.の力が、詐欺に遭いながら、損をするどころか、逆に余計に工場より物資を確保ことができたのである。
 ただ、残念なことは、アフガン難民にイードこそは良いものを食べてもらおうと、最高級の食糧を注文していたのだが、実際は一部粗悪品が混じっていたり、品質が注文どおりではなかったため、難民に渡す前に、中味を確認してから渡すという手間を強いられることになった。
 難民支援用物資を商売する悪徳業者の実態はこのようなものなのかもしれない。

 皆さんに預かった募金が,詐欺師に奪われることなく、難民に届けることができたのは、アルハムドリッラー(神に感謝)である。

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